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脳内一人旅日記・改

登山、ロードバイク、一人旅好きのつれづれなるブログ。

ヒッチハイクで出会ったある若者の話

2006年06月16日 | ヒッチハイクガイド
時は2005年の夏、ヒッチハイクで東北地方を一人旅していたときに出会ったある若者について、今回は書きたいと思います。彼は、今まで一人旅で遭遇してきた人たちの中で、最も印象的で最も記憶に残っている人物で、ほんとに素敵な出会いとなりました。


あれは確か、もう深夜の1時ごろ、青森県内の国道沿いで1時間ほど車を待っていたときだったでしょうか。一台のRV車が目の前にゆっくりと停車し、いかにもヤンキーといった風貌の柄の悪そうな若人が助手席からおいらに声をかけてきました。

「こんなところで何やってんの?」

不審そうに見る目と、やや非難の混じった声。

(ん?冷やかしか?一見さんお断りだ!ばかやろう!)

多少イラつきながらも、自分が一人旅の途中であること、そしてヒッチハイクで旅の帰途についていることを説明すると高速道路の入口まで乗せてあげる、ということで交渉成立。高速の入口まではものの10分程で到着しました。


車内で話を聞いてみるとおいらがやってることについて、そんなことをしてどんな意味があるのか?というようなことを真剣なまなざしで問うてきます。

自分の経歴や仕事内容など自己紹介を交えて、たいした意味はない、まあ楽しいからやってんだよと説明をしても、いやもっと崇高で大きな理由があるに違いないと言って聞かず、全く納得がいかない様子。

到着した高速の入口付近にコンビニがありそこに車を停車してたのですが、まあまだ時間もあるし、この若者の疑問をとことんまで解決してやろうじゃないか、ということでそれから2~3時間ほど話し込むこととなります。

その彼は大学生でしたが、大学に入って勉強するわけでもなく何かに打ち込むわけでもなく、目標もなくただただ漫然とした毎日を過ごす中で、自分の生きる意味を見出せずに悩み苦しんでいる若者でした。その闇の深さゆえに自殺まで図ったことがあったそうです。

ちょっと話がヘビーだぜと思いながらも、彼の言葉はストレートで真剣そのもの。おいらも自分なりの考えってやつをぶつけます。

まず彼に言ったのは、自分っていう人間が自分という意志を持って生きていられるチャンスはたった一回しかない、そして、その生きている時間を使って、自分の意志次第でいくらでも自分の物語を作り出すことができる。

そのことは世界で一番ラッキーなことなんだ、俺らがこうやって生きてることそれ自体がラッキーなんだ、だから自分で死ぬなんてすごくもったいないじゃないか、と。

「おまえの物語だ」(ここでアーロン登場なるも相手はわからずキョトン)

次に、確かに目標に向かって何かを頑張ればそれはすばらしいことだ。でも、目標を持つってことは意外と難しいし、それを探してる人はたくさんいる。探し物は何ですか、見つけにくいものですか、お元気~?ってなもんだ。

目標を持っていないことがその人の価値を下げることにはならない。むしろ、それを探し続けて生きることも大きな意味がある。大事なのは、いろんなことに目を向けてそこからいろんなことを吸収すること。そうすれば、いつの間にか選択肢が広がってる、と。

そして、人間ってやつはすべての行動を合理的に行うことができるほど賢くできてない。意味ねーことなんていっぱいある。俺なんか、いきなり意味もなく奇声あげたりするし(笑)、こうやって社会人にもなって他人の善意に甘えたばかげたことやってるけど、それはほんとにただ楽しいから。

考えることも大事だけど、ただ心のままに感じたり思ったりすることも大事な人間の生き方のひとつだ、と。

最後に、考えて悩んだりしてつらいときもあるだろうけど、苦悩があってこそ人って深くなるものだし、どうしてもだめなときは、親や信頼できる友達、まわりの人にそれを伝えればいい。

心を開いて自分を開いて世界を見ていけば、まわりのいろんなことの関わり合いの中で、自分ってくだらないかもしれないけど、でも案外捨てたもんでもないってことが分かる、と。

そんなえらっそうなことを言ったわけです。彼はおいらの話をかみしめるように聞いていてくれました。そして、話し終わった後の彼の表情はとても明るく、生気に満ちていました。
さらに、別れ際に彼はこう言ってくれたのです。


「今までの人生の中で一番最高の出会いだ、ありがとう」


大げさだよと言って照れ笑いしながらも、いやぁ実際はめっちゃ嬉しかったっすわー。ヒッチハイクなんかしてて、こちらが感謝することは多々あれど、逆に乗せてくれた人から感謝されるなんて夢にも思いませんでした。

つーか、ほんと人って外見で判断しちゃいかんなあと思い知らされましたw彼らは彼らなりの悩みがあって、それがほんとに真剣で、こんな行きずりの見ず知らずの人にいろんな話をしてくれたことに感謝したし、短い間だったけど、おいらとしてもほんとに素敵な出会いだったと思います。

実際、ヒッチハイクってどうよ?

2006年06月15日 | ヒッチハイクガイド
今回はタイトルどおり、実際ヒッチハイクってどうよ?ってところをQ&A方式でお話します。まずは、自分がヒッチハイクをしているという話をすると、必ずといっていいほど受ける質問「ほんとにつかまるの?」からいってみます。


とりあえず、前述したヒッチハイクのやり方「ボードハイ」を前提に話を進めます。
今まで何度となくヒッチハイクを行ってきましたが、平均で2~3時間程待てばだいたいは停まってくれます。最短で10分もかからなかったこともありました。最長では6~7時間くらいで、この時はヒッチハイク自体を諦め電車での移動を余儀なくされましたが。

あと思うことは、おいらがヒッチハイクを始めた7~8年前から比べると、近年の社会情勢の不安からか、年々待つ時間が長くなってるような気がします。あくまでも感覚的なものですけど。

ヒッチハイクするにあたって、ヒッチハイクしやすい状況・条件というものがいくつかあります。まずは、車が停まりやすい場所であるか。路肩も無く車通りの多い国道でいくらヒッチハイクをしても、車としては停まりようがありません。コンビニやバス停付近、路肩など車が停車しても安全な場所でするのがベスト。

次に、天候。雨や雪など悪天候の時ほど停まってくれる確率は上がります。やはり、「かわいそう」という心理が働くからでしょう。ヒッチハイクというのは、ドライバーの直感・善意・気の迷いのおかげで成立するものですから、悪天候はそれをくすぐるよい条件といえます。

三番目として地域。なんといっても北海道!ほんと北海道はヒッチハイクしやすい!乗せてくれたドライバーから話を聞くと、まず、ヒッチハイクしてる人をよく見かけるということと、過去に何度か乗せたことがあるという人が多いのです。道産子はヒッチハイクに一番親しみがあるといえるでしょう。



どんな車が乗せてくれるのか。これもよく受ける質問のひとつです。トラックが多いという印象かもしれませんが、実際には一般乗用車が圧倒的です。トラックの場合、特に大手は社則でヒッチハイカーを乗せるなということが決められているようです。

過去にノックハイで直接交渉をした時、上記の理由で断られるケースがほとんどでした。ただ、全くだめというわけではなく、会社で決められてるから普段は乗せないんだけど今日はたまたま、という感じで乗せてくれた人もいました。また、大手ではない会社のトラックとかは普通に乗せてくれる場合もあります。



次に、乗せてくれる人はどんな人か。まあ、千差万別ですが、半数は自分と同年代の若者が多いです。若人らしく興味本位というのが圧倒的な理由。勢いで本来なら自分達が行かないところまで行ってくれたケースも何回かありました。

あとの半数はおじさん、おばさん、カップル、子供連れのお母さんってのもありました。ご飯やジュースをおごってくれる場合も多々ありで、共通して言えることはみんないい人達ばかり、だということです。



最後に、危険な目に遭った事がないのか。全くありません。アメリカでは法律でヒッチハイクを禁止している州もあったり、そうでなくても、海外ではドライバーが金銭を要求したり、逆にヒッチハイカーがドライバーを襲うこともあったりと、いろいろ物騒なことが発生しているようです。

昨今の日本でも情勢が不安定になってきていますので、今後は身の危険が迫ることがあるかもしれません。今んところはそういった事件の報道は聞いたことがないのが救いですな。



結論ですが、ヒッチハイクは、ほんと楽しいから是非やってみなよ!と誰かに薦めるにはちょっとはばかられます。夏場のクソ暑い中、何時間も待つのは正直つらいですしwもちろん、待っている間も退屈といっちゃあ退屈ですし。海外みたいに、もしかしたら何か危険な事態が発生するかもしれませんし。移動手段として考えても決して効率のいい方法でもないですし。

まあ、ほんとお金がないけど遠くに行きたいといった場合にするのはいいかもしれません。
おいらが大学生の頃からずっと続けている理由は、やっぱ人との出会いってやつですかねえ。停まってくれる人ってのは今のところはほんとに親切な人です。普段生活してる中ではあまり感じませんが、世の中、いい人ってほんといるんだなあ、って思うわけです。

そんな感じで、都会暮らしに疲れた人は是非一度はヒッチハイクをw

ヒッチハイクの方法

2006年06月14日 | ヒッチハイクガイド
ここんとこ、本ブログの趣旨と外れる内容が多くなってきたのでそろそろ本分に立ち返ろうと思います。ということで今回は、ヒッチハイクのやり方についてお話します。


①サムアップ
一番古くから使われてきたヒッチハイクのやり方で、ただ単に親指を立てて道端に立つという方法です。至極単純で体ひとつでできちゃうお手軽ヒッチハイク法です。ヒッチハイクの意思表示としては最小限になってしまうので、ドライバーからすると何をしているか分からないという場合も多いでしょう。よって、実際に停まってくれる確率も低くなります。
ヒッチハイクそのものを純粋に楽しむ目的ならばこの方法はぴったりですね。


②ボードハイ
目的地を書いたボードを掲げてヒッチハイクする方法。もっともよく知られているやり方なのではないかと。電波少年でもおなじみですね。おいらのヒッチハイクはほとんどこのやり方を用いております。
コンビニでノートを買ってそれをボード代わりにすることが多いのですが、風が強い日などはページが勝手にめくれたりノートそのものが風で折れ曲がったりすることがあるので、本来ならばダンボールをボードにする方が適切です。


③ノックハイ
上記ふたつは、基本的に待つという受身の姿勢ですが、逆にノックハイは停車中のドライバーに声を掛けて、ヒッチハイクを懇願するという攻めの姿勢、かなりの勇気と愛と希望が必要なヒッチハイクのやり方です。
一般的なのは高速道路のパーキングで、あらかじめナンバーで行き先を予測し、車に戻るところで声をかけるというもの。おいらが実際にやったノックハイはパーキングではなく、交差点で信号待ちしている車に、文字通り、窓をノックしてヒッチハイクを交渉しました。



まとめると、ヒッチハイクをただの移動手段でどんどん先を急ぎたい場合はノックハイでがつがつ、逆に、のほほんとのんびり旅に酔いたい場合はサムアップ、ということになるでしょうか。ボードハイは一般的にも良く知られた方法だと思いますので、とりあえずやってみようかな的であれば抵抗無くできるのではないかと。

そんな感じっす。続く。