日本学術振興会の科学研究補助金(基盤研究(B))による三年間(2010-2012)の共同研究
Biblioteca Publica de Evora(ポルトガル)調査の1コマ
【研究目的】
16-17世紀の東アジア海域史を総合的に研究するためには、漢字文化圏の史料だけではなく、西欧史料の検討も不可欠である。日本ではつとにポルトガル・スペイン・オランダ・イギリスの一次史料による充実した研究の蓄積がある。しかしこうした研究は、おおむね日本と西欧諸国との二国間関係史として進められ、中国史料なども活用して、東アジア海域の全体像を論じた成果はなお乏しい。特に近年では、利用しうる各国語の一次史料が大幅に増加し、研究の専門化が進み精緻な分析が進められている一方で、一人の研究者が東アジア海域全体にわたる研究を行うことは困難となっている。このため本研究計画では、西欧史・中国史・日本史を専門とする研究者の共同研究を通じて、西欧(ポルトガル・スペイン・オランダ・イギリス)・中国・日本・韓国という、16-17世紀の東アジア海域史に関する史料について、各分野の専門家が協力して、海外の文書館」・図書館などにおける調査とその研究を進め、研究成果を共有することにより、東アジア海域史の史料学を構築することを目的とする。
セヴィーリャの商品取引所は、1582年にフェリペ2世の命によって建設が始まり、1646年にいたって最終的に完成した。もともとアメリカ貿易に従事するセヴィーリャ商人は、彼らの公館で紛争処理を行い、カテドラルの内外などで交易や契約を行っていたが、その後はこの商品取引所が、商事紛争の処理や、交易や契約の場となった。
しかし、1717年に商品取引所はカディスに移され、セヴィーリャの取引所は空き家になっており、それが文書館に転用されたのである。
文書館はカテドラルと王宮(Peales Alcazares)のあいだにあり、中庭を囲んだ2階建ての正方形の建物である。クリーム色を基調とした端正な建築で、スペイン・ルネッサンス様式を中心に、その後の増改築のプロセスでバロック様式・ロココ様式なども加味されているという。1987年にはユネスコの世界遺産に登録され、文書館としての役割とともに、セヴィーリャの代表的な史跡の一つでもある。
インディアス総文書館の文書には、いくつかの主要な来源がある。特にインディアス会議、セヴィーリャ通商院(La Casa de Contratación)の文書は、大航海時代以降のスペイン軍事・通商・裁判・財政・地理学・航海技術などに関する資料の宝庫である。
このほかにもセヴィーリャやカディスのインディアス領事館(Consulados de Corgodores a Indias)などの通商・司法機関や、王立ハバナ会社(Real Compañía de la Habana)などの植民地現地機関など、さまざまな機関に収蔵されていた文書が集められている。さらにコロンブス関連文書などの個人文書や、絵画・地図などの図像資料・現物資料も多い。(Nakajima)
海域史料科研の、いちおうとりまとめ役となっている中島楽章です。
ここではメンバー紹介を。
研究代表者:中島楽章(九州大学人文科学研究院)
研究全般のとりまとめ
研究分担者(五十音順)
岡美穂子(東京大学史料編纂所)
おもにポルトガル・スペイン史料を担当
藤田明良(天理大学国際学部)
おもに日本・朝鮮史料を担当
八百啓介(北九州市立大学文学部)
おもにオランダ・イギリス史料を担当
山崎岳(京都大学人文科学研究所)
おもに中国・東アジア史料を担当
研究協力者
鹿毛敏夫(新居浜工業高等専門学校)
おもに日本史料・考古資料を担当
上野晶子(北九州市立自然史・歴史博物館)
おもにオランダ史料・実物資料を担当
海外共同研究者
Roderich Ptak(Personenliste Munchen University)
Harriet T. Zurndorfer (Sinological Institute, Leiden University)
Lucio de Souza (European University Institute)
陳春声(中山大学歴史学系)
劉序楓(中央研究院人文社会科学研究中心)
このメンバーで、中国・日本・朝鮮・ポルトガル・スペイン・オランダ・イギリス各国語の史料、さらには考古資料・実物資料まで、東アジア海域史の史資料をほとんどカバーできるのが、このプロジェクトの眼目になっています。
海外共同研究者も、各国の大家・実力者にお願いすることができました。
今後ともお引き立てのほど、御願い申しあげるしだいです。
ここではメンバー紹介を。
研究代表者:中島楽章(九州大学人文科学研究院)
研究全般のとりまとめ
研究分担者(五十音順)
岡美穂子(東京大学史料編纂所)
おもにポルトガル・スペイン史料を担当
藤田明良(天理大学国際学部)
おもに日本・朝鮮史料を担当
八百啓介(北九州市立大学文学部)
おもにオランダ・イギリス史料を担当
山崎岳(京都大学人文科学研究所)
おもに中国・東アジア史料を担当
研究協力者
鹿毛敏夫(新居浜工業高等専門学校)
おもに日本史料・考古資料を担当
上野晶子(北九州市立自然史・歴史博物館)
おもにオランダ史料・実物資料を担当
海外共同研究者
Roderich Ptak(Personenliste Munchen University)
Harriet T. Zurndorfer (Sinological Institute, Leiden University)
Lucio de Souza (European University Institute)
陳春声(中山大学歴史学系)
劉序楓(中央研究院人文社会科学研究中心)
このメンバーで、中国・日本・朝鮮・ポルトガル・スペイン・オランダ・イギリス各国語の史料、さらには考古資料・実物資料まで、東アジア海域史の史資料をほとんどカバーできるのが、このプロジェクトの眼目になっています。
海外共同研究者も、各国の大家・実力者にお願いすることができました。
今後ともお引き立てのほど、御願い申しあげるしだいです。
この共同研究の母体は 2009年11月にリスボンで催されたワークショップと調査史料です
(日本学術振興会科学研究補助金「ユーラシアの近代と新しい世界史叙述」と
文部科学省特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」の共催)

ワークショップ「Maritime Trade in East Asia from the 15th to 18th Centuries」

国立トンボ公文書館での史料調査
そこで 横文字の研究チーム名は "TEAM Lisboa"!
日本語の略称は 「海域史料科研」というところでしょうか?
(文責:藤田)
(日本学術振興会科学研究補助金「ユーラシアの近代と新しい世界史叙述」と
文部科学省特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」の共催)

ワークショップ「Maritime Trade in East Asia from the 15th to 18th Centuries」

国立トンボ公文書館での史料調査
そこで 横文字の研究チーム名は "TEAM Lisboa"!
日本語の略称は 「海域史料科研」というところでしょうか?
(文責:藤田)
この共同研究の母親が リスボンなら
父親にあたるのは 2009年1月に行われた 双嶼フィールドワーク

双嶼は中国浙江省沿海の舟山群島 六横島と仏渡島の水道に面した小さな島港

16世紀には中国・日本・ポルトガル等の非合法商人が参集するハイブリッドな場でした

(文責:藤田)
父親にあたるのは 2009年1月に行われた 双嶼フィールドワーク

双嶼は中国浙江省沿海の舟山群島 六横島と仏渡島の水道に面した小さな島港

16世紀には中国・日本・ポルトガル等の非合法商人が参集するハイブリッドな場でした

(文責:藤田)