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東アジア海域史料研究

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さまざまな言語史料を駆使して海域交流史の多角的解明をめざす

2011年6月 長崎会議と調査 ② 【定例研究会議】

2011-06-18 04:33:53 | 研究会&会議

 15:00より、博物館第一会議室で科研費の定例会議。まず今年度の研究活動計画について議論。

 ついで藤田明良が、明日調査を行う肥前深堀の歴史と唐人墓について紹介し、さらに今年度から研究協力者として加わった岡本真(東京大学人文社会系研究科・博士課程)と、中島楽章が研究報告を行った。

 岡本報告「種子島「新貢三大船」考」は、近年火縄銃の伝来問題と関連して論争が続いている、天文13-14(1544-45)年に種子島を出帆した遣明船の渡航過程について、従来紹介されてこなかった、いくつもの史料を援用して考証。この問題に関する定論となることが期待される。

 中島楽章「1540年代の双嶼密貿易と西洋式火器」は、明朝・日本・ポルトガル史料を利用して、1540年代の南九州における火器の伝播を考察。ポルトガル・日本史料を専門とするメンバーから有益な教示を得ることができた。

 なお 今回は博物館のご好意で無料で会議室を利用させていただいた。大石一久研究グループリーダーによれば、今年から長崎学調査研究プロジェクトがスタートし、内外の研究者との連携を深めていきたいとのことである。

 研究会終了後、出島ワーフの「朝市食堂」で懇親会。長崎県世界遺産登録推進室の川口洋平氏も合流。長崎で発掘された、ポルトガルのオリーブ油壺に関するご論考をいただく。リスボン海事博物館にも、同型のオリーブ壺が展示されていた。

(Nakajima/Fujita)


第一回研究会と研究推進会議

2010-05-26 21:59:19 | 研究会&会議
5月22日(土)~23日(日)
本科研の第一回研究会と第一回定例会議が開催されました

第一回研究会 5月22日(土)14:00-18:00 於:福岡県大川市向島 旅館三川屋

①中島楽章:明代朝貢制度の変容と再編
②山崎 岳:元末明初の海域史と福建の政治動向
③岡美穂子:双嶼掃討の捕囚など欧人による16世紀の中国記録
④鹿毛敏夫:戦国大名と九州北部の川
⑤藤田明良:海域を駆け巡る情報と史料―『明清闘記』、もうひとつの「華夷変態」―

大川は筑後川河口の古い港町 日田杉などの集散地で今でも家具など木材加工業が盛ん
鹿毛氏によれば かつて 久住連山の硫黄も筑後川を下って船積みされ海外に向かったという

明治時代に海運関係者が寄進した鳥居が建つ向島の三柱神社
古くは「祇園さん」と呼ばれた山門系の神社だった


第一回研究定例会議 5月23日(日)13:00-16:00 於:福岡市早良区九州大学西新プラザ

【議題】
1:今後3年間(2010-2012年度)の研究計画
2:各メンバーの研究テーマ・研究計画
3:南欧調査計画について(2010年11月下旬)
4:2010年度の研究計画(研究会・広州湾調査など)
5:史料講読・訳注計画について
6:その他(4月マカオ会議の報告など)

この会議では今年度の研究計画を下記のように具体化しました
・海外史料調査:リスボン・セビーリャの文書館(2010年11月)、澳門・広州湾(2010年12月か11年1月)
・双嶼で捕縛されたポルトガル人虜囚の手記の訳注、英訳を視野に入れた『異国日記』の校訂作業の開始
・第二回研究会(2011年2~3月)


大川市から福岡市への移動は西鉄柳川駅で乗換

柳川藩の著名な儒者安東省庵の墓に隣接する石庭
三つの石は省庵と朱舜水・徳川光圀の出会いを象徴しているという

(文責:藤田)