15:00より、博物館第一会議室で科研費の定例会議。まず今年度の研究活動計画について議論。
ついで藤田明良が、明日調査を行う肥前深堀の歴史と唐人墓について紹介し、さらに今年度から研究協力者として加わった岡本真(東京大学人文社会系研究科・博士課程)と、中島楽章が研究報告を行った。
岡本報告「種子島「新貢三大船」考」は、近年火縄銃の伝来問題と関連して論争が続いている、天文13-14(1544-45)年に種子島を出帆した遣明船の渡航過程について、従来紹介されてこなかった、いくつもの史料を援用して考証。この問題に関する定論となることが期待される。
中島楽章「1540年代の双嶼密貿易と西洋式火器」は、明朝・日本・ポルトガル史料を利用して、1540年代の南九州における火器の伝播を考察。ポルトガル・日本史料を専門とするメンバーから有益な教示を得ることができた。
なお 今回は博物館のご好意で無料で会議室を利用させていただいた。大石一久研究グループリーダーによれば、今年から長崎学調査研究プロジェクトがスタートし、内外の研究者との連携を深めていきたいとのことである。
研究会終了後、出島ワーフの「朝市食堂」で懇親会。長崎県世界遺産登録推進室の川口洋平氏も合流。長崎で発掘された、ポルトガルのオリーブ油壺に関するご論考をいただく。リスボン海事博物館にも、同型のオリーブ壺が展示されていた。
(Nakajima/Fujita)