リンアイの高知日記

高知での生活をつれづれと…

○エラリイ・クイーン『九尾の猫』ハヤカワ文庫

2005年08月22日 | 読書&映画日記

 英語のハリーポッターを読んで疲れてしまったので、以前から好きだったエラリー・クイーンの読んだことのない作品を読んでみることにしました。
 今までは主にドルリー・レーンシリーズや「国名シリーズ」を読んできたのですが、これらのシリーズは本格的謎解きがメインでした。それと比較してこの『九尾の猫』は謎解きらしい謎解きはあまり登場せず、「警察小説(主人公は警官じゃないけど)」という感じがしました。この時期の主人公のエラリー(主人公とペンネームが同じなのです)は何だかクヨクヨ悩んだり、投げやりになったり、と、「国名シリーズ」の時のようなクールな青年というイメージが薄くなってきています。
 どちらかというと私は初期の謎解きが中心でクールな青年の時の方が好きだったので、この作品は「ちょっと…」と思ったのですが、最後のやり切れない真実と結末に主人公が思わず涙を流してしまうところは、小説としては初期より進んでいるのかもしれません。

 ちなみにエラリー・クイーンの作品の中で私のお気に入りは『エジプト十字架の謎』(ちょっと陰惨な殺人事件ですが)です。