リンアイの高知日記

高知での生活をつれづれと…

〇小栗虫太郎『黒死館殺人事件』河出文庫

2009年02月15日 | 読書&映画日記
久々の読書日記です。
本屋で『虚無への供物』に並ぶ奇書として紹介されていたので購入してトライしてみたのですが、これは久しぶりにかなり苦しい読書になりました…(^_^;)
まず主人公が披露する蘊蓄が分からない。その蘊蓄には作者の捏造も混じっているらしいのですが、そんな見分けもつくはずがなく…
一応ミステリーなので殺人の謎解きも出てくるのですが、それも本当に可能か?みたいなものばかりで、何回も前に戻って読み直さなければなりませんでした。
しかし、虚無への供物や京極夏彦みたいに昭和初期や戦後すぐの、あのちょっとグレーがかかったような雰囲気が好きなので、その点は面白かったです。蘊蓄も内容によっては興味あります。まあ、途中で長々と出てきた詩はいまいちピンと来ませんでしたが…
ゲーテのファウストくらいは読んでもう一度読んでみたいと思います。