*、ζ,oりωσひ`⊂りT=〃ちをめ±〃す日記*

ぼくらは万有のうちへと旅する夢を見る。ところで万有とはぼくらのうちにあるのではないだろうか。

パリ、テキサス

2004-12-11 11:46:10 | 映画メモ
『パリ、テキサス』☆☆☆☆☆

公開:"PARIS,TEXAS"(1984/西独・仏)
監督:ヴィム・ヴェンダース
製作:クリス・ジーヴァニッヒ、アナトール・ドーマン
脚本:サム・シェパード 、L.M.キット・カーソン
撮影:ロビー・ミューラー
音楽:ライ・クーダー 
出演:ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー、ハンター・カーソン 
  ディーン・ストックウェル、 オーロール・クレマン 他

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 テキサスの荒涼とした砂漠で、一人の記憶を失った男が保護される。
 持っていたメモのおかげで連絡のついた弟のウォルトは
 兄のトラヴィス(H.D.スタントン)をL.A.の家まで連れ戻す。
 しかしその家には、トラヴィスの息子であるハンター(H.カーソン)が、
 ウォルトと彼の妻アンナの下で4年の間、愛情を受けて育っていた。

 ハンターはトラヴィスの存在に戸惑うが、徐々に父として受け容れていく。
 トラヴィスも息子と接するにつれ、なくした記憶を少しずつ取り戻す。

 しかし反対に、実の息子のように育てていたハンターを失うことを恐れ
 取り乱すアンナと苦悩するウォルト。

 そしてある日、トラヴィスとハンターは、去って行ったトラヴィスの妻
 ジェーン(N.キンスキー)を探して旅に出る。 
 しかし、やっとの思いで見つけた彼女は、ヒューストン郊外の風俗店で働いていた。
 
 マジックミラーで仕切られた小部屋で、4年ぶりに再会する男と女。
 男は失った記憶を取り戻すかのようにゆっくりと、
 かつて妻だった女に向かって話し始めるのだった・・・

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ヴェンダースの監督としての地位を確立させ、N.キンスキーの出世作とも言われる作品。
実は一回目見たときは大して印象に残らなかったんだけど
今お世話になってる美容師さんが大好きな作品だというので
もう一度借りて見てみたら、なかなか良かったです。

いわゆる"ロードムーヴィー"という形式でまとめてしまうのは簡単だけど
それまでの彼の同形式の作品とはまったく違う色を出しています。
なんていうのかな・・・一般ウケ?を狙ったかんじ。
それに見事に嵌った自分だけど(笑)

愛しすぎたがゆえに、バランスを失い壊れていく家庭。
アンナが逃げ出した理由。トラヴィスが失った記憶の意味。
幼いながらも実の親を受容しようとするハンター。

たとえ話から始まるトラヴィスの告白は、涙なくしては見られません。
マジックミラー越しという設定もさることながら、
ほの暗い照明、ミラーに重なる影、ノイズ交じりの声、
すべての演出が、文句なしに素晴らしい。
本当に演出うまいなぁ、と感心しきり。

タイトルのパリ、テキサスとは、テキサス州にある町の名前です。
乾燥した大地、まっすぐな車道はまさにアメリカ!なんだけど
ライ・クーダーのギターと、ロビー・ミュラーのカメラが
ヨーロッパ的なロードムーヴィーの香りを感じさせてくれる。
子役のハンター君の演技もめちゃくちゃ可愛いです♪

最後のシーン、二人の姿が見えていたのかいないのか
走り去っていく車を鳥瞰したシーンも印象的。

素直にお勧めできる作品です。

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2 コメント

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Unknown (ITO アトム)
2005-03-18 10:58:18
ヤバイ!最高!

乾いた雰囲気と、枯れた人生。

退廃的な情景を綺麗に見せている映画ですね。
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しびれますね~ (ぷりん)
2005-03-25 10:29:04
サントラほしいです。

あと、あんな可愛いブロンドの子もw
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