CWA(Community work for Asia, http://www.waa-bc.com/ 大女将の山根多恵が代表をしている国際組織です)カンボジアのメンバー、アンポーちゃんの日本でのワークショップが終了しました。若女将、吉谷めぐみは、今回アンポーちゃんの日本滞在中のパートナー役を任命されました。彼女の仕事に対する誠意とカンボジアの村人たちの生活をどうにか良くしたいという気持ちがダイレクトに感じられたひと月でした。
初めて会った時の印象では、か弱いイメージがあったので楠での生活、畑仕事や連休中の旅館のハードワークに耐えられるのだろうかと心配もありました。
しかし、カンボジアチームのリーダーであるデンくん曰く、彼女と私は「strict and strict」。始めはこれが信じられなかったのですが、カンボジアの情勢や歴史的背景、村人たちとの問題、そして子供たちの教育について話す彼女の真剣な顔には揺るがない核があるように思えました。また、一緒に仕事をして私も旅館モードになって接した時、彼女も仕事モードに火が付いたようで、私が教えていないことでも私たちの動きを見て次に何をすべきなのかを彼女なりに考え働くようになりました。
いろいろなことが一気に1ヶ月起こった結果、遂には彼女の体に異変が起こりました。じんましんです。初めての海外生活、食生活の違い、自分一人だけ休むわけにはいかないという気持ちが伝わってきましたが、熱い想いを持った彼女を何とか説得し、休ませ、体力も回復しました。
彼女は大学4年生で、今年の秋卒業です。日本の大学生とは比べものにならないなと思いました。私も彼女に啓発されるようにカンボジアに対する気持ちも高まり、どうにかカンボジアのプロジェクトに役に立ちたい!と必死になりながらサポートしてきました。彼女の熱い眼差しを心に刻んで私の仕事に対する意欲の糧にしたいです。
以下、アンポーちゃんの感想をぜひ紹介させてください。
1ヶ月、日本で過ごす機会を与えていただきました。今回の来日の目的は、まずカンボジアでのプロジェクトを発展させるということと、そのために日本人のメンバーとどのように活動していけばいいのかを学ぶことでした。また同時に、どんな製品を作るべきか、どんな製品が日本のニーズを満たせるのかも知りたいと思いました。4月15日、私は日本に着きました。日本は天気がよく、美しい国で、本当に素敵な旅をさせてもらいました。すべてが初めての経験であり、CWAのメンバーそして日本の人々から多くのことを学ぶことができました。
Ryokan(旅館)は日本の伝統的な宿泊施設です。旅館の営業日は、週末のみ。特に今回はゴールデンウィークが重なったため、利用客は日ごろの仕事の疲れを癒しに来ていました。そのため私が仕事に加わっていた間も、とても忙しかったです。さらに私にとって難しかったのは,食事の支度や、浴衣、客室の片づけ、お茶の出し方などの日本の伝統文化や作法でした。日本人メンバーの方々がそれらを私に一つ一つ教えてくれ、また彼らも懸命に働いていました。
旅館はお客さんだけでなく、地元の農家の人や日本人メンバーにとってもとても良い場所です。なぜならこの旅館の運営は,単なるビジネスとしてやっているわけではないからです。ここは様々な人が集い、学び合う場所であり、例えば農家の人は、ここで自分が育てた野菜を売ることが出来ます。今私の課題であるコミュニティの魚をどう生かすかについても日本人メンバーと挑戦し、魚パウダーを完成させました。皆でお互いの伝統的な食べ物や習慣を紹介し合ったりもしました。
旅館で様々なことを学んだ後、私はふと、私もSombor Prie Kuk遺跡(プレアンコール時代、7世紀ごろのカンボジア国内にある遺跡)周辺でレストランを始めたいと思いました。CWAや多くの若者、村の人々にとって、そこで働けるようになることはとても重要なことです。さらに、農家の人々や若者は自分の育てた肉や野菜をレストランで販売できるようにもなります。今、村では多くの人々が仕事を求めて他の場所へと移り住んでいると聞きます。私は彼らの村に、働く場所を作りたいと思っています。
今回の研修の中で、カンボジアプロジェクトで抱えていた課題がすべて解決されたわけではありません。しかし、主な構想はつかむことができました。私自身も日本で多くの知識を得ることができましたので、これらを活かしながらカンボジアで活動を続けていきます。
日本で暮らす1ヶ月間、私は何事も1人で取り組んでいかなければならないと思っていましたが、これは私個人の挑戦ではなく、日本のメンバーの挑戦でもありました。皆さんが親切に協力してくれるということが何よりも嬉しかったです。逆に、私が思うように働けなかったことが申し訳なくて、もどかしいです。50%ぐらいしか動けなかったと思います。
私は本当に日本の素晴らしい方々にたくさん出会いました。皆さんとても親切で、私を励ましてくれました。ホームシックにはなりましたが、私は皆さんから温かさをもらいました。特にお世話になった旅館吉田屋の若女将・吉谷さん・脇さん、本当にありがとうございました。
最後に、皆さんがこれからもこのプロジェクトに関わってくださること、そしてカンボジアの発展のための信頼が続いていくことを願っています。