若女将のコラム 若おかみ奮闘記⑤竹退治ビジネスパック
(中国新聞「緑地帯」コラム 2007年1月23日(月)掲載より)
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ヘルメット、長靴、虫よけの長袖シャツ、手にはのこぎりとかま。こんないでたちで向うのは竹やぶ。竹の美しさは心を打つ。しかし今は山の手入れをする人が減り、竹の侵食が日本中で大問題になっている。
石見銀山遺跡も例外ではない。竹は「遺跡を壊す」と厄介者扱い。この問題を何とかしようと、地域貢献プロジェクト「竹やぶSOS基金」は始まった。
厄介者を地域資源にする逆転の発想だ。普通竹を伐採するには、山の持ち主が作業代を払わなくてはならない。厄介者を商品にできれば、地域に仕事が生まれ、雇用も創出できるのではないか。
「悩みの種になる竹を一本十円で買い取ります!」。そう呼び掛けると、「お金は要らないから来てほしい」と数多くのSOSが寄せられた。
竹は長さ三十㌢に切りそろえ、花器にする。東京の卸業者が「若者を応援したい」とメッセージ付で注文してくれた。正月用の金粉花器は都会へ旅立った。
「竹やぶ」作業員も続々集まった。私が講師として行く地元の小学校の児童も参加してくれる。
切る時は、のこぎりの人と竹を支える人がペアになる。竹が倒れるときは「倒れまーす」と大声で回りに知らせる。チームプレーはまさに教育だ。
作業が進むと、うっそうと茂っていた暗いやぶに、柔らかな光が差し込む。参加者にしか味わえないその瞬間の感動は、都会にはない…。
そこから宿泊料金プラス五千円の「竹伐採コース」が生まれた。汗を流し、地域にも貢献できる「ビジネスパック」は今や、生活にちょっと余裕があり、新しい価値を求めている都会のおじさまたちに大好評;田舎はワクワク連鎖を生むフィールドなのだ!
(中国新聞「緑地帯」コラム 2007年1月23日(月)掲載より)
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ヘルメット、長靴、虫よけの長袖シャツ、手にはのこぎりとかま。こんないでたちで向うのは竹やぶ。竹の美しさは心を打つ。しかし今は山の手入れをする人が減り、竹の侵食が日本中で大問題になっている。
石見銀山遺跡も例外ではない。竹は「遺跡を壊す」と厄介者扱い。この問題を何とかしようと、地域貢献プロジェクト「竹やぶSOS基金」は始まった。
厄介者を地域資源にする逆転の発想だ。普通竹を伐採するには、山の持ち主が作業代を払わなくてはならない。厄介者を商品にできれば、地域に仕事が生まれ、雇用も創出できるのではないか。
「悩みの種になる竹を一本十円で買い取ります!」。そう呼び掛けると、「お金は要らないから来てほしい」と数多くのSOSが寄せられた。
竹は長さ三十㌢に切りそろえ、花器にする。東京の卸業者が「若者を応援したい」とメッセージ付で注文してくれた。正月用の金粉花器は都会へ旅立った。
「竹やぶ」作業員も続々集まった。私が講師として行く地元の小学校の児童も参加してくれる。
切る時は、のこぎりの人と竹を支える人がペアになる。竹が倒れるときは「倒れまーす」と大声で回りに知らせる。チームプレーはまさに教育だ。
作業が進むと、うっそうと茂っていた暗いやぶに、柔らかな光が差し込む。参加者にしか味わえないその瞬間の感動は、都会にはない…。
そこから宿泊料金プラス五千円の「竹伐採コース」が生まれた。汗を流し、地域にも貢献できる「ビジネスパック」は今や、生活にちょっと余裕があり、新しい価値を求めている都会のおじさまたちに大好評;田舎はワクワク連鎖を生むフィールドなのだ!