レナード衛藤のブログ

Facebookやインスタが多くなりましたが、書き留めておきたいことはブログですね。

正直者は愛を知る

2016-06-08 19:27:00 | ライブ国内編
公演地ごとに出演者もプログラムも変わるブレンドラムス・ツアーが終了しました!

毎日が初日!

ツアーを通じて、協力してくれた出演者とスタッフには心から感謝しています。

そして、各地でハイ・テンションのライブを見届けて下さった皆様。

どうもありがとうございました!


(photo: Ayako Kimura)

ツアー3日前から東海地方でワークショップを行なったのですが、クローズドだったこともあり、同じグループや同じ太鼓教室に通う方が集まり、終始、楽しく進行していきました。

特に12歳から19歳くらいまでの子がたくさん集まったクラスでは、緊張していた子どもたちの顔がどんどん輝いていくのを見て、「子供は宝だなあ」と。

情報が少ないエリアでは、一番身近にいる指導者の言うことがすべてになりがちです。

なので、そんな縦社会のイメージが良しとされる太鼓(魔)界に私なんぞが飛び込むと、

「なぜ、そのバチ?」

「台はこの高さで良いの?」

「この音は気持ちよいよね?」

と私の方が問いかけることが多くなります。

このワークショップを通じて、私はスイッチオン!

四日市から公演がスタートしました。激積み(笑)



ロードムービーでも作れそうなほどの激アツの旅。

なかでも広島でのデーモン閣下の朗読から、愛媛ではダンスバージョンとして初演を飾った「Silently She Dances - 静かなるダンス」が放つ作品のパワーは強烈でした。


(photo: 広島公演後)

芝居では脚本があって当たり前ですが、コンサートでは進行が書かれた台本やスコアがあっても脚本はありません。

この創作のプロセスを変えたことと、作品に込められたメッセージがツアー全体を日増しに骨太にしていきました。

そして、フルキャストが集結した愛媛公演の日。

「Silently She Dances – 静かなるダンス」を踊る前田新奈さんから、お母さまが唐黷轤黷スとの報告を受けました。

非常に厳しいご容態であったことから、私は両親の経験があったので悔いのないようにと伝え、判断は彼女に任せました。

同時に私は彼女がいない場合、公演そのものをどのように構成するかを考えつつ、準備を進めていました。

彼女は本当に辛かったと思います。けれど、強さと美しさをステージで表現してくれました。



作品と重ね合わさるかのように多くのことを教えてくれたこのツアー。

8月の大和田伝承ホールに向けて、飛んだり跳ねたりするだけのダンスではなく、練り込まれたメッセージをより美しく、より深いものにするために演出や構成を練っています。

しかも、重くない!(これ大事)



ところが・・・。

ツアー後、私が相談を受けていたあるイベントのプロデューサーが、私が提案した企画をそのまま搾取し、別のパフォーマーでイベントを敢行するというとんでもない事態が起きました。

ツアーを回っている時もよろしくない太鼓(魔)界の話を耳にしていました。

鼓童に影響を受け、表現したいものも曖昧なまま、不正行為を働き、目立ちたい!人気者になりたい!天下取る!といった品のない次元の太鼓演奏が増えてきたことを。

時代背景が明らかにおかしくなってきて、いつどうなるか分からない今、卑屈な心で演奏し、金儲けをするのではなく、そろそろ目覚めて、美意識を高めていってほしいと思います。

こちらは楽しい魔会(笑・東京公演後)



ツアーの精算が終わり、残念ながら、そちらの方は残るものはありませんでした。

とほほ。

でも、ツアーで得たものは大きかった。

香川の公演を見てくれた子供からのレターをご紹介します。



正直者は愛を知る。

前田新奈さんのお母さまは、新奈さんがツアーから戻られるのを待って天に召されました。
ご家族の皆様の悲しみが一日でも早く癒えることを願っています。