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リートリンの覚書

日本書紀 巻第十七 男大迹天皇 二十一・加羅王、多沙津を失い日本を恨む ・加羅王、新羅とよしみを結ぶ ・加羅と新羅。仲違いをする



日本書紀 巻第十七 男大迹天皇 二十一

・加羅王、多沙津を失い日本を恨む
・加羅王、新羅とよしみを結ぶ
・加羅と新羅。仲違いをする



この月、
物部伊勢連父根
(もののべのいせのむらじちちね)、
吉士老(きしのおゆ)等を遣わして、
津(つ)をもって百済王に与えました。

ここにおいて、
加羅王が勅使(みかどつかい)に語って、
「この津(みなと)は、
官家(みやけ)を置いて以来、
臣が朝貢するさい渡る津です。

どうして安く改めて、
隣国に与えるというのでしょうか。
元々封じた限の地と違います」
といいました。

勅使の父根等は、
これによって、
面で与えるのが難しくなり、
大嶋にしりぞき還りました。

別に録史(ふひと)を遣わして、
果たして扶余に与えました。

これによって、
加羅は新羅と儻(ともから)を結び、
日本に対し怨(うら)みが生じました。

加羅王は、
新羅の王女を娶り、

遂に、
子息が生まれました。

新羅は初め、
娘を送る時に、
あわせて百人の娘の従を遣わしました。

受け入れ、
諸々の県に散して置き、
新羅の衣冠を着させました。

阿利斯等(ありしと)は、
その服を変えたのを怒り、
使を遣わして徴(め)して還しました。

新羅は大いに恥をかき、
娘を還(かえ)すよう、
前に汝の聘(まね)きを承けて、
吾は結婚を許したのだ。

今はすでにこのようでは、
王女を還せ」
といいました。

加羅の己富利知伽(こほりちか)
(未詳です)
が答えて、
「夫婦が結婚して、
いまさら離などできましょうか。

子息もあるのに、
棄ててどこへ行こうというのでしょうか」
といいました。

ついに、
刀伽(とか)、古跛(こへ)、
布那牟羅(ふなむら)三城を抜き、
また北境の五城をも抜きました。



・録史(ふひと)
文書を掌する下役
・扶余
百済の都。転じて百済をさす



(感想)

(継体天皇23年春3月)
この月、
物部伊勢連父根、吉士老等を派遣して、
多沙津(みなと)を百済王に与えました。

ここにおいて、
加羅王が勅使に語って、
「この津(みなと)は、
官家を置いて以来、
私が朝貢する際、
渡航する津です。

どうして安易に改めて、
百済に与えてしまうのでしょうか。
元々封じた限界の地と違います」
といいました。

勅使の父根等は、
これによって、

加羅王の面前で与えるのが難しくなり、
大嶋に退き還りました。

別に文書を掌する下役を遣わして、
予定通り百済に与えました。

これによって、
加羅は新羅とよしみを結びました。
日本に対し怨みを抱きました。

加羅王は、
新羅の王女を迎え入れ妻としました。

遂に、
子息が生まれました。

新羅は初め、
娘を送る時に、
あわせて百人の娘の従者を遣わしました。

続きの文章、
訳するのに悩みました。

原文は、
受而散置諸懸着新羅衣冠

直訳すると、

受け、
諸の県に散して置き、
新羅の衣冠を着させた。

誰が新羅の衣冠を着るように命令したのかが、
書かれていません。

しかし、
王・阿利斯等が、
服を変えたのを怒っているので

命令したのは、
新羅側でしょう。

そこでこの様に訳しました。

加羅はそれを受け入れ、
彼らを諸々の県に分散して置きましたが。

新羅は、
彼らに新羅の衣冠を着させました。

阿利斯等は、
服を変えたのを怒り、

使者を派遣して徴集して
新羅に送り返しました。

新羅は大いに恥をかき、
娘を招還しようと、
「前にお前の招聘を承けて

だから、
吾は結婚を許したのに。

今、すでにこのようでは…
王女を還せ!」
といいました。

招聘とは・ 礼儀を尽くしてていねいに人を招くこと。

加羅の己富利知伽が答えて、
「夫婦が結婚して、
いまさら離婚などできましょうか。

しかも、
子息もあるのに、
棄ててどこへ行こうというのでしょうか」
といいました。

ついに、
新羅は、
抜刀伽、古跛、布那牟羅の三城を抜き取り、
また北境の五城をも抜き取りました。

なんか、
今回の文章、
謎だらけで
訳すのが難しい文でした。

まず、
新羅から派遣された王女の従者ですから、
王女の側に置けばいいのに、

何故、
諸の県に散して置いたのか?

あれ?
もしかすると諸の県に散して置いたのも
新羅の命令?

また、
衣冠を変えた、変えないで

何故、
ここまで仲違いするのか?

風習の違いでしょうか?

他国の衣冠を受け入れる
服従を受け入れる。

なのでしょうか?

わからーん!

この辺は、
当時の風俗がよくわからないので、
今後勉強していきたいと思います。

明日に続きます。

読んで頂き
ありがとうございました。


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