日本書紀 巻第二十九
天命開別天皇 十五
・風神・大忌神を祀る
・瑞鶏の献上
・封戸の税
夏四月四日、
龍田(たつた)の風神、
廣瀬の大忌神(おおいみのかみ)を
祭りました。
倭国の添下郡(そうのしものこおり)の
鰐積吉事(わにつみのよごと)が、
瑞鶏(ずいけい)を貢ぎました。
その冠は、
海石榴(つばき)の華に似ていました。
この日、
倭国の飽波郡(あくなみのこおり)が
「雌鶏が雄に化けました」
といいました。
十四日、
勅して、
「諸王、諸臣に給された
封戸(ふこ)の税は、
以西の国を除き、
かわりに以東の国に給わるように。
また外の国の人で、
仕えようと思うものは、
臣、連、伴造の子、
及び国造の子は、
聴き入るように。
ただし、
それ以下の庶人といえども、
その才能が長じているものは、
聴き入れるように」
といいました。
二十二日、
美濃国司に詔して、
「礪杵郡(ときのこおり)に在する、
紀臣訶佐麻呂(きのおみかさまろ)の子を、
東国に遷して、
卽ちその国の百姓とするように」
といいました。
・添下郡(そうのしものこおり)
奈良県にあった郡。現在の奈良市の一部、大和郡山の一部、生駒市の一部
・封戸(ふこ)
大宝令(たいほうりょう)や養老(ようろう)令で定められていた貴族に対する給与制度のひとつ
・礪杵郡(ときのこおり)
現在の岐阜県土岐市
(感想)
(天武天皇5年)
夏4月4日、
龍田の風神、広瀬の大忌神を祭りました。
倭国の添下郡の鰐積吉事が、
瑞鶏を献上しました。
その冠は、
つばきの花に似ていました。
この日、
倭国の飽波郡が
「雌鶏が雄鶏に化けました」
といいました。
14日、
勅して、
「諸王、諸臣に与えた封戸の田税は、
京以西の国をやめて、
かわりに京以東の国に与えるように。
また畿外の国の人で、
官人に仕えようと思うものは、
臣、連、伴造の子、
および国造の子なら、
聴き入るように。
ただし、
それ以下の庶人であっても、
その才能が長じているものは、
聴き入れるように」
といいました。
22日、
美濃国司に詔して、
「礪杵郡にいる紀臣訶佐麻呂の子を、
東国に移して、
その国の百姓とするように」
といいました。
明日に続きます。
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