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リートリンの覚書

日本書紀 巻第十七 男大迹天皇 十二 ・百済、将軍を派遣する ・百済太子薨去する ・勾大兄皇子の結婚



日本書紀 巻第十七 男大迹天皇 十二

・百済、将軍を派遣する
・百済太子薨去する
・勾大兄皇子の結婚



七年夏六月、
百済が、
姐彌文貴将軍(さみもんき)、
洲利卽爾将軍(つりそに)を遣わして、

穂積臣押山(ほづみのおみおしやま)
(百済本記は云う、委意斯移麻岐彌(わのおしやまきみ)
に副えて、

五経博士の段楊爾(だんように)を
貢ぎました。

別に奏して、
「伴跛国(はへ)が、
臣の国の己汶(こもん)の地を略奪しました。

伏して願います。

天恩の判で本属(もとつくに)に
還してください」
といいました。

秋八月二十六日、
百済の太子・淳陀(じゅんだ)が薨じました。

九月、
勾大兄皇子(まがりのおおえのみこ)は、
みずから春日皇女(かすがのひめみこ)を
むかえました。

ここにおいて、
月夜に清談(ものがたり)して、
不覚(おろかにも)よがあけました。

斐然之藻(ふみつくるみやび)が、
忽然と形になり、
すなわち口唱(くそう)して、

八島国(やしまくに) 妻を抱けずに
春日(はるひ)の 春日(かすが)の国に
麗しい女が いると聞きて
宜しい女が いると聞きて
真木さく 檜(ひのき)の板戸を
押し開き 我が入り坐す
あと取り 端(つま)取りして
枕(まくら)取り 端取りして
妹(いも)が手を 我にまきつかせ
我が手で 妹をだきしめ
真柝(まさき)葛(づら)のように 
からみあって交わり
鹿(しし)くしろ
味寝(うまい)寝した間に
庭の鳥 鷄(にわとり)が鳴くよ
野の鳥 雉(きじ)は響く
愛おしいと いまだ言わず
夜が明けてしまったよ 我妹(わぎも)

妃が返し歌して、

隠国(こもりく)の 泊瀬の川から
流れてくる 竹の
組んだ竹や節のある竹
根元の竹で 琴を作り
末の竹で 笛を作り
吹き鳴らし 御諸山(みもろのやま)に
登り立ち 我が見わたすと
つのさはう 磐余の池の
水の下にいつづけている 魚も
水の上に出て嘆いている
やすみしし わが大王の
身に帯びた 小紋の御帯を 結び垂れ
誰人であっても
上に出て嘆いています



・斐然(ひぜん)
あやがあって、美しいさま
・藻(あや)
模様。また、美しい詩文
・口唱(くそう)
口称(くしょう)口に出してとなえること



(感想)

継体天皇7年夏6月、
百済が、
姐彌文貴将軍、洲利卽爾将軍を派遣して、

穂積臣押山に副えて、
(百済本記は云う、倭の意斯移麻岐彌と)

五経博士の段楊爾を貢上しました。

別に奏して、
「伴跛国が、
我が国の己汶の地を略奪しました。

伏して願います。

天恩の判断で
本来の所属に戻してください」
といいました。

秋八月二十六日、
百済の太子・淳陀が薨じました。

九月、
勾大兄皇子は、
自ら春日皇女と結納し、
妻として迎えました。

ここにおいて、
月夜に清談して、
不覚にも夜が明けました。

美しい詩文を詠おうという
風流な気持ちが湧き起こり、
忽然と言葉が形となり、

すなわち口に出して唱えて、

八島国といえども
よい女性がおらず妻を抱けずにいたが

春日(はるひ)の 
春日(かすが)の国に

麗しい女がいると聞いて
宜しい女がいると聞いて

立派な檜の板戸を
押し開き 
私は入った

女の末の衣の端を取り
女の上の衣の端を取り

妻の手を私にまきつかせ
私の手で妻を抱きしめ

真柝(まさき)葛(づら)のように 
からみあい交わり

鹿(しし)くしろ

満ち足りた気持ちで共寝した間に

庭の鳥、鷄(にわとり)が鳴き
野の鳥、雉(きじ)の声が響いた

愛おしいと
いまだ言っていないのに
夜が明けてしまった 

私の妻よ

妃が返し歌して、

隠国(こもりく)の 

泊瀬の川から流れてくる竹は
組んだ竹や節のある竹

根元の竹で琴を作り
末の竹で笛を作り

吹き鳴らし 
御諸山に登り立ち 
私が見わたすと

つのさはう 

磐余の池の水中にいる魚も
水の上に出て嘆いています

やすみしし 
わが大王の身に
帯びている小紋の御帯の結び垂れ

誰人であっても
皆、上に出て嘆いています

やはり…
詩、よくわからない。
苦手です。

明日に続きます。

読んで頂き
ありがとうございました。


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