日本書紀 巻第十七 男大迹天皇 二十二
・各国の使者、安羅に赴く
この月、
近江毛野臣(おうみのけなおみ)
を使いとし、
安羅(あら)に遣わしました。
勅して、
新羅に南加羅(ありひしのから)、
喙己呑(とくことん)を
更に建てるように勧めました。
百済は、
将軍君の尹貴(いんくい)、
麻那甲背(まなかふはい)、
麻鹵(まろ)等を遣わして、
安羅に赴き、
詔勅を聞かせました。
新羅は、
瀋国(となりのくに)の
官家(みやけ)を破ったことを恐れ、
大人(たかきひと)を遣わさず、
夫智奈麻礼(ぶちなまれ)、
奚奈麻礼(けなまれ)を遣わして、
安羅に赴き、
詔勅を聞かせました。
ここにおいて、
安羅は、
新しく高堂(たかどの)をつくって、
勅使(みかどつかい)を引き昇りました。
国主は後ろに随い階を昇りました。
国内の大人(たかきひと)で、
堂(との)に昇ったものは一、二人でした。
百済の使いの将軍等は、
堂の下に在りました。
およそ数か月あいだに、
再三、堂の上で謀議がありました。
将軍君は、
庭におかれたことを恨みました。
・大人(たかきひと)
=位の高いひと
(感想)
(継体天皇23年春3月)
この月、
近江毛野臣を使者とし、
安羅(あら)に派遣しました。
勅して、
新羅に南加羅、喙己呑を
更に建てるように勧めました。
百済は、
将軍君の尹貴、麻名甲背、麻鹵等を遣わして、
安羅に赴き、
詔勅を聞かせました。
新羅は、
瀋国(となりのくに)の官家(みやけ)を
破ったことを追求されるのを恐れ、
大人位の高い人を派遣せず、
夫智奈麻礼、奚奈麻礼を派遣して、
安羅に赴き、
詔勅を聞かせました。
ここにおいて、
安羅は、
新しく高堂(たかどの)をつくって、
勅使(みかどつかい)を案内して昇りました。
国主は、
勅使の後ろに随い階段を昇りました。
国内の位の高い人で、
堂(との)に昇ったものは
わずかに一、二人でした。
百済の使者、将軍等は、
堂の下におりました。
およそ数か月あいだに、
再三、堂の上で謀議がありました。
将軍君は庭に置かれたことを恨みました。
不穏な気配がし始めました。
今後、どうなるのでしょうか?
明日に続きます。
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