東京ヤングジュオン日記

森林ボランティア講座in東京の
卒業生の活動日記

3月13日「『東京都の植林・森林活動事業の視察』東京都の森林へ行こう!」

2012-03-17 | 研修
9期ムッシュです。
こちらに記事を書くのは4年前、9期のYJリーダー講座を受講していた頃以来でしょうか。

さて、3月13日(火)に東京都生協連環境対策連絡会主催
「『東京都の植林・森林活動事業の視察』東京都の森林へ行こう!」
に参加しましたので、報告致します。

参加者(JUON NETWORK)
 ばんび・まっつん・とくちゃん・ムッシュ、以上4名
目的
 東京の植林・保護事業と多摩産材の現状・課題を学ぶ。
プログラム
 09:00 - 新宿駅西口出発(バス)
 10:00 - 日の出町 山の子の家 見学
 11:30 - 多摩木材センター 見学
 13:00 - 多摩産材モデルハウス 見学
 14:00 - 東京ペレット工場 見学
 15:00 - 青梅市御岳花粉対策事業主伐現場 見学
 16:30 - 新宿駅西口着

以下、各地の見学の模様です。

【山の子の家(日の出町)】


樹恩割り箸が製造されている障がい者施設のうちの一つがここ、山の子の家。



右の建物が「わりばし工房」。

割り箸に取り組み始めたのは、施設利用者の日中活動で何をしようか?と模索する中で
西多摩の豊富な木材やそれに関わる産業が地場にあったことがきっかけだったとのこと。

3.11後、さいたまスーパーアリーナに避難していた方々のために1000膳を寄付されたそうですが、
その際、水を使わずに済む割り箸の良さを改めて実感されたという話が印象に残りました。


搬入された板材。製材は地元の材木店にお願いしています。



板材を横切り機で長さ21cmに裁断。



ギャングソーで板を7mm幅の棒にします。



次に乾燥。奥の乾燥機で2週間乾燥させ、水分が80%あったものを20%程度にします。
乾燥することで消毒効果も。



乾燥させたものを選別し、割り箸製造機に投入!



欠けていたり節があるものがはじかれます。



割り箸の形になってサクサク出てきます。



そして、隣の部屋で検品、検量、袋詰め作業。
必要に応じて天取り加工も。

以上、板材から割り箸が作られるまでの流れでした

ちなみに裁断時に出る木屑・おがくずは地下のダクトで袋詰め。



選別された使えない木材や不良品とともに
青梅市沢井の東京ペレットさんに運ばれ、ペレットに加工されます。
ムダがないですネ

次は車で5分ほどのところにある多摩木材センターへ。

【多摩木材センター(日の出町)】


ここは東京都内唯一の原木市場。
多摩地域だけでなく山梨や埼玉からも材が搬入されます。

この市場では毎月2回、売り買いの市を開催。
1回の市で約600M3、3000本程度が売り買いされるとのこと。



センターの理事の方からレクチャーを受けます。
スギ・ヒノキは1M3でそれぞれ約1万円・約2万円だとか。
多摩地域の林業の現状や木材の取引について、わかりやすく教えていただきました。

昼食休憩を挟んで、多摩産材モデルハウスへ。

【多摩産材モデルハウス(日の出町)】




「東京の木で家を造る会」の方から説明をいただきました。

この家は金具を使っておらず、材を咬み合わせることで組み立てています。
また、接着剤や塗料といったものもできる限り使っていないとのこと。
木の素材を生かした家作り、解体がしやすい、
調湿効果で屋内の湿度を快適に保つといった利点がある一方、
コスト増や建築時に高い技術が必要といった問題もあることを教わりました。

循環型社会につながる地産池消のモデルを学ぶことができました。

【東京ペレット(青梅市沢井)】





先ほどの山の子の家で出た選別された木材、不良品がこちらにありました。
廃棄処分されるはずのものだったものが、有効活用されています



加工されたペレット。
一袋10kgで約10時間ほど使えるとのこと。
他の燃料に比べて、燃料自体の安全性や木材の有効利用という点で優れています。



火が入っています。メラメラ
右は国産のペレットストーブ、左はイタリア製。
海外製のほうが3割ほど安いようです。

鳩ノ巣駅前「山鳩」さんのペレットストーブを思い出しました。
コスト面の問題もありまだ一般的なものとはいえないかもしれませんが、
エコ・エネルギーの一つとして今後の普及に期待したいですね。

【花粉対策主伐現場(青梅市御嶽)】

本日最後の視察地、花粉対策主伐現場。
JR青梅線で奥多摩への道すがら、車窓から見える場所です。

多摩地区からのスギ花粉飛散を2割削減するため、
スギ林の伐採と花粉の少ないスギ等への植え替えが
東京都の政策として実施されています。


伐採・造材・集材作業が進められています。

鳩ノ巣の活動を手作業で実施しているのと比べて、
やはり機械のパワー・効率の良さはすごいなと感じます。

今後花粉の量が大幅に少ないスギが植樹され、
時間をかけてまたスギ林が作られていくのですが、
「花粉対策事業」という事情を知らなければ、
大規模開発(環境破壊?)のように思ってしまうかもしれませんね。


索道による伐採木の運搬が確認。
規模は比べ物になりませんが、前回定例活動の軽架線による材の搬出作業を思い出します。

ここで伐採された木材は多摩木材センターに運ばれ、市場に出回っていきます。

以上、5箇所の視察の模様でした。


感想
参加のきっかけはYJ13期の間伐材を都市で伝えるチームに参加する間、
このイベントのことを知り、割り箸の製造工程を見てみたい!
と思ったことです。

割り箸ができるまでの流れが理解できただけでなく、
普段何気なく使っている割り箸が多くの人の手にかかって
生み出されていることを目のあたりにし、
割り箸一膳とってみてもいろんな背景の上に
作り上げられていることを実感しました。

また、地元の材の活用に取り組む方々や行政の取り組みについて
学ぶ機会を得られたことは大変有意義でした。

まだ具体的な形ではイメージできていませんが、
この経験をYJの活動等に還元していきたいと思います。

ここまで長文にお付き合いくださいまして
どうもありがとうございました。

ムッシュ
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