Lに捧げるちいさな図書館

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ウイズ コロナ、なんて言いたくない

2020-06-01 | 日常メモ



ウイズ コロナ、なんて言いたくない


うちの職場は大型商業施設で、土日は臨時休業してた。

きのうは自粛解除後、初の土曜日営業。

お客様が、「うれしいわ」

「やっぱりこれくらいの人出がないと寂しいね」などと、

マスクをつけててもわかる笑顔で話してくださった。

「家にいるとね、テレビを観ないで置こうと思っても、やっぱり気になるし、

観ないのも怖くて」、とも。

「ですよね、そうですよ」などと相槌をうつ。

何人ものお客様が、店内のにぎわいに目を細めて、話しかけてくださった。

久しぶりに営業しているのが嬉しいのか、スーパーとはちがって、

少し会話ができる環境が楽しいのか、それはよくわからないけれども、

見ず知らずの人間同士が、これまでお互いが強いられたであろう生活に、

≪分かり合える痛み≫を慰めあえた、というか(オーバーではあるけれど)

もちろん、超セレブな方々はわざわざ出かけなくても、快適に過ごす術をお持ちかもしれないが、

多くのひとにとってはこの2月あまりは、共通体験を想い合える環境にあった。

予防に努める、その方法も身について、生活の一部になってきたし、再放送にも慣れた(笑)

誰もがマスクをして、不要に大きな声でおしゃべりをせず、距離を保って歩いている。

社食は一蘭方式の、区切られ、ビニールで仕切られたテーブルで、無言で食事する。

それぞれ一人一人が、見知らぬ新しい生活様式を送り始めている。

横文字大好きな東京都知事の、ウイズコロナ、という言い方に違和感を覚えるのは私ひとりだろうか。

ウイズ、というのは日本語ではないけれど、日本語脳では、なんだか肯定的に思えてしかたがないのだ。


サンデーモーニングを見ていたら、関口宏さんがプロ野球の岡田元監督にイラついているような場面があった。

開幕が大きくずれ込んだプロ野球の選手たちが今やるべきことは?と関口さんが聞いたのに対して、

岡田監督は≪体調管理≫と言われた。そういわれているときにもリモートとの微妙なズレでタイミングがかみ合わなかった。

そのせいでイラついてるのかと思ったのだが、関口さんはどうも、トレーニングの何を重点的にやればいいのか、を

言ってもらいたかったようだ。

岡田監督の重ねての≪体調≫を思いやる答えを、早々に切り上げた。 礼を失したその態度に驚いた。

そして気分が悪かった。

具体的なことが大事なのか?

プロではあっても、大好きな野球ができない選手たちの、何を気遣うか、

その想いが決定的に欠けているのではないか?

(もちろん、岡田監督の話は、コロナに感染して、プロ野球がちゃんと開幕を迎えられないと困る、

という意味が第一ではあるとしても)


阪神タイガースの矢野監督が登場されて、今年の抱負を語られていた。

それがサンデーモーニングでだったか、もっと朝早い番組でだったのか、どうしても思い出せないのだが、

矢野監督は、今年は甲子園での試合を、特に一生懸命頑張りたい、

甲子園を目指して、その夢が絶たれた高校生たちのことがあるので、と言われた。

そして、高校生たちのために、今年の8月、阪神タイガースは(例年のように)甲子園を使わないのだそうだ。

高校生たちのために、代わりに何ができる、という具体的なことではなく、

その想いを背負う、ということに意味があるのではないかと思った。

その悲しみを、悔しさを、毎試合、練習のときも忘れないでいるということ。

代わりにこれをやらせてあげよう、ではない、いつもそのこころを忘れないでいるというのは、

嘘がなければきっと選手たち、ファンたちにも伝わることなんじゃないかと思う。

今年は甲子園が使えるから、すこしは楽できるやん、阪神、と思った自分を恥じた。


岡田監督の想いがくみ取れない関口さん、批判が集中しているようだ、

誹謗中傷と批判とは違う。

きちんと耳を傾け、不自由な放送環境であろうリモート出演のゲストに最大限の敬意を払っていただきたい。











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