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最終週を泣きながら書き終えた・・《ゲゲゲ》脚本家の述懐

2010-08-30 | 気になる表現者


最終週を泣きながら書き終えた・・
《ゲゲゲの女房》脚本家の述懐


残る放送もあと1カ月になった連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(月-土曜午前8時)。
平均視聴率20%超を連発する人気のワケを、脚本を担当している山本むつみさんが
分析した。

 「脚本を書くに当たって貸本屋などの時代背景を調べていると
“紙芝居”も出てきました。紙芝居をしていた人は、子供からもらう5円、
10円のお金で生計を立てていた。続きはまた明日、と翌日も見に行きたい気持ちに
させるいい方法が紙芝居にある、と思いました」

 NHKでは時代劇「御宿かわせみ」「慶次郎縁側日記」「秘太刀 馬の骨」を
手掛けてきた経験から、自信を持って書くために資料を入念に調べる習慣が
リアリティーを生んでいる。

 初回(3月29日)の視聴率は14・8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ、以下同)と
歴代最低記録更新の“どん底”スタートだったのが、シリ上がりに伸びて、6月12日には
初の20%超を記録した。

 水木しげるがモデルの漫画家、村井茂(向井理)、ヒロインの妻・布美枝(松下奈緒)の
魅力を引き出す脚本の力に追うところは大きい。

 「最初から変わらなかったのは、人と人が寄り添って生きることの面白さを書く、
ということ。夫、家族、子供と一緒に暮らすことの喜びを書くことを最後まで考えました。
布美枝ちゃんへの共感でしょう。今までの朝ドラは、自分では、できない-という、
あこがれのヒロインが多かった」

 8月3日の夜、最終週を泣きながら書き終えた。

 「26週分を書いてみて、死生観に行き着きました。途中、水木先生が夢に出てきて
“あんまりかっこよく書かんでえーぞ”と言われました。できる精いっぱいを
やり尽くしました」

 ラストスパートも楽しみ。
                     ZAKZAK(夕刊フジ)/livedoorニュース


大好き、山本むつみさん。

>8月3日の夜、最終週を泣きながら書き終えた。

こんな脚本家さんに書いてもらえて、
ドラマ(の登場人物たち)は幸せものだと思います。
存命なさっているモデルがいる、いない、にかかわらず、
ドラマのなかの主人公たちは、
いっぱい愛情をかけてもらっているなあという気がします。

誰一人中途半端な描かれかたをしていないと思うんですよね。
水木さんのご両親のひととなり、
主人公たちに劣らぬユニークぶりで、
脇に回るから、というような扱いじゃないです。
ねずみ男のモデル? 水木さんの友だちの浦木にしても、
水木さんに徹底的に嫌われて、その嫌われ方は相当リアル(笑)
でも、本当に、脚本家の方が、
嫌われ者は嫌われ者として、愛情をこめていらっしゃるなあと思います。

>水木先生が夢に出てきて
>“あんまりかっこよく書かんでえーぞ”と言われました。

いいですねえ、このくだりにもきゅんときた、
自分の主人公なんですよね、リアル世界の水木さんではなくて。

>できる精いっぱいをやり尽くしました

目からウロコです。
できる精いっぱい、この謙虚。

民放で、俳優の顔ぶれが決まってからドラマを書かされる、
それゆえ、物語が平板に終わる、
脚本家さんたちが気の毒です。

でも、やたら登場人物を殺したがる(笑)脚本家さんには
決して書けないドラマでしょうね、《ゲゲゲの女房》。




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