観た！！『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』2009-01-15

観た！！『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』
2009-01-15


映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』予告編



*************ねたばれありですから、そこんとこよろしく**************

市原隼人主演の「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」、
題名がかっこよくて、前から観たいと思っていました。
毎度、ミーハーでごめんね、ほよ♪

寮生活を送る高校生・山本（市原隼人）は漠然と、生きていることに
かったるさを感じているんです。
彼の目の前に大きな壁として立ちはだかっているのが、バイク事故で
亡くなってしまった能登（三浦春馬）。いつも３人でつるんでいたのだけど、
もうひとりの仲間、渡辺（浅利陽介）にしてみても、絵画、小説、音楽と
なにに手を出しても中途半端。
いつまでたっても能登を追い越せないと、あまりにもかっこよく
駆け抜けていった能登に嫉妬するんです。

あるとき、公園でチェーンソーをふりかざす怪物男と戦う美少女と遭遇。
非日常の日常に巻き込まれてゆくのですが、彼女が毎日、チェーンソー男と
戦いを続けるのに助太刀（単なる足手まとい）してゆくうちに、
生きることへの手ごたえみたいなものをつかんでゆくのです・・。

ファンタジーといえばファンタジーなのですが、
青春まっただなかの男の子の、
爆発一歩手前の焦燥感みたいなものがとてもリアル。
市原隼人くんという俳優さんはにっこり笑った顔よりも、
眉に縦筋を１本いれたみたいな、不愉快そうな顔が
とっても絵になる俳優さんですよね。
女子のハートをがっちりつかむと同時に、
男の子たちの共感も獲得する、かっこよさに満ちています。

市原くんが低い声で、心情を吐露してゆくのがいいんです。
画面ではチェーンソー男と、美少女（関めぐみ）が闘うという、
シュールな場面が夜毎にくりかえされるのですが、
それが全く違和感がないんですよ。
そしてそのシュールでファンタジックな戦いを、市原くんの
焦燥感あふれるつぶやきが、妙にリアル感を醸しだすんです。

渡辺を演じている浅利陽介くんは、「続ＡＬＷＡＹＳ３丁目の夕日」で
堀北真希さん演じるろくちゃんの幼馴染役を演じたひと、
卑怯だとか、お調子者とかをやらせたらすっごくうまいひとです。
その彼が今回もすっごくうまい！！
市原くんひとりだと、シュールにひっぱられてしまう映画に、
高校生の日常のリアルさを下支えしています。
そして、この渡辺（浅利陽介くん）のいい加減さがいいんです。

かつて能登（三浦春馬）が作っていた歌を、彼の死後完成させるのですが、
その歌に山本（市原くん）がすっごくシンクロニシティーを感じるのです。
亡くなった能登と山本がバイクで爆走してゆくシーンは青春の、
言葉では追いつけない破壊衝動と疾走感が見事で、事故現場にさしかかって
行く場面では鳥肌がたちます。

謎のチェーンソー男が一体どこから来て、何故、少女を襲うのか・・
それは曖昧模糊としているのですが、美少女役の関めぐみさんは
「アヒルと鴨のコインロッカー」でとっても正義感のある優しい少女を
演じたかたで、今回も、まなざしが凛として、シュールであるにも
関わらず、緊張感をもたらしていました。

青春映画には答えがないからいいのだと思うのですが、
山本にとって永遠の理想の少年である能登と向き合い、彷徨し、
たどり着いたひとときの場所には、ほっと安心して共感を覚えました。

画面がとってもオシャレで、追憶の世界である教室風景も、板尾創路さん
（「デスノート」後編さくらテレビ祭りで殺されたテレビ評論家笑）が
とっても素敵な担任の先生を演じておられます。
寮の管理人とこの先生が、異世代のおとなとして画面を引き締めています。

三浦春馬くんは追憶のなかの存在なのですが、
めちゃめちゃかっこよかったです。
実際に歌を歌っていますが、高音がのびて美しい声。
（ブログ下段にあります、一聴の価値ありですよ）
高い声を出すこつをボイストレーナーに聞く動画があるのですが、
「にっ」と口角をあげると声がすこし高くなるとか・・
ふむふむと聞いてしまいました。（笑）

リアルとシュールの融合で、人物が魅力にあふれ、佳作だと思います。

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