成瀬は天下を取りにいく : 宮島 未奈
本屋大賞1位のこの本、表紙が個人的に微妙で(ごめんなさい)話題になっていたものの、期待せずに読み始めました。
想像以上に面白かったです。すぐにお話に入り込めて、とても楽しく一気に読ませてもらいました。
連作短編集という感じかな?
主人公は個性的な成瀬あかりと幼馴染みの島崎みゆき。
このところ、暗い内容の本が多かったせいか、キラっと明るく楽しい、ちょこちょこ笑ってしまうネタもあって楽しい読書が出来ましたよ!
以下、少しネタバレ含む内容あらすじと、感想です
まずは「ありがとう西武大津店」
一発目のこのお話で、好き確定しましたよ。
閉店を近く迎えるデパートを舞台にしたところとか目のつけどころがいいな。
そして毎日「ぐるりんワイド」という小さなTV番組のコーナーの実況中継に写りに行くって・・・笑
中二の夏に「この夏を西武に捧げようと思う」と、ライオンズのユニホームを着て通う。
毎日出てると、それに気がつく人が現れ・・・みたいな感じで、身近なお話なのだけれど、どうなるの?と思うし、読みやすい短編なのに、お話に動きがあって、ちょこちょこ入るネタも効いていて読み応えがあるのよね。
それにしても、これがデビュー作だそうですが、凄く文章が上手というか物語作りが上手いわー。
「膳所から来ました」
成瀬は「島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う」と宣言。
島崎と一緒にMー1グランプリに出場する話です。チーム名は「ゼゼカラ」
結構ネタが面白い。こんなの考えられるのってすごいわ。
「階段を走らない」
うってかわって、主人公2人じゃない中年男性視点で1977年生まれの稲枝敬太と吉嶺マサルらの同級生探しの話。
これ、とても良かった。ちゃんと主人公と、閉店する西武もお話に組み込まれていて。
「線がつながる」。
高校生になった成瀬。登校日、いきなり坊主頭で。
かるた班(部活)に入る
「レッツゴーミシガン」
高校二年生になった成瀬。
全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会で出会った中橋結希人に惚れられて、ミシガンという湖の遊覧船?でデートする
これも微笑ましくてとても好きなお話でしたよ。
誰とも似ていない、唯一無二の個性を好きになってしまった男性。
最終「ときめき江州音頭」
高校三年生になった成瀬
ときめき夏祭りにゼゼカラとして参加することになる。あれ以後毎年M-1に挑戦し続けていたのね。
島崎が東京に転校することを打ち明けられ、成瀬は激しいショックを受けてしまう。
ここは意外な感じがして、人間らしさ?を感じましたよ。
この作品は滋賀県の大津が地元の方には嬉しいネタ満載でしょうね。
地元愛に溢れた作品で、確かご当地の情報集めた処もあったと前に聞いたような。
確かに舞台になった場所とか訪ねてみたくなりましたよ。
続編もあるそうなので、すぐにリクエストしましたが、143人待ちですって・・・
そうだよなあ・・・・。
このお話が好きになって次も、って思う人が多いのも解るわ。
5つ★
今年のベストの上位に入って来るのは、間違いない。
成瀬は天下を取りにいく
2023/3/17 宮島未奈
以下の地図は新潮社のサイト内画像から使いましたが問題あればすぐ削除します
宮島さんの今までの読書歴等のインタビューを読んでみました。
家には本が無い幼少時代を送られていたそうで、でも文才は小さい頃から自然と備わっていたみたいですね。お勉強は凄く出来たけれど、高校時代友達がいなかったそうで、京大に入ってからは良い友達にも数人巡り合えて、将来夫となる人とも出会え、その後滋賀に引越して来たそうな。
小説家にはなりたいと思っていたものの、三浦しをんさんの『風が強く吹いている』を読んで自信喪失し、暫く離れていたそうな。『コイノカオリ』というアンソロジー内の宮下奈都さんの「日をつなぐ」が凄く良かったとか、豊島ミホさん『エバーグリーン』『檸檬のころ』と『神田川デイズ』が好きだったとか。私が好きだった小説が色々出て来て嬉しくなりました。
知らなかったり、読んだことがない作家さんの名前も色々登場していたので、それを今度読んでみたいと思います。
本屋大賞1位のこの本、表紙が個人的に微妙で(ごめんなさい)話題になっていたものの、期待せずに読み始めました。
想像以上に面白かったです。すぐにお話に入り込めて、とても楽しく一気に読ませてもらいました。
連作短編集という感じかな?
主人公は個性的な成瀬あかりと幼馴染みの島崎みゆき。
このところ、暗い内容の本が多かったせいか、キラっと明るく楽しい、ちょこちょこ笑ってしまうネタもあって楽しい読書が出来ましたよ!
以下、少しネタバレ含む内容あらすじと、感想です
まずは「ありがとう西武大津店」
一発目のこのお話で、好き確定しましたよ。
閉店を近く迎えるデパートを舞台にしたところとか目のつけどころがいいな。
そして毎日「ぐるりんワイド」という小さなTV番組のコーナーの実況中継に写りに行くって・・・笑
中二の夏に「この夏を西武に捧げようと思う」と、ライオンズのユニホームを着て通う。
毎日出てると、それに気がつく人が現れ・・・みたいな感じで、身近なお話なのだけれど、どうなるの?と思うし、読みやすい短編なのに、お話に動きがあって、ちょこちょこ入るネタも効いていて読み応えがあるのよね。
それにしても、これがデビュー作だそうですが、凄く文章が上手というか物語作りが上手いわー。
「膳所から来ました」
成瀬は「島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う」と宣言。
島崎と一緒にMー1グランプリに出場する話です。チーム名は「ゼゼカラ」
結構ネタが面白い。こんなの考えられるのってすごいわ。
「階段を走らない」
うってかわって、主人公2人じゃない中年男性視点で1977年生まれの稲枝敬太と吉嶺マサルらの同級生探しの話。
これ、とても良かった。ちゃんと主人公と、閉店する西武もお話に組み込まれていて。
「線がつながる」。
高校生になった成瀬。登校日、いきなり坊主頭で。
かるた班(部活)に入る
「レッツゴーミシガン」
高校二年生になった成瀬。
全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会で出会った中橋結希人に惚れられて、ミシガンという湖の遊覧船?でデートする
これも微笑ましくてとても好きなお話でしたよ。
誰とも似ていない、唯一無二の個性を好きになってしまった男性。
最終「ときめき江州音頭」
高校三年生になった成瀬
ときめき夏祭りにゼゼカラとして参加することになる。あれ以後毎年M-1に挑戦し続けていたのね。
島崎が東京に転校することを打ち明けられ、成瀬は激しいショックを受けてしまう。
ここは意外な感じがして、人間らしさ?を感じましたよ。
この作品は滋賀県の大津が地元の方には嬉しいネタ満載でしょうね。
地元愛に溢れた作品で、確かご当地の情報集めた処もあったと前に聞いたような。
確かに舞台になった場所とか訪ねてみたくなりましたよ。
続編もあるそうなので、すぐにリクエストしましたが、143人待ちですって・・・
そうだよなあ・・・・。
このお話が好きになって次も、って思う人が多いのも解るわ。
5つ★
今年のベストの上位に入って来るのは、間違いない。
成瀬は天下を取りにいく
2023/3/17 宮島未奈
以下の地図は新潮社のサイト内画像から使いましたが問題あればすぐ削除します
宮島さんの今までの読書歴等のインタビューを読んでみました。
家には本が無い幼少時代を送られていたそうで、でも文才は小さい頃から自然と備わっていたみたいですね。お勉強は凄く出来たけれど、高校時代友達がいなかったそうで、京大に入ってからは良い友達にも数人巡り合えて、将来夫となる人とも出会え、その後滋賀に引越して来たそうな。
小説家にはなりたいと思っていたものの、三浦しをんさんの『風が強く吹いている』を読んで自信喪失し、暫く離れていたそうな。『コイノカオリ』というアンソロジー内の宮下奈都さんの「日をつなぐ」が凄く良かったとか、豊島ミホさん『エバーグリーン』『檸檬のころ』と『神田川デイズ』が好きだったとか。私が好きだった小説が色々出て来て嬉しくなりました。
知らなかったり、読んだことがない作家さんの名前も色々登場していたので、それを今度読んでみたいと思います。
そうかー普通に面白くは読めたけど、本屋大賞!っていうのは、どうかな?と思ったのね。
私も芥川賞とか、直木賞(こちらは芥川賞程ビックリすることは少ないかもだけど)受賞作品を読んで、それほどかな?って思った事何度もある・・・。
上のイラストカワイイよね。
出版社のHPに貼ってあったの。
それとね新刊は全くこれとは別のお話で、割と最近発売になったみたい。
新聞広告で知って、さっそくリクエストしたの。タイトル忘れちゃって・・ごめん。
このイラスト?地図、良いですね^^
あ~~あの坂。パン屋さん!って、このイラストを本にも付けて欲しかった。
ん、内容は嫌いじゃないんですよ。
ただこれが本屋「大賞」?って思っただけです。「大賞」は、もっともっと凄い本なのかな?と・・・(笑)
普通に1冊の小説としては好きです。
続編も予約してますよ~~~。
成瀬と島崎コンビ、とても良かったですね。
お笑いのコンビとしてもなかなかなでした。
続編も楽しみですが、島崎がどういう風にからんでくるのか?
まさか、もう出て来ないわけ無いと思うので、そのあたりも楽しみです。
成瀬がのびのびと思うように行動、それを凄くナチュラルな目線で受け入れてる島崎、というコンビ感がとても良かったです。
爽やかで、軽やか。読んでいて、とても気持ちよかったですね~。
https://aosyo6.seesaa.net/article/502675530.html
コメントありがとうございます。
お返事遅れてごめんなさい。
私も宮島さんは初読みでしたが、凄く吸引力ありましたよね。
作家さんのインタビューで、こんなに話題になるのならば島崎は引っ越さない設定にすればよかった・・・とおっしゃっていました。笑
そうそう、いつか琵琶湖の辺りに行けたら、登場した場所に行ってみたいです
宮島さんの作品は初読みでしたがぐいぐい引き込まれて読む手が止まりませんでした。
成瀬も良かったですが相棒の島崎の存在も大きかったと思います。
実在する場所ばかりが登場するようなので聖地巡礼も面白そうです。