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「 従来の経済学には二つの重大な欠陥がある。
一つは消費者も生産者も神のごとく世の中のすべてを把握し、
最も有利な選択をするという仮定。
二つ目は生産規模を大きくすればするほど生産効率が下がる
という原価計算上ありえない仮定。
この欠陥は以前から指摘されてきたが、
経済学の中核をなす需給均衡理論の成立に不可欠として、
不問に付されてきた。
しかしこれでは社会を正確に把握できず、
有効な経済政策を立てることもできない。
本書が説く複雑系経済学はこの誤った前提を見直し、
複雑な経済現象を抽象化せずに理解しようとする最先端の試みだ。
元本刊行以降の研究成果を盛り込み、大幅増補。
著者略歴
塩沢由典
1943年長野県生まれ。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。
大阪市立大学名誉教授。専門は理論経済学。
1985年から複雑系の経済学を提唱、
制度進化や経済の発展過程の研究に複雑系の視点を導入し、
第3世代の経済学の研究法開発に努め、
進化経済学会会長、関西ベンチャー学会会長などを歴任した。
著書に、『市場の秩序学』(ちくま学芸文庫、
1991年サントリー学芸賞受賞)など 」(内容)
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