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オレに模型を作る時間をくれぇ~っ!

安倍元首相出演ラジオ番組の文字起こし(4)

2009-02-22 22:28:17 | 政治経済
【続き】

安倍:割と私は本番に強いですからね(笑)。で、あと一日もですね、例えば今、予算委員会をやってますね、予算委員会があるときなんかはですね、たくさんこう、総理大臣に質問が来ます。で、その質問はいちおう、予算委員会の場合は基本的には通告するということになってるもんですから、前の日に通告があるんですが、しかし通告があるといっても夜の10時とか11時ぐらいに通告されるんですね。もう何百問もきます。そうすると、それを各省庁で答えを考えるわけですね。で、それがまぁ、夜の3時とか、それくらいにできあがってくるんですね。で、できあがったものを今度は、総理秘書官がですね、その答えでいいかどうかっていうのを、検討始めるわけです、3時からね。で、できあがるのがその、6時くらいにできあがるんですね。で、それを総理大臣自身が今度は見て、修正するところは修正しながら、もう一回頭に、9時から始まりますから。
田村:うわ、もう3時間くらいしかないんすねぇ。
安倍:3時間くらいしかないんですね。これを・・・ただ、通告があった質問が全てではないですから。いきなり途中で・・・。
田村:その時いきなりくる質問とかもあるんですか。
安倍:いきなりくる質問がたくさんありますね。いやむしろねぇ・・・。
田村:えーっ、せっかく準備してるのに、アドリブでどんどん言ってくるんですか、質問を。
安倍:あのー、要するにこれで政府を困らせてやろうということについてはですね、通告がない場合がありますね
田村:ほぇー・・・。
安倍:ですから、それにどう対応していこうか。で、総理の答弁ってのは大きいですから、1回言ったことは、これはもうなかなか変えられないですからね。ですから、それはなかなか大変ですね。で、7時間あるわけですね。
田村:寝れないですね。
安倍:で、その後も公務がありますし、外交もありますしね。海外からの首脳たくさん、例えば私は1年間ですけども70回以上首脳会談やりました。まぁ、アメリカの大統領とか中国の首相とか国家主席と会うと大きく報道しますけど、そうではない国々は報道しませんけどもね、とはいったって大事な外交ですから、真剣勝負しなければいけませんね。ですから、そういう意味では総理の職務ってのは、非常に過酷ですね。
田村:僕たちが知ってるのって、じゃぁほんの一部しか流れてないんですね。国会中継もニュースで見るとほんのちょっとの部分だけじゃないですか、でも実際は7時間もあって、その前には準備時間がまるまる一夜掛けて行われて、ねぇ。
永野:そんな中で、すごいあの、お答えにくいと思うんですけど敢えてちょっと、お聞きしますけど・・・。
田村:なかなかないですからね、聞きたいことは聞いていいんじゃないですか。
永野:すいません、あのーさっき総理の答弁ってのはなかなか変えられない、って安倍さんも仰いましたが、最近ですね、某麻生総理が・・・。
田村:「某」いらない(笑)。
永野:あのー、よくあのー言ったことが、変わってると。要するに発言が・・・。
田村:右行ったり左行ったり、みたいなことをね。
永野:ブレていると、いうふうに言われますが、あれをお聞きになっていて安倍さんご自身はどう思ってらっしゃるのかな、と。
安倍:ま、それぞれの発言にそれぞれの理由があると思うんですがね、基本的には変わってないんだけども、説明の仕方がね、変わったように聞こえてしまうというのも、私はあるんだと思いますよ。あとマスコミによって、「麻生さんはブレる」ということで攻撃をしようということになってるんですね。ですからなんでもかんでも、これもブレる、ということで攻撃をしようという・・・。
田村:全部当て込んでいくってことですね。
安倍:当て込んでね。
田村:今、「ブレる」っていうのが、一番麻生さんには効くから、それに全部当て込んでいこうと
安倍:あ、これもじゃぁブレたと、あれもブレたと。そういういわばマスコミの掛ける技に嵌ってることも、あるのかなぁと。
田村:そういう意味では「流れ」ってすごい大事ですね。一度その、「ブレる」みたいなキャラを付けられると、そこから脱却するのがまた難しくなるし・・・。
安倍:すごく大変ですね。
田村:ですね。
安倍:私も内閣を作った時に、「お友達内閣」ってこう・・・。
田村:あー出ましたね。
安倍:「お友達」っていってもね(笑)。
田村:そんなつもりでやってるわけないですもんね(笑)。
安倍:そうなんですよ。で、基本的にはね、同じ考え方の人をね、内閣に入れるというのは当然だと思うんですよね。そうではなくて、考え方は違うけれども、内閣に入れて均衡を図ろうということをですね、例えば「派閥均衡」とかいわれますね。派閥から推薦してきた人を入れるとそうなるんですね。で、自分でやればこの人、この人はよく知ってるし、この人の能力を私はよく知ってるからこの人を入れようというと、よく知ってる人となると「お友達」という批判、これはオカシイのかなぁっていうね・・・。
田村:でも何かしら付けていくんでしょうね。いやぁでも、そのプレッシャー、ってまた違うストレスじゃないですか? 自分はきちんと日本の国のために働こうと思ってるのに、あるところではこうやって、マスコミがこういうふうに報道して、ま、今回の麻生さんで言うと「ブレてる」みたいなことになっていくと、やっぱストレスは溜まりますよね。
安倍:そりゃそうですよね。事実と違う批判、っていうのは一番、ストレスとして溜まりますよね。でも麻生総理は非常にストレスに強いタイプですから
(スタジオ内爆笑)
永野:そうですか。
田村:じゃぁ、大丈夫そうですか。
安倍:大丈夫ですね。麻生さんはまさに、オリンピックにね、クレー射撃で出てますね。
永野:そうそうそうでした。
田村:出てますね。
安倍:私の場合はその相当前の段階で諦めてますけど。
田村:1年で。でもしぶといじゃないですか。いま連盟の会長やってるわけですから。じゃ、総理大臣になって、一番良かったなと思う事って、なんですか。
安倍:良かったなと思う事ってあんまりないんですけど、ただ、さっき話した、総理になる前にね「やろう」と、それは例えば「戦後レジームからの脱却」、つまり戦後に出来上がったいろんな仕組みをね、やはり21世紀に相応しいニッポンに変えていくためには、そこから変えなきゃいけないんじゃないか、という考え方を持っていたんですね。戦後というのはまさに占領期間にできたんですね。まだニッポンが独立をする前に憲法もできたし、教育基本法もできあがっていろんな仕組みができました。これを変えていくんだと。21世紀に自分たちで、基本的な仕組みを作っていこうと。この精神こそがね、新しい時代を作り上げていくと、こう私は信じていたんです。そこでね、すぐに教育基本法の改正を行うことができました。その時にはほんとに達成感がありましたね。
田村:なるほど、それは総理の職でないとできないことですよね。
安倍:できないですね。で、防衛庁を省に昇格をさせたんですけども、ニッポンの安全を担って頑張ってる自衛隊の諸君に対してはですね、やっぱり名誉を与えよう、と。敬意を表さなければいけない。それはやはり、いち内閣府の中のエージェンシーという立場に閉じこめていたんですがね、やっぱり省として堂々とね、日本の根幹をなす役所のひとつとしてね、頑張ってもらいたいという意味も込めて、防衛省にしたんですが。自衛隊の諸君も喜んでくれたし。で、ちょうどその年にフィリピンに行ったんですが、アロヨ大統領というフィリピンの大統領と会ったらね、アロヨ大統領はね「安倍さんが防衛庁を省に昇格させたことを私は本当に評価してます」と、こう言ったんですね。その理由として、防衛庁を省に昇格させたことはね、ニッポンの民主主義の成熟とシビリアン・コントロールに対する自信の現れだと思う、と。で、アジア地域においても、安全保障の面に於いて、その責任を果たしていこうという意思の表れだと思う、と。私は評価します、とこう彼女は仰って。で私はこのことを同行した新聞記者にも話をしたんですがね、こうやってアジアの指導者がニッポンがやったことを誉めるとね、日本のマスコミは報道しないんですね
田村:えー、なんでですか?
安倍:これがもしね、もしアロヨ大統領がね、ニッポンが防衛庁を省に昇格させてね、なんかニッポンの軍国主義が復活するんじゃないかと思って心配に思います、と言ったらドーン!と恐らくね、一面にきましたね
(スタジオ内爆笑)
安倍:しかし、逆の場合はね・・・。
田村:誉められたことをそのまま報道してくんない、と。
安倍:なかなかね。
永野:あの、今お話にあった防衛省ですとか、あとその教育基本法の改正、あとはそのぉ憲法改正に向けての国民投票法成立などなどあるんですが、そのほかこう、やり残したことってありますか?
安倍:まだまだそれはたくさんありますね。あの、さっき申し上げた「戦後レジームからの脱却」、やはり憲法改正なんですが、国民投票法はね、その手続き法ですね。それはなんとかできました。しかしこの法律ができて3年間は憲法そのものは変えることが出来ないという法律になっているんですが、あと2年かな、で、いよいよ変えられるようになります。で、私は、やはりやり残した最大の仕事のひとつは、憲法改正そのものだと思ってるんですけれども。それ以外にも公務員制度の改革や、社会保障制度の改革、たくさんやり残したことはありますし、またあの、議員として取り組んできた個別の問題ではね、拉致問題の解決、残念ながらまだ解決されていません。こうしたことを本当に、できなかったことを残念でした。
永野:官房副長官の時代からずっとやってらっしゃいましたもんね。
安倍:この問題大変難しいんですけども、解決する方法はひとつしかなくて、これは金正日委員長や北朝鮮側にね、この問題の解決をしなければ北朝鮮の明るい未来はないんだと、とこう彼らに判断させないといけないんですね。そのためには対話と圧力、圧力を掛けながら、彼らにそう判断させるしか私はないんだろうと思いますね。もちろん解決をするためには対話をしなければいけませんけれどね。
田村:なるほどね、でもこれをまたやめてしまうと、また解決には繋がらないから、ずっと続けることしか今はできないということですよね。
安倍:そうですね、これは外交交渉ですから、相手がいることですからこちらが決断をすればすぐできることではないんですけれども、まあそのためにもですね、国民的に思いをひとつにして、で海外の協力を得なければいけないと思いますね。私が総理大臣時代に、さっき70回以上首脳会談をやったという話をしたんですが、必ずこの拉致問題について説明をしてですね、日本の立場に対する理解と支持を表明してもらいました
田村:ほえー。
安倍:まぁですから、今はもう多くの国々がこの問題について納得して、日本を支持していますね。これは北朝鮮に対して大きなプレッシャーになっていると、私は思います。
田村:なるほど、で、もう一度総理になれるとしたら、なりたいですか。
安倍:まぁあの、まだ一年半前に私は辞めたばっかりでね、とてもそんなことを言える状況にはありませんし・・・。
田村:そうなんですか?
安倍:残念ながらそんな声は全くありませんから、まずはですね、いち議員として活動を重ねる中に於いて信頼を回復していくことが大切だなと、思っております。
田村:なるほど。じゃあ、あの総理になってこれだけは、これイヤだったなみたいなのはありますか。総理になるとね、これが大変なんだみたいなのは。
安倍:それはまぁ例えばね、総理になったらいろんな批判をされるというのは、これはもう覚悟をしているんですけども、まぁ全く事実と違うことで批判されるんですね。
永野:例えば・・・。
安倍:例えば政策のこと以外のことですね。私生活に関わることでね、全然、まぁ例えば安倍晋三に隠し子がいるみたいなね。
(スタジオ内笑)
永野:そんなのありました?
安倍:そういう報道があるんです、あーいや報道っていうか週刊誌のね。
永野:あーーー。
安倍:まぁもちろん、結論はもちろんそんなことはなかったっていうね、記事なんですよ。
田村:見出しだけはそういうので。
安倍:でも見出しはそうじゃないですか。で、びっくりして私の友人なんかは電話してきましたよ。
田村:いるのかって?
安倍:見出しを見てね。だから「それがいるんだったら私は引き取ります」って言ったんですよ(笑)。
田村:それが事実なら。
安倍:事実ならね。
永野:すいません、その記事でたときに、昭恵さんはなんと仰ったんですか?
安倍:なんと言ったかなぁ。あのぉ・・・。
田村:いちおう知ってるのは知ってるんですか、そういう記事がでたことは。
安倍:それは知ってるんじゃないですかねぇ。で、いちいち説明してませんでしたけどね。
田村:そりゃそうですよね、だって事実じゃないんですもんね。
安倍:その記事全部読んでもらえればね、そういうことでしたから。
田村:でも、それを見て、活字だけで最後まで文書読まない人は「あぁ、いるんだ」って思う人もいるわけですもんね、見出しだけ見ると。
安倍:このねぇ、あれですよね、私も自分が週刊誌やなんかで書かれる立場になってみて初めてね、そういう記事がいい加減なんだってことがわかりましたよね
田村:わかりました?
安倍:わかりました。だからそれまではね、信じてるってことですよ。
田村:そうなんですよ。
安倍:だから初めて書かれて初めてね、「あぁこういういい加減な記事も出るんだ」なぁって・・・。
田村:そうなんです。
安倍:いうことが、わかるんですね。
永野:(淳に向かって)チカラ入ってますねぇ。
田村:やっと意見が合いました(笑)。意見が合いましたっていうか、別に反対してたわけではないんですけど。
永野:共感できる部分が見つけられた・・・。
田村:ええ共感できる・・・。
安倍:まぁそんなことはもちろん無視をしていけばいいんでしょうけど、例えばその、読まなくても新聞にはね、こう見出しがね、見出しっていうか・・・。
永野:こう車内広告とかね。
安倍:広告が出るでしょ? だからそれはまぁ、けっこう、あれですね。まぁどうしても、下らないことではあってもね、不愉快な・・・。
田村:不愉快ですよね?
安倍:一日不愉快にはなりますよね。まぁやるべき政策的課題にいろんな困難は付き物なんですが、それを乗り越えていくというのはね、そもそも最初からそういう覚悟はしてるし、むしろやり甲斐はありましたけどね。

【続く】


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