“ゴールデンイーグル”とはいっても

　この韓国製練習機T-50のニックネームであって楽天のプロ野球チームとは何の関係もありません。

韓国、初の超音速練習機を完成 (読売新聞) - goo ニュース

2005年 8月31日 (水) 10:35

　韓国初の国産超音速練習機Ｔ５０の量産型１号機が完成し、３０日、慶尚南道・泗川の韓国航空宇宙産業（ＫＡＩ）本社で盧武鉉（ノ・ムヒョン）大統領らが出席して記念式典が行われた。
　同機は韓国空軍の主力戦闘機Ｆ１６、Ｆ１５などの操縦訓練などのために８年前から開発が進められていたもので、韓国は世界１２番目の超音速機生産国となった。

　空軍は２００７年までに約５０機を配備する計画だ。（ソウル支局）

　まぁまずは目出度いと言っていいですかね。開発にはアメリカのロッキード・マーチンも参加してたそうですが、機体形状がF-16になんとなく似てるのはきっとそのせいなんでせう。てか、最近出た「F-16 in action」という洋書には我が国のF-2や台湾のIDF経国とともにF-16ファミリーの一員として載ってたりもするんですが。

　とまぁ、読売の記事は当たり障りのない書き方なのでこちらとしてもツッコミ所がないんですが、Yahoo!ニュースのテレビ朝日の記事だとこうなっちゃうんですね。

Yahoo!ニュース - テレビ朝日系 - 韓国が開発した世界初の超音速戦闘訓練機を公開

　韓国が世界初の超音速戦闘訓練機を公開しました。

　韓国が独自に開発した超音速戦闘訓練機「T-50」が、泗川（サチョン）空軍基地で披露されました。2011年までに94機が軍に納入される予定で、戦闘機のパイロットの訓練に使われます。廬武鉉（ノ・ムヒョン）大統領も試乗しました。この国産機の海外への売り込みにも力を入れており、2030年までに世界の訓練機市場の4割以上のシェア獲得を目指すとしています。

[31日9時6分更新]

　飛行機オタとしてはツッコミ所が豊富です(笑)。まず“超音速戦闘訓練機”ってカテゴリーがよくわかりません。ただの練習機ではないということなんでせうか。聞いたことのないカテゴリーなので“世界初”というのは当然ですね(爆笑)。もしこれが『超音速を出せて戦闘訓練もできる練習機』を指すのであれば、世界初なんてとんでもない大法螺です。米空軍のT-38超音速練習機には地上攻撃などの戦闘訓練も可能なAT-38Bというバージョンがありますし、我が国のT-2後期型はまさに戦闘訓練を行うための練習機で、レーダーと火器管制装置を備え固定機関砲を内蔵し空対空ミサイルや爆弾の運用も可能なんですけど。

　それになんですか、『世界の訓練機市場の4割以上のシェア獲得を目指す』ってああた、今どき超音速練習機なんて贅沢な機種を買ってくれる空軍が世界のどこにあると思ってるんでせうか。他の国でも保有するジェット練習機は亜音速の初等／中等練習機ばかりで、現在超音速練習機を保有しているのはアメリカ空軍くらいなもんでしょ。中等練習機と第一線の戦術機との橋渡しは、戦術機の複座型で行うのが現在のトレンドです。超音速練習機T-2を国内開発した我が国だって、その後継機には第一線の戦闘機の複座型であるF-2Bを充ててます。ま、彼の国お得意の大風呂敷なんでせうねきっと。このT-50が海外にどれだけ売れるか、我々飛行機オタとして生暖かく見守っていくことにしませう。(゜∀゜)