五
9年間の積み重なった思い
恵
何となく自分の好意に気づく 諦める
でも先生かまってくる
ぐるぐる
虎杖と野薔薇も来て、自分だけの先生じゃないことに気づく
でも先生は恵の
「ねー硝子聞いてよ!恵ったらまた悠仁と野薔薇とお出かけだって!!」
「良いことじゃないか。」
「恵ったらさ、」
「ちょーっと、ほんのちょっぴり気づいたみたんだよね!!」
「悠仁や野薔薇と話していると、輪に入っていいのかきょどってて」
「ウケるー!!」
「少し視線を下げちゃうのがたまらないんだよね」
「あんまりいじめてやるなよ。」
呆れたようにしながらも、硝子の声音は本気だった。
「だって9年だよ!?」
「こーんなに五条さんに思われてるのに、今更気づくなんてまいっちゃうよね」
「恵の顔が見たくなっちゃった!」
「出かけているんだろう?」
「呼び戻せばいいことデショ?」
ポケットからスマートフォンを取り出しつつ、五条はドアへと向かう。
きっと、あの子のことだ。
五条が用事があるといえば、虎杖悠仁と釘崎野薔薇と別れ帰ってくるのだろう。
「あの子はお前の所有物ではないんだぞ」
その背中に釘を刺す。
だが、五条は振り返りにへらと笑うと、
「僕のものだよ」
何よりも強い言霊が紡がれた。
9年分の思いをまずは返してほしい。
返してもらったら、今度はもっとドロドロにしたい。
考えすぎな恵のことだから一人で暴走しそうだけれど、
大丈夫。
ちゃんと理解出来たら誉めてあげる。
ずっと傍にいてあげる。
そうじゃない場合は
いざとなれば心中もあるしね!