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映画「逃げ切れた夢」

2023-06-17 23:26:00 | 日記
人生のターニングポイントを迎えた男が新たな一歩を踏み出すまでの日々を描いた希望の物語

と、パンフレットには紹介されてるけど、これ、最後まで人間って変わらんな、と感じた終わり方に思えたけど…。

思い出したのが、映画「紀子の食卓」の父親だ。あの父も自分のことしか考えてない家族と向き合えない冷淡な厳しい父親を光石研が演じてた。

この映画でも、とても外面はいい教頭先生。でも中身は空っぽ。生徒の悩みを聞くフリだけ。それを生徒に見透かされる。
確かに紀子の食卓の父親のような厳しさはないけど、自分のことしか考えず、体裁ばかりで、認知症の初期症状が現れてるのに家族にも旧友にも話せない。生徒には、症状がバレてしまうのだか。
ところで、旧友役の松重豊が「ツユクサ」とは打って変わって、泥臭い気さくなオジサンを演じてて、さすがの演技力!で、その旧友と鍋を食べに行く料理屋の女将が久々登場(私にとってやけど)の岡本麗!懐かしい笑顔。なのにその麗さんに向かって、「おばちゃん、おばちゃん」と呼ぶ周平(光石研)の無神経さったら。
でも、社会的には、こういう人間がとくに男性は、家族もいて、教頭という信頼される職もあって、中身はどうであれ、世間的には安心してうけいれてもらえるよね。だから、なにも考えなくても良かった、生きて来れた。
だけど、自分の老い先を宣告されて、家族や友人、生徒たちと急に関わろうとしても上手くいかず。旧友の未婚を酒の肴にしたり、そう歳の変わらん女性をおばちゃんとよんでも自覚なし。
けど、このまま認知症が進んで、やっぱり反省することもできず、だからタイトルは「逃げきれた夢」なのかな。
もう元森首相とか思い出してムカついてくる。
この映画に寄せて足立紳さんが書かれてるけど、「これって俺のこと?!」つて。
確かに誰しも自分を棚に上げてることいくらでもあるし。私も気をつけないとな。