イワナを釣ってきたので、珍しく家で「塩焼き」にしてみた。
グリルで弱火でジックリ焼く。
すると捌いたお腹が広がってきて身が膨らんでくる。
ある程度、身の水分が飛んで締まってきたら完成。
28センチ。
オスのイワナだけに牙がいかつい。
食べてみたが、焚き火で焼いた塩焼きと比べるとやはり風味が無く、淡白。
家で調理するならイワナやヤマメはフライか素揚げの方が美味い。
現地泊か何かで流木で焚き火が出来るなら断然塩焼き。その先の「焼き枯らし」は絶品。黄金色になった焼き枯らしは魚料理で一番好きだ。
塩焼きにはやはり流木の風味が必要。炭を持ち込んで焼いても河原で拾った流木の風味には勝てない。
以前、波動学なる分野の結構有名な方とお話した時に、同じ熱の加え方をして調理しても、熱源がガスや電気と薪とでは全然食べ物の旨味が違う、と言っていた。何故なら、熱源が伝えるエネルギーの波動が全く違うからだそう。
だから炊飯器などの“かまど炊き”やグリルの“遠赤外線”などの謳い文句の商品も同じ調理を再現する事は無理らしい。
詳しい事は分からないが、例えるならモノマネで声帯模写をいかにしようとも声紋を見れば全く波長が違うようなものか?
とにかく、焚き火のエネルギーを全身に受けて、尚且つ広葉樹林の風味香る塩焼きはどこの高級料亭の渓流魚の調理にも勝る、と思う。
山奥深く入り、天然のイワナを釣り、現地の山から落ちて流れ着いた流木で焼いた塩焼き。
自分の周りの人間に中々振舞えないのが実に残念だ。