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行方不明

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秋口

2013-09-13 10:10:26 | 映画

「夏の終わり」を観た。

 

 男女の揺れ動く愛憎の想いがまるでこの出口無き三角関係そのままな感じでダラダラと続く。

 年下の恋人?の綾野剛がナルシスティックなキャララクターを出してしまっていて芝居が駄目だった。可愛げがないので只のわがままなガキになってしまった。もっと相手の気持ちに振り回されて破綻していく人間性が必要だった。時代考証にも浮いてしまっていた。端役感が相変わらず消えないな、と感じた。

 作品の音へのセンシティブな感じは好感が持てた。昭和の雰囲気を木の床や扉のきしみ、食事の茶碗の音、衣擦れや紙を擦る音・・・、などなどで表現していて素晴らしかった。

 ただ、熊切監督にはアートかぶれになったたけしのような文壇かぶれのニオイを感じた。いかにもな雰囲気だけで映画を作ったような気がする。

 青春金属バットの頃が好きだったなあ・・

 

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初春

2013-03-19 10:01:52 | 映画

「世界にひとつのプレイバック」を観て来た。

 ストーリー展開はいかにもアメリカで、悩みを抱えたヒトの周りをやたらにテンションの高いおせっかいがたくさん居てあれこれと事を進めていく。

 精神に障りを抱えたジェニファー・ローレンスとブラッドリー・クーパー演じる男女のお話だが、こちらも結局ポジティブシンキングな二人なので、抱える闇の部分の辛さが伝わってこない。

 ジェニファー・ローレンスの演技は素晴らしかった。

 いまいちキレイなのかブスなのか?スタイルいいのかポッチャリなのか?ビミョーな外観の彼女がとても魅力的な女性に見えた。

 「ウィンターズ・ボーン」の時も、健気で気丈でそれでいて生意気に見えないキャラクターに演じてくれたおかげでストーリーを引っ張っていた。

 きっといい役者なのだと思う。

 しかし、ラストのコンテストシーンは前妻ニッキの存在に気付いたジェニファー演じるティファニーが不貞腐れウォッカを2杯あおって助平そうな弁護士にナンパされる精神から、ダンスに集中しなおすまでの展開が無いので、え?普通にダンスはこなすんだ!と思ってしまい、ヤマ場が低い。

 そして、街中でキスシーン、しかもカメラが二人の周りを廻っちゃうww,トレンディ!!なシーンまで登場。

 全体的にアッパーな映画で、ヒロインが魅力的なキャラだから人気も出そうなもんだし、実際鑑賞後は気分がいい。

 でも、苦痛を乗り越える辛さで観ているこちらもヒリヒリしてくる事も無く、いったい、こいつらの闇はどれだけ薄いのか・・、と言う実感。

 冷静に思い返すと上記のような感じ。

 

 深く考えなければ後感はよろしい。

 この事は大事な感覚かも。

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不甲斐無い

2012-12-15 10:45:48 | 映画

「ふがいない僕は空を見た」を観た。

 小説の映画化作品だが、ストーリーは少々違えども、2次元の文字の世界観をきちんと3次元の世界に変化しており、原作ありきの映画としてはなかなか良かった。

 中でも良かったのはSEX描写。

  大概の邦画のSEXやラブシーンは描写が美しくない。ボディタッチのの無い文化圏だからか、距離感がおかしくて、妙に濃厚だったりエロ過ぎたり、逆にええ!そんな淡白か??とか、とにかく絵づらが美しくない。

 監督が女性で、しかも性的な描写に特別な意識を持っていないからか、自然でキレイだった。

 女優さんが映画で脱ぐことが特別な事だとしたら、例えば「ヘルター・スケルター」の沢尻エリカは脱ぎ損だったが、この映画の田畑智子はいい役を貰ったなあ!と思わせられた。

 それぞれに与えられている人生の試練が、拓巳のハメ撮り流出と杏子の愛されてない人生と福田の貧乏に集約されているので、原作よりも「生きる」と言うテーマが明確だった。

 まあ、その分、他のキャラクターのストーリーを幾らか殺してしまっているが、いい選択だったと思う。

 原作を読んでいたので特に意識はしなかったが、もしかしたら団地に対する地域の差別感とか、原田美枝子演ずる母親の助産婦と言う職業に対する人生観とか、まあまあストーリーに大事なファクターへの説明が希薄だったかも知れない。

 クサイ音楽やナレーションなどの余計な説明をせず、“「生きる」事の幸せ”と言うダサい事極まりないテーマを誤魔化さずに正面からしっかりと処理したいい作品だった。

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新たな遭遇

2012-10-23 01:01:03 | 映画

「宇宙人王(ワン)さんとの遭遇」を観た。

 間もなく閉館(12月2日)してしまう、最期の個性派ミニシアター・シアターN公開作品。閉館を目前にしても実に多彩な作品群をラインナップしている。

 SF映画も昨今はニューエイジなストーリーのモノが増えてきた。「第九地区」や「アイアン・スカイ」など一筋縄ではいかない設定モノは事前情報だけでワクワクしてしまう。

 しかし、蓋を開けるとB級映画なので過度な期待は禁物なことが多いが・・・

 地球で一番多く話される言語の中国語を選択して勉強し地球に来たが、イタリアでもブルーカラーな階層のの人に捕らえられ、挙句に秘密警察に監禁・拷問をされる宇宙人を人権保護団体に引き渡そうとするお話は低予算な宇宙人モノではいいセンスなストーリーだ。

 宇宙人のワンさんがビックリする度に頭のとさか状のモノが開いてパサッ!パサッ!と音がするのがまたいい。

 オチ的にはアレックス・コックスの「デス&コンパス」と同じような流れなので、まあどんでん返しって程でも無いが、それよりも、事前の宣伝画像でUFOがローマに飛来しているモノを流してしまうのはどーかな・・と思う。

 また音楽の使い方がよろしくない。

 冒頭から不安な事が起こる事が決まっているような、いちいちな不安なSE。

 中国語翻訳者が唐突に国家の裏の世界と宇宙人に遭遇してしまう映画のはずなのに・・・。

 それに加え、別断笑わそうとしている映画で無いにもかかわらず、ヴェネチアで笑いが出たと言う事前情報の影響か?鼻から笑いに来ている客に冷めてしまった。

 まるで、旬で人気なお笑い芸人が挨拶しただけで笑うグルービーな女子中学生とレベルが変わらない。

 オタク感丸出しなこの現象を味わえるのもシアターNならでは。

 そしてスッキリしない気持ちになるラストもシアターN作品ならでは。

 そんなシアターNのクロージングはアルドリッチの「カリフォルニア・ドールズ」らしい。

 最後の最後にもってくるなあ・・・!!

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