「アイアン・スカイ」を観た。
1945年、ナチスは第二次大戦敗戦直前に月面の裏側に逃亡。そこでヘリウム3と言うエネルギー資源を採掘しながら、地球への侵略を企てていた・・・。
もはや設定がぶっ飛びすぎてて・・・。日本人なら中学生でも発想しない設定。
こんなスゴイ設定を考えるヒトは頭がどーかしてる。
しかも、月面に基地を作り、宇宙船まで作り上げる技術力があるのに、ナチスの兵隊の衣装は機能的進化はあれどファッション的には全く変化が無く、最終兵器の「神々の黄昏号」もチェーンとゼンマイ駆動。「未来世紀ブラジル」のようなアナログな未来感が素晴らしい。
宇宙船でさえも、小型機はUFO的な形だが、母艦は相変わらずヒンデンブルグ号と同じ飛行船形状。
米国大統領と直接折衝をしに地球にやって来るが、大統領の再選の材料に利用され、その過程で知り合った女との愛憎入り乱れた戦争になる。
いきなりアメリカの大統領がこの2018年に「月からナチスが地球に攻撃をしてきます!!」なんて言い出したら、そりゃ笑うわ。
それと、UFO襲来を実は我が国のです、と大見得を切る北朝鮮の代表が滑稽過ぎる。
また、ナチスの忠誠心を示す、国家への敬意と敬礼がアダとなるのもナチスをコケにしまくっている。
映画自体のストーリー展開がだいぶ荒くて、「第7地区」を越える可能性のあるぶっ飛び設定であったのにチョイとストーリーに乗り切れないのが残念。
脚本をもっと練れるヒトが居たら、かなりヤバイ映画になっただろうに。
WEB上で製作資金の募金を募って作った作品らしいが、一億円ものお金が集まったらしい。こんな下らないSFこそ、今の時代に求められたSFなのだろう。
科学の進歩で暗闇が無くなった現代にはこのくらいぶっ飛ばないともはやSFにはならない、と深く深く同意する!!
こう言っちゃあ御幣もあるかもだが、「処刑山 デッドスノウ」のゾンビといい、ナチス物は今後のトンデモ映画には金の鉱脈かもしれない。