黒川連携の会

黒川連携の会の情報を掲載しております。 <宮城県黒川地域>

開催報告!!

2015-06-18 10:06:32 | 事務局

今朝もどんよりとした天気で、なかなかすっきりとした晴れ間が久しいような日ですね。

さて、先週このブログでご案内していた通り、6月12日(金)に「通所・訪問リハビリテーション計画書を
作成して」。作り方困ってませんか?を開催しました。

当日の参加者は、87名。職種の内訳は医師、介護士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、
ケアマネージャー、医療ソーシャルワーカー、県の担当者(保健師、理学療法士、作業療法士)となりました。

会長の挨拶からスタートです!!

続いて、実例発表に移り2名の方にご発表頂きました。

1人目は、公立黒川病院 主任理学療法士の斎藤康子氏。斎藤氏は日々訪問リハビリの理学療法士
として実務にかかわっています。今回、4月からの改定に伴って同一利用者が黒川病院の通所リハビリ
テーションと訪問リハビリテーションを同時に受けている場合、リハビリテーション計画書を共同で作成
することが義務付けられました。そのことによって、新たな課題もみつかったとのことでした。

そもそも、直近の希望と目標は
通所リハ:本人の希望⇒自宅でゆっくり生活をしていきたい。
       生活目標⇒〇〇センターまで歩いて投票に行ける。定期的な外出や人との交流で生活に
              充実感が感じられる。
訪問リハ:本人の希望⇒今のままの距離を歩くのを続けたい。良い方の手の爪切りをしたい。
       生活目標⇒〇〇センターまで歩き、投票に行けるようにしましょう。自分で爪切りができるように
              しましょう。
これまでの問題点として、①通所と訪問で本人の希望が異なる。
                 ②併設しているにも関わらず、バラバラに計画を立てている。
                 ③お互いのサービス目標やプログラムを理解していない。
今回の改定に合わせて新しい計画書を使用することで得られたこととして、
                 ①目標などのすり合わせをすることにより、プログラムの目標を達成するための
                  支援内容を分担して行える。
                 ②目標を一元化することで、実際に支援した結果の情報交換をする機会が
                  増えた。
などの一定の効果も得られたとお話がありました。
最後に、ケアプランとの整合性についても触れられ、ケアプランの意向の部分には掲げられていたが、
短期目標を達成してしまい、リハ側が先に次の目標に移行してしまったため、ケアプランとの時間のズレ
が生じ、計画書と一致しないケースが見受けられるとのことだった。これらを解消するには、ケアプランに
「活動」と「参加」の目標を組み込んでほしいといったケアマネージャー側へのメッセージも発信され会場の
多くのケアマネージャーにも伝わっていた。何より、目標は「共有」する。そしてその過程も共有することで
「多職種連携」は機能するということだった。

2人目は、仙台リハビリテーション病院 訪問事業所サービス提供責任者 國吉華奈子氏。國吉氏も訪問
リハビリテーションの実務を担当する理学療法士。訪問リハビリにおいて計画書を実際に作成したところ、
書式の項目が多く、情報量が多いが故に情報収集が重要であると。しっかりと情報を把握していないと
書きにくいと言った印象もあるとのことだった。そんな中での利点として、情報量が多いからこそ問題点を
抽出しやすいということもあると。
目標の設定にあたっては、本人の希望がケアプランとリハビリ計画書で相違がある場合、特にケアプラン
の1表(総合的な援助の方針)とリハビリ目標で差異が生じているケースが見受けられる点について
お話があった。
本人の状況がケアプランを作成した時と変化した場合に、目標を達成し、利用者からは新たな目標が
出される。
この様なことから、事業所として、リハビリ側からケアマネージャーに情報を積極的に発信することで
対処することにしているとのことだった。しかし、本来のスタイルで新しい状況を反映したケアプランがあると
リハ側としては動きやすいという意見も出された。

その後、休憩をはさまずに、意見交換に突入


意見交換は、ワールドカフェ方式にて行いました。4人1組となり事務局側からお題を伝え、その件について
グループで意見交換を行っていただきました。
(1)どうして「目標」のズレが生じてしまうのでしょう?
(2)どうすれば「目標」と「実態」はズレないようにできるでしょうか?
(3)「卒業」に向けて取り組む上で何が必要か?

1ラウンド目は、「目標」のズレが生じる理由は?ということで、これはズレが生じることは
当然アセスメントの過程で生じることだろうという意見も出ていました。ある意味ズレることは
仕方がないという意見も。2ラウンド目に通ずることですが、逆にどうしたらズレを修正できるのか?
ここが重要な課題ではないか。ズレていれば、遠慮せずリハ側からケアマネージャー側に伝える
ことも必要でないかと言った意見もでていた。

2ラウンド目は、どうすれば「目標」と「実態」がズレないようにできるか。ということで意見交換しましたが、
一つは、ケアマネージャーが開催する担当者会議において、ケアマネージャーが作成している課題検討
用紙が活用されていない実態があり、それを勇気を出して担当者会議の場で参加者で検討する、
目標を共有し、時には修正する。この様な動きが必要でないかと言った意見も出ていました。
ただ、担当者会議では、どうしてもケアプランをその日に見て判断するということは難しいという意見もあり、
担当者会議を開催する前(事前に)に担当者に暫定プランと課題検討用紙を送り、事前に参加者が
確認した上で担当者会議に臨んでもらうという仕組みがあるとこの様な問題を解消しやすいのではないか
と言った意見もでていた。

最後の「卒業」については、非常に大きなテーマであり、今回の改定でリハビリに関しては目玉の一つに
挙げられていることです。それぞれの事業所が「卒業」を目指していくことになっています。しかし、
リハビリを提供する事業所だけが考えれば良いことではありません。地域として考えていき、
受け皿なども整えていくことと、ケアマネージャー側も卒業は当然にありうるということを認識する必要が
あるということで理解された方が多かったようです。
さらに、住民への啓蒙活動なども県などを通じて行っていく必要があるだろうという意見も出ています。

卒業を考える上で、単一のところががんばれば良いわけでないので、医療機関として何かできることは
ないかを考えた時、通所リハビリや訪問リハビリを情報提供する立場のmswから上記のようなことを
踏まえたうえで、面接場面において課題を共有し、その課題を解決するために通所リハビリや
訪問リハビリが存在し、目標をクリアすれば次のステップになるという道標を案内することも
私達にできることであり、求められていることではないかと感じました。
リハビリの利用を最終的に判断(指示)するのは、医師になります。
医師から、〇〇ができるようになったら、次はデイサービスだよ。そこで〇〇をがんばりましょうね。
こんな提案があると、患者さんや利用者の方としてはすんなり受け入れやすい。そんな意見を出していた
方もいらっしゃいました。

まだまだ、始まったばかりで課題の多いことではありますが、皆で話し合って考えていく。これが地域包括
ケアシステムを構築する上で絶対的に必要になることではないでしょうか?

宮城県仙台保健福祉事務所 高齢者支援班 内海主査と健康づくり支援班 粟津理学療法士から国が
どの様なことを考えているかについて簡単にお話を頂きました。

内海氏は、サービス担当者会議の在り方についてご意見を頂きました。当然書式としては作成されており、
説明して署名は頂いているだろうから形式としては整っているが、逆に形骸化して本来のサービス担当者
会議としての機能が果たせていない。会議開催前に、ケアプラン原案や課題検討用紙などを参加者に目を
通した上で会議に臨んでもらうことで、活発な会議になるのではないかということだった。お互いの情報共有
のために担当者会議を活用する。そんな本来の在り方に向かっていってほしいということだった。

粟津氏は、サービス担当者会議においてケアプランを分かりやすく説明する能力と言うのは、
ケアマネージャーに求められることではあるが、それは個々の能力に差があるのも当然なので、
思い切って課題検討用紙を担当者会議で出す。この勇気が必要ではないかと話されていた。
卒業については、国が示したものは卒業モデルを一つ示しただけであり、皆がそれぞれ、卒業のケースに
1事例位は関わっているだろうから、それをこの様な場で共有し、振り返ることで、どの様にしていくことで
卒業を迎えやすいのか。そういったことも考えるきっかけになるのではないかと締めくくられた。

長時間に及ぶ意見交換会は、最後に会長から次回の予定について連絡があり無事終了となりました。

参加された皆さんお疲れさまでした。役員及び世話人の皆様も準備等々お疲れさまでした。
今回、仙台圏からも参加して頂いた方もいらっしゃいます。どんどん輪が広がっていくことで
地域の住民の方々にも還元できるものがうまれるとうれしいです!!



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