新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

落語はいいですよ

2023年12月19日 | 源氏物語・浮世絵・古典・伝統芸能
母さん、母さん、どこへ行た。紅い金魚と遊びませう。
母さん、帰らぬ。さびしいな。金魚を一匹突き殺す。
まだまだ帰らぬ。くやしいな。金魚を二匹絞め殺す。
なぜなぜ帰らぬ。ひもじいな。金魚を三匹捻ぢ殺す。

(北原白秋「金魚」)

12月10日の日曜日に、桂文枝と笑福亭鶴瓶師匠の「二人会」が池田市民文化会館アゼリアホールにて開催されました。

五月山の帰り、池田駅でチラシをもらって、行こうかどうか迷っていました。

NHKの月曜夜8時からの『鶴瓶の家族に乾杯』が好きなんですね。自宅にテレビがないので知りませんでしたが、長寿番組だったんですね。

なじみのお好み焼き屋さんの永遠の17歳+α歳のお母さんと一緒にこの番組を見るのが、私のささやかな楽しみです。

鶴瓶師匠の市井に生きる人たちとのやり取り、孫の世代にも子の世代にも同世代にも、年長世代にも、同じ目線に立った人情あふれる会話のやり取りがいいのです。日本にはまだまだ知らない町、家族、人、仕事や名産品があるんだなあと毎週感嘆させられます(放映しない週もありますが)。やはり、鶴瓶師匠のようでありたいですね。

しかしまあ、昨年2022年度をもって、『ガッテン!』(『ためしてガッテン』)などの人気長寿番組が次々と打ち切りになる中、『家族に乾杯』が生き残ったのには、こんな大人の事情もあるようですが。


そんなわけで、鶴瓶師匠の落語が聞きたかった私なのですが、結局、やめました。

桂文枝が池田市民で、「池田の猪買い」「池田の牛ぼめ」「鬼の面」など池田を舞台にした古典落語もあることから、池田市は「落語のまち」をプッシュしています。

しかし、私はなぜか桂文枝が好きになれません。

振り返ると、桂三枝時代は特に嫌いではありませんでした。幼馴染のKくんの生家の文房具店で買ったわら半紙に、私が鉛筆で描き殴ったマンガのタイトルは「およよZまる」でした。「およよ」は桂三枝が広めた流行語です。「Z」はマジンガー、「まる」はライオン丸からだったかな?

母がわら半紙の原稿の束を、糸でかがって一冊の本に製本してくれたものでした。そのうち一冊を、亡母は大事に取っていてくれたようで、葬儀の日に従姉に渡されました。鉛筆の墨も薄れかけ、何を描いてあるのかは、描いた本人にもわからなくなっていましたが。

テレビ芸人として落語家としては評価されなかったようですが、文枝となった2000年代からの創作落語は世評も高いそうです。

文枝嫌いになったのは、10年ちょっと前、童謡好きらしい文枝のお弟子さんの童謡イベントに、参加させられてしまったせいかもしれません。文士枝の創作落語の「赤とんぼ」も聴きました。

あれはひどかった…

あれはもう、ほんとうにひどかった……

落語イベントだというから、休日を潰してまで出かけたのに……

まさかみんなで童謡を歌わされるイベントだなんて……「赤とんぼ」に出てくる「童謡酒場」を再現するという体で、みんな立たされて、「赤とんぼ」だか「どんぐりころころ」だかを歌わされるのです。

あの日のことを何か書き残していないかと思い、「童謡」でブログ内検索しましたが、ヒットせず、かわりに見つかったのは白秋の「金魚」でした。

インパクトがある詩でありますね。

一年前は、古典落語の名作『らくだ』について、こんな記事を書いていました。




落語『らくだ』聴き比べ

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