+-×÷餓鬼上等÷×-+

[2012年1月 更新]
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いえはしっている。おまえはしらない。

2011-11-25 04:47:36 | ますべ的書き物風落書き



ただいま


仕事で疲れて帰ってきても、家の中は真っ暗。
重たいドアの鍵も自分で開けて。すっきりした玄関に腰を下ろした。


もう泣かない。涙は先日枯れた。

二度と子供の寝顔を見ることもない。
嫁と晩酌を酌み交わすこともない。
二人で寝ることも。

あ、いや。嘘つきました。

二人で寝ることなんてもう2年も3年もなかった。
見栄張りました。二人で寝てたら出て行かなかったのかもしれない。



なーんて、ちょっと思い出しつつご飯作りましょうか、ね。


男の一人暮らしなんて、冷蔵庫にろくなもの入ってないんですよね。

牛乳と、卵と、玉ねぎにキャベツ。
後はビールと日本酒。

もうね、酒でも飲まなきゃやっていけないっすわ。
なんなん、あの糞ビッチ。しかも子供まで連れて行くとか。


信じられる?
旦那が必死に家族のために仕事してるっていうのに家に間男連れ込んで


いや、やめよう。
もう終わった話だし。自分で辛いし。


詰まる話、浮気されて、離婚して、親権持って行かれて、2LDKに一人ぼっちですよ。

なーにが永遠の愛を誓いますだってんだよ。
ふざけんな。ふっざっけんな。ざっけんなああああああああああああああ。




はぁ。

帰りに惣菜買ってきたし、ご飯だけ炊いて、炊いてる間に風呂入って、酒飲んで寝よう。



俺は好きだったんだけどね。
昔はあんなに好きって言ってくれてたのになー。

なんて言ってるとすげー未練がましいけど、別に未練があるわけじゃあないんですよ。コレホント。

あーぁ、シャンプー切れてら。

あいつがいた時はこういうの楽だったよな。全部任せてたし。
驚いたのは自分がなんのシャンプー使ってたのか全然知らなかったこと。
トイレットペーパーが全然なくならない事。
結構知らないことが多かった。


いや、全然悲しくなんかなってないよ。
女々しいけど、コレが現実だし、いつでも現実は受け止めて、把握して、理解して。
それから前を向いてきた。

離婚暦はついたけど、あんなものは所詮書類上のこと。紙切れでしかない。
気にしなければ大丈夫。大丈夫。

今だって嫌いじゃない。好きだよ。惚れた弱みってやつ。




泣いてなんか、ない。



シャワーの音が聞こえてくる。
元気のない体に、元気にシャワーがあたって、水玉が弾ける音。

このマンションにはこの男が一人きり。

そう、一人きり。


朝になっても、また夜になっても。

このまま男はだれも家に連れてこないのだろうか。
一人きりのまま、引っ越すまでここにいるのだろうか、あるいは、死ぬまで。


この男の前に住んでいた夫婦も、同じようなコトで引き裂かれ、出て行った。
その前も、そしてこの男も。
まだこの男は知らないが、いや、まだ誰も知りえない事実だが。
この男の次にここに住む夫婦も、また。


だって、私はそういうの好きだから。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ざうるす)
2011-11-25 08:53:45
あんがと!
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Unknown (うぐいす)
2011-11-25 13:49:14
ういー
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