とりあえず昔ので結構気に入ってた奴を引っ張り出してきた。
あぁ、これ手直ししたいかも。
------------------------------------------------------------
今日までアイツを殺そうと何度考えたことだろう。
百や二百ではない。
何通り考えただろう。
アイツの恋人をアイツの目の前で殺して。
アイツの大切なものの前で屈辱にまみれながらの死。
じわりじわりと無力感を味あわせて。
そんなことを考えているだけで幸せだったはずなのに。
まさか本当にやるとは。
今日街であいつを見かけた。
アイツの後を尾ける俺。
尾行もイメトレを重ねてきた。
万事抜かりは無いはずだ。
アイツの家まで着いていき。
アイツの携帯にワンギリを。
その後アイツを外に呼び出し。
俺は顔を見せずにあいつに伝えた。
「オマエの恋人、今俺の仲間に陵辱されてるぜ。」
アイツは怒れ狂った。
アツくなっているバカ程嵌め易い。
人気が無いところに誘い出し。
後ろから痕が極力残らないようにマフラーで首を後ろから絞める。
暴れるアイツ。
もがくアイツ。
今まで俺の人生でこれほどの幸せはあっただろうか。
今までの俺はこんなに輝いていただろうか。
俺の人生に今までこんなにドラマはあっただろうか。
いやない。
全てが初めて。全てが俺を恍惚とした心持に導いた。
アイツの体重が腕に重くのしかかる。
死んだか?
イヤまだだ。
まだ脈がある。
手早くアイツの服をちぎりアイツの口へ押し込む。
用意のガムテープで後頭部と口を二重に三重に。
両手もガムテープで硬く留め、脚とヒトツにエビゾリさせておいた。
目にはアイマスクをあてがい、ずれないように手ぬぐいで上から固定する。
そうしてできたエビを廃ビルの一室に運び込む。
重い・・・
人とはこんなに重たいものだったのか。
どうにもならずひきづったこともあった。
「このデブ...」
毒づく俺。
エビのポケットをまさぐり携帯を取り出す。
アイツの恋人に電話をする。
「昔よく遊んだビルの4階に今すぐ来い。遅れてアイツがどうなっても知らないぞ。15分だ。それ以上またすな。もちろん警察には通報するな。」
おびえたような女の声。
嗚呼、これから俺は人を殺す。
ヒトリではない。
フタリでもない。
自分の存在もここで消す。
全て思い描いていた通りだ。
女は10分で来た。
階段を駆け上がってくる音が聞こえる。
ドアの影に隠れる俺。
女がエビを見つけ駆け寄る。
「うぐっ」
女もアイツと同じように抵抗し、俺の腕を卑しく伸びた爪で引っかく。
俺の腕の皮は切れ、肉が見える。
女の服を脱がすのはさすがに気が引けたので男の服の破片でまた口をふさぐ。
手足を不自由にする。
だが目隠しはしない。
アイツが気づいたようだ。
俺はアイツにゆっくり歩み寄り、目隠しを外してやる。
「ゆっくり見てな。」
そう言い棄て女の身体を無造作に貪る。
服を破き、下着姿にする。
恍惚などという感情ではない。
文字では表せないような。
興奮と、恐怖と、絶望と、そして自分の幸運に対する幸福感。エビの運の無さに対する優越感。
全てがない交ぜになり、俺の神経を鋭くさせる。
この感情が毛穴から滲み出てしまうのではないかと思い、身を悶える。
全てが自己満足。
全てが一回きり。
二度と訪れない感情。
一度さえ訪れない人生を送る人間がカスに思えてくる。
やがて女の胸や股をまさぐる間に女が呻き声を上げようやく意識が戻ったらしい。
女の目隠しを一瞬とり、アイツの存在を確認させる。
アイツは特徴的な大きい目からだらしなく水を垂れ流していた。
嗚咽を繰り返しながら必死に自分の恋人を見ないようにするアイツ。
女も見られたくないのか顔を背ける。
ここで女の目隠しを再び。
体の自由は無いが次第と女のカラダが温まる
体の自由は無いが次第と女のカラダが温まる。
温い。ぬくい。ヌクイ。
ニクイ...
こんなに人間が温かいものだったなんて。
殺すのが惜しくなるほど俺にとって初めての女は気持ちよかった。
淫らに脚を広げられ、無理やりに男性器を挿入される気持ちはどんなものなのだろうか。
きっと身の毛がよじれるどころではないのだろう。
動きづらい女を無理やり犯す。
幾度と無く犯し続ける。
最初は半狂乱の態で呻きもがいていた女もすっかりおとなしくなってしまった。
「それじゃあつまらないんだよ。もっと叫んでくれなきゃ。」
男はすっかり他所を見ている。
「おい。貴様こっちをみろ。こいつの最後を見届けてやれよ。」
女とエビ。同時に体を震わせる。
最後。サイゴ。最期。
命の果てる時。
この女は人生半ばにして俺の手で生涯を終わる。
まるで神にでもなったかのような精神状態の俺。
あぁ。こいつらの命運は俺にかかっているのか。
「おい。サイゴに言いたいことはあるか?」
と耳元で囁き女の猿轡(さるぐつわ)を外す。
「なんで、ワタシなの・・・なんで彼なの?」
息も絶え絶えの声でようやくそれだけ呟くと、女は再びぐったりとした。
「なんでかって。なんでだろうな。俺にもわからないよ。」
「オマエは絶対に許さない。お前なんかに殺されるんじゃ死んでも死にきれない。」
俺に猿轡を外してもらい、恐らく吐き気を抑えながらエビがいう。
「安心しろ、俺もだ。」
もう数時間も飲まず食わず。
まぁそれだけでは死にはしないが、この寒空に上裸という痴態でこの状況。
よくそれだけの事を言う頭があったものだ。と感心をする。
いや。こんな状況だからこそ、そんなことしかいえなかったのか。と落胆する。
この死に掛けの男に俺の言葉は届いているのだろうか。
どれだけ俺の事を呪ってみても俺を殺すことはできないことを。
「さよならだ。」
優しく女の耳元で囁きながら首に手を伸ばしゆっくりと力を入れる。
「ぐぅぅぅ。げはっ。かはっ、くぅ」
意味不明の言葉を喚き散らしつつ女の諸腕に込められた力がスっと抜ける。
だが今度は力を緩めない。
背中に汗が吹き出るのを感じる。
男性器がパンパンに膨れていく。
あぁ。この状態でセックスしたら気持ちいいんだろうな。
女の首筋の脈を取り、死んだことを確認する。
念を入れて手首、肘、太腿でも脈を取る。
どこも感じ取れなかった。
これが死。
あんなに重たい人間もたった数分で死んでしまうんだな。
全世界に蔓延したヒトも殺しあえばすぐに争いは終わるんだろうな。
こいつも俺も。人間になんて生まれてこなければ、こんな事にはならなかったのに。
アイツの目が。
アイツの体が。
いつもより少し大きく。
いつもよりカナリ小さく。
見開いて。
だらしなく唾液を垂れ流し、震えていた。
次は自分の番だと思っているのだろう。
違う。
次は俺の番だ。
アイツには更なる絶望を味あってもらわなければ。
女が息絶え、俺の存在が消える。
男はどうするのだろう。
復讐することもできず。
自殺することもできない。
ただ。ただただゆっくりと死が訪れるのを待つだけだ。
同じ床に転がる二つの肉体は荒れ果て、ヒトツの廃ビルの、ヒトツの部屋に。いずれ三つの魂が彷徨うのか。
恐らくどれ一つ成仏できずに終わるのだろう。
終わる?終わるはずが無い。
死んだらどうなる。別のものに転生する?
ふざけるな。だとしたらこの人生はなんだったんだ。
別のものになるための準備期間。
前のモノから次のモノになるためにあてがわれた仮の体。
違う。そんなものではない。ヒトが死んだら再び同じ人生を繰り返すのだ。
ヒトの魂にはそれだけの価値がある。
だからヒトは自分を大切にしなければいけない。
ヒトが転生してゆくものだとしたら。
俺がアイツになり。そしてアイツでゆっくり死んだ後はこの女になり。女で死ぬと再び俺に。
俺が死んだ後は数億年昔の恐竜の魂に変わる。
俺が死んだ後は3年後生まれる芋虫かもしれない。その芋虫はやがて蝶になり、一つの春という季節を微塵もないような脳味噌で精一杯生き、そして散っていく。
蝶の後は・・・
もしかしたら、俺は自分で自分の魂を殺していたのかもしれない。
もしかしたら、俺の魂でこの地球の生物。何億年も昔の細菌の頃から、これからずっと先の世界の未知の生物まで。全ての魂を俺がループして繰り返して。生きているのだとしたら。
アイツの呻き声で俺は現実に戻る。
男の目の前に刃渡り8cm程の折りたたみナイフを刃を出さずに置き、自分は4階の窓から飛び落ちる。
あぁ。これで終わる。
これで眠れる。
顔面に地面がゆっくりと迫ってくる。
この憎しみに満ちた世界から、俺は解放されるのであろうか。
恐らく次のときも俺は別のイキモノとしてか、また再びこの体でかわからないが、再びこの憎しみの螺旋の上に産み落とされるのであろう。
人間が本当に幸せなのは、人間として存在する以前のことなのかもしれない。
最悪自分が育って、育ってきたと思えた時点で自分は既に憎しみの螺旋の上を走っている。歩いている。ゆっくり。ゆっくり。時には今回のように螺旋から足を踏み外し、メビウスの環から再び逆側の環に。
そんな人生もいいかもしれない。
赤ん坊の頃、幼稚園とかに入る前。せいぜい2・3歳の頃が何も知らなく、穢れなく、純粋無垢で幸福だったのかもしれない。
その頃に死んでしまえれば、自分が死んだとも気づかずに死ねる。恐怖も無い。獣として泣き喚くとしても、そこに本能的に恐怖を感じたとしても、それは脳の記憶中枢にINPUTされない。覚えていられなければそれは恐怖ではない。
ぐじゃ。
この音を俺は聞くことができなかった。
目の前が真っ暗になった転瞬、光で溢れた眩しい部屋に俺はいる。
あぁ。アイツはどうなったのだろう。
-----------------------------------------------
おしまい。多分2006年くらいだから中学卒業くらいかな
あぁ、これ手直ししたいかも。
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今日までアイツを殺そうと何度考えたことだろう。
百や二百ではない。
何通り考えただろう。
アイツの恋人をアイツの目の前で殺して。
アイツの大切なものの前で屈辱にまみれながらの死。
じわりじわりと無力感を味あわせて。
そんなことを考えているだけで幸せだったはずなのに。
まさか本当にやるとは。
今日街であいつを見かけた。
アイツの後を尾ける俺。
尾行もイメトレを重ねてきた。
万事抜かりは無いはずだ。
アイツの家まで着いていき。
アイツの携帯にワンギリを。
その後アイツを外に呼び出し。
俺は顔を見せずにあいつに伝えた。
「オマエの恋人、今俺の仲間に陵辱されてるぜ。」
アイツは怒れ狂った。
アツくなっているバカ程嵌め易い。
人気が無いところに誘い出し。
後ろから痕が極力残らないようにマフラーで首を後ろから絞める。
暴れるアイツ。
もがくアイツ。
今まで俺の人生でこれほどの幸せはあっただろうか。
今までの俺はこんなに輝いていただろうか。
俺の人生に今までこんなにドラマはあっただろうか。
いやない。
全てが初めて。全てが俺を恍惚とした心持に導いた。
アイツの体重が腕に重くのしかかる。
死んだか?
イヤまだだ。
まだ脈がある。
手早くアイツの服をちぎりアイツの口へ押し込む。
用意のガムテープで後頭部と口を二重に三重に。
両手もガムテープで硬く留め、脚とヒトツにエビゾリさせておいた。
目にはアイマスクをあてがい、ずれないように手ぬぐいで上から固定する。
そうしてできたエビを廃ビルの一室に運び込む。
重い・・・
人とはこんなに重たいものだったのか。
どうにもならずひきづったこともあった。
「このデブ...」
毒づく俺。
エビのポケットをまさぐり携帯を取り出す。
アイツの恋人に電話をする。
「昔よく遊んだビルの4階に今すぐ来い。遅れてアイツがどうなっても知らないぞ。15分だ。それ以上またすな。もちろん警察には通報するな。」
おびえたような女の声。
嗚呼、これから俺は人を殺す。
ヒトリではない。
フタリでもない。
自分の存在もここで消す。
全て思い描いていた通りだ。
女は10分で来た。
階段を駆け上がってくる音が聞こえる。
ドアの影に隠れる俺。
女がエビを見つけ駆け寄る。
「うぐっ」
女もアイツと同じように抵抗し、俺の腕を卑しく伸びた爪で引っかく。
俺の腕の皮は切れ、肉が見える。
女の服を脱がすのはさすがに気が引けたので男の服の破片でまた口をふさぐ。
手足を不自由にする。
だが目隠しはしない。
アイツが気づいたようだ。
俺はアイツにゆっくり歩み寄り、目隠しを外してやる。
「ゆっくり見てな。」
そう言い棄て女の身体を無造作に貪る。
服を破き、下着姿にする。
恍惚などという感情ではない。
文字では表せないような。
興奮と、恐怖と、絶望と、そして自分の幸運に対する幸福感。エビの運の無さに対する優越感。
全てがない交ぜになり、俺の神経を鋭くさせる。
この感情が毛穴から滲み出てしまうのではないかと思い、身を悶える。
全てが自己満足。
全てが一回きり。
二度と訪れない感情。
一度さえ訪れない人生を送る人間がカスに思えてくる。
やがて女の胸や股をまさぐる間に女が呻き声を上げようやく意識が戻ったらしい。
女の目隠しを一瞬とり、アイツの存在を確認させる。
アイツは特徴的な大きい目からだらしなく水を垂れ流していた。
嗚咽を繰り返しながら必死に自分の恋人を見ないようにするアイツ。
女も見られたくないのか顔を背ける。
ここで女の目隠しを再び。
体の自由は無いが次第と女のカラダが温まる
体の自由は無いが次第と女のカラダが温まる。
温い。ぬくい。ヌクイ。
ニクイ...
こんなに人間が温かいものだったなんて。
殺すのが惜しくなるほど俺にとって初めての女は気持ちよかった。
淫らに脚を広げられ、無理やりに男性器を挿入される気持ちはどんなものなのだろうか。
きっと身の毛がよじれるどころではないのだろう。
動きづらい女を無理やり犯す。
幾度と無く犯し続ける。
最初は半狂乱の態で呻きもがいていた女もすっかりおとなしくなってしまった。
「それじゃあつまらないんだよ。もっと叫んでくれなきゃ。」
男はすっかり他所を見ている。
「おい。貴様こっちをみろ。こいつの最後を見届けてやれよ。」
女とエビ。同時に体を震わせる。
最後。サイゴ。最期。
命の果てる時。
この女は人生半ばにして俺の手で生涯を終わる。
まるで神にでもなったかのような精神状態の俺。
あぁ。こいつらの命運は俺にかかっているのか。
「おい。サイゴに言いたいことはあるか?」
と耳元で囁き女の猿轡(さるぐつわ)を外す。
「なんで、ワタシなの・・・なんで彼なの?」
息も絶え絶えの声でようやくそれだけ呟くと、女は再びぐったりとした。
「なんでかって。なんでだろうな。俺にもわからないよ。」
「オマエは絶対に許さない。お前なんかに殺されるんじゃ死んでも死にきれない。」
俺に猿轡を外してもらい、恐らく吐き気を抑えながらエビがいう。
「安心しろ、俺もだ。」
もう数時間も飲まず食わず。
まぁそれだけでは死にはしないが、この寒空に上裸という痴態でこの状況。
よくそれだけの事を言う頭があったものだ。と感心をする。
いや。こんな状況だからこそ、そんなことしかいえなかったのか。と落胆する。
この死に掛けの男に俺の言葉は届いているのだろうか。
どれだけ俺の事を呪ってみても俺を殺すことはできないことを。
「さよならだ。」
優しく女の耳元で囁きながら首に手を伸ばしゆっくりと力を入れる。
「ぐぅぅぅ。げはっ。かはっ、くぅ」
意味不明の言葉を喚き散らしつつ女の諸腕に込められた力がスっと抜ける。
だが今度は力を緩めない。
背中に汗が吹き出るのを感じる。
男性器がパンパンに膨れていく。
あぁ。この状態でセックスしたら気持ちいいんだろうな。
女の首筋の脈を取り、死んだことを確認する。
念を入れて手首、肘、太腿でも脈を取る。
どこも感じ取れなかった。
これが死。
あんなに重たい人間もたった数分で死んでしまうんだな。
全世界に蔓延したヒトも殺しあえばすぐに争いは終わるんだろうな。
こいつも俺も。人間になんて生まれてこなければ、こんな事にはならなかったのに。
アイツの目が。
アイツの体が。
いつもより少し大きく。
いつもよりカナリ小さく。
見開いて。
だらしなく唾液を垂れ流し、震えていた。
次は自分の番だと思っているのだろう。
違う。
次は俺の番だ。
アイツには更なる絶望を味あってもらわなければ。
女が息絶え、俺の存在が消える。
男はどうするのだろう。
復讐することもできず。
自殺することもできない。
ただ。ただただゆっくりと死が訪れるのを待つだけだ。
同じ床に転がる二つの肉体は荒れ果て、ヒトツの廃ビルの、ヒトツの部屋に。いずれ三つの魂が彷徨うのか。
恐らくどれ一つ成仏できずに終わるのだろう。
終わる?終わるはずが無い。
死んだらどうなる。別のものに転生する?
ふざけるな。だとしたらこの人生はなんだったんだ。
別のものになるための準備期間。
前のモノから次のモノになるためにあてがわれた仮の体。
違う。そんなものではない。ヒトが死んだら再び同じ人生を繰り返すのだ。
ヒトの魂にはそれだけの価値がある。
だからヒトは自分を大切にしなければいけない。
ヒトが転生してゆくものだとしたら。
俺がアイツになり。そしてアイツでゆっくり死んだ後はこの女になり。女で死ぬと再び俺に。
俺が死んだ後は数億年昔の恐竜の魂に変わる。
俺が死んだ後は3年後生まれる芋虫かもしれない。その芋虫はやがて蝶になり、一つの春という季節を微塵もないような脳味噌で精一杯生き、そして散っていく。
蝶の後は・・・
もしかしたら、俺は自分で自分の魂を殺していたのかもしれない。
もしかしたら、俺の魂でこの地球の生物。何億年も昔の細菌の頃から、これからずっと先の世界の未知の生物まで。全ての魂を俺がループして繰り返して。生きているのだとしたら。
アイツの呻き声で俺は現実に戻る。
男の目の前に刃渡り8cm程の折りたたみナイフを刃を出さずに置き、自分は4階の窓から飛び落ちる。
あぁ。これで終わる。
これで眠れる。
顔面に地面がゆっくりと迫ってくる。
この憎しみに満ちた世界から、俺は解放されるのであろうか。
恐らく次のときも俺は別のイキモノとしてか、また再びこの体でかわからないが、再びこの憎しみの螺旋の上に産み落とされるのであろう。
人間が本当に幸せなのは、人間として存在する以前のことなのかもしれない。
最悪自分が育って、育ってきたと思えた時点で自分は既に憎しみの螺旋の上を走っている。歩いている。ゆっくり。ゆっくり。時には今回のように螺旋から足を踏み外し、メビウスの環から再び逆側の環に。
そんな人生もいいかもしれない。
赤ん坊の頃、幼稚園とかに入る前。せいぜい2・3歳の頃が何も知らなく、穢れなく、純粋無垢で幸福だったのかもしれない。
その頃に死んでしまえれば、自分が死んだとも気づかずに死ねる。恐怖も無い。獣として泣き喚くとしても、そこに本能的に恐怖を感じたとしても、それは脳の記憶中枢にINPUTされない。覚えていられなければそれは恐怖ではない。
ぐじゃ。
この音を俺は聞くことができなかった。
目の前が真っ暗になった転瞬、光で溢れた眩しい部屋に俺はいる。
あぁ。アイツはどうなったのだろう。
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おしまい。多分2006年くらいだから中学卒業くらいかな
このブログに何個か載ってるのはアーカイブから小説風落書きを選んでくれれば読めるよ
最高
ヒトなんてただの皮に入った水と肉だけど、の
だけどに続く言葉がいつも見当たらない。
そういう感じ、出てきそうで出てこない感じ。