クマ公のひとりあそび

史跡を訪ねて墓所の為なら林の中を1人でも進む。でもうまいもんは決して外さない。そんなクマ公の旅日記&雑記。

聖地巡礼~田口ランディ

2007-01-22 01:23:28 | ヨミモノ
聖地巡礼

メディアファクトリー

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タイトルに弾かれた割に、田口さんは読んだ事がありません。
数P読んで
「田口ランディって女だったんだ・・・」
何か、勝手に男の人ってイメージを作っていたかも。

「聖地巡礼団」(カッコイイ!)なるメンバーで
国内の自分達だけの、聖地を求めて中々過酷な旅をが綴られている。
キーワードは水。
水と人に導かれながらの、不思議な旅。

私はあまり、水でも川でも滝でも
ここまで意識した事がない事に気付く。
心揺さぶられるのは、山や木であったりする。
人それぞれだけど、影響されやすい私は
ちよっと、自分の意識を反省。

言われてみれば、古来水は全てを浄化して流し去ってくれる
と何かで読んだ気がする。
京都の風水の本だったかな。
この世の正しくないもの、邪悪なものも全て浄化すると。

渋谷の地下のドブ川に行く為に、その源泉にご挨拶と
標高2000メートルの山に登る。
屋久島をこよなく愛し、源泉の清らかな水に歓喜する。
自然を敬い、縄文時代の血が騒ぐと表現する。

これが、バリバリのエコロジストだったら
多分私は最後まで読まなかったんだろうけど、
田口さんが面白いのは、神社と自然と同じくらい酒好きのようで
旅の出発はいつも、二日酔いというのが
読んでる私も、「少しは自重しろよ!」って
突っ込みたくなるノリで旅が始まる。

清と濁も隣り合わせなのである。
本文でも、
「怖れを持つ人は強い。
 危機感を持つ人だけどが、希望を見出せる。
 絶望と希望はワンセットである」
というフレーズがある。
私はこの言葉が大好きだ、この言葉に出会えただけで
この本と出会えてよかったとさえ思える。

ハワイの先住民、タイガー・エスペリさんの言葉も紹介されている。

「文化を失うことは、自分を失うこと。 
 もっと、いろんなことを伝えていかないと
 見た目は日本人でも中身は、何人かわからない存在になってしまう」

声高々に、日本回帰を唄うつもりはない。
昨今騒がれた「○○○日本」には、疑問しか浮かばない。

それでも、知らない事だらけの日本史に
ご都合主義しゃじゃないの・・・?って突っ込みつつ。
ひねくれた好奇心の塊の私だけど、やっぱりもっともっと
色んな事が知りたいし、感じたいんだ。



幕末武士道、若きサムライ達

2006-08-08 23:13:41 | ヨミモノ
幕末武士道、若きサムライ達

ダイヤモンド社

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先に紹介した新撰組と同時に出されたこちらの
表紙は龍馬と高杉晋作。
(こっちの方がかっこいいかも・・・高杉晋作が)

そも、作者の山川健一さんは先にこちらを書き上げ、
それでも不完全燃焼で終わってしまった新撰組についてを
もう1冊にまとめ直したという経緯。

全くの予断だが、この山川さんは元々ロック批評家の人で
遊びに来た友人が
「山川健一ってあの山川健一?どうして、こんなの書いてるの!?」
と、目を白黒させていた。
ほほぅ、そうだったのか。

こちらもかなり熱いですぞ。

「日本人の宗教は武士道だ」とか
「アスファルトの上の武士道、幻の刀が教える5つの大切なこと」
などなどには、う~ん・・・って少々引いてしまったけど。

それでも、龍馬・晋作・西郷どん
などお馴染の人物だけでなく、赤根武人・山岡鉄舟・・・まだまだ続くが
史実を通しての人物考察が魅力的だった。

この方の目線で見ると、あの慶喜でさえ
私にはホロリと来てしまう。
会津に属する私としては(へっ!?)
慶喜というのは、何を読んでも嫌な奴にしか写らなかったのに、
「あー、この人も晩年は辛かったんだなぁ」
なんて、ちょっとだけ思える、これは凄いことだ。

私は盲目的に、武士道を礼賛するつもりはないけれど、
戊辰戦争であそこまで、会津藩を血で染める必要はあったのだろうか?
という気持ちは、常にある。

もう一ついえば、新政府が神仏判然令を布告し、
廃仏毀釈が行われてしまったこと。
神主の世襲も廃止して、多くの神社に新しい神主を送り込み
伝統行事が途絶えたとも、別の本で読んだことがある。

新時代を動かす車の輪として、日本の神々をいいように
利用し、戦争という暗黒トンネルに突入していった点は
やっぱり解せないものだ。





新選組、敗れざる武士達

2006-08-06 23:11:33 | ヨミモノ
新選組、敗れざる武士達

ダイヤモンド社

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装丁デザインがとても素敵なこの本、
新撰組(私はこちらを使います)好きには、素通りできないインパクト。
局長と沖田総司のイラストから、おなご向けの柔い感じと
勝手に想像してしまったけど、中身は硬派。

この山川健一さんという方は、小説家なのですが
歴史研究家の冷めた視点から語られる新撰組像と比較すると
めちゃ熱いです。

決して史実無視の飛躍解釈ではなく、きちんと歴史的講釈をして
それでもなおかつ、新撰組が好きなんだ!!
という姿勢には、拍手なしでは読めません。
久々に読んでいる私も熱くなった1冊。

「会津魂との宿命的な出会い」
「伊藤甲子太郎は非戦の思想家だった」

の2章が特に私のツボでした。
「会津魂」
ある意味、新撰組の「誠」よりも、私の涙腺に触れるキーワード。

そして、もっと評価されてもいいのになぁーと、悶々と
思っていたかっしーを、この章では大絶賛している点が!
龍馬と並ぶとまでの、人物評。
そんなかっしーを内部粛清してしまった所が、
また複雑なんだけど、そこがまた歴史なのだろう。

多分、この本の象徴ってこのフレーズだなぁと、私が勝手に決定。
私のチマチマした感想を並べるよりも、以下抜粋。

~新撰組は歴史ではない、とよく言われる。
 あれは物語であって歴史ではないのだ、と。
 それは、ロックは音楽ではない、という言い方によく似ている


 新撰組には深い思想がなかった、などどは誰にも言わせない。
 思想というものには、ロジックだけではなく、
 エモーションも含まれているからだ~ 


この一文を読んで熱くなったお方は、是非一読を





京都・お守り手帖

2006-01-25 22:33:13 | ヨミモノ
京都・お守り手帖

光村推古書院

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『かわいいお守りを探しに
 ぴったりのお守りを見つけに
 京都に行こう』

なんて、簡単に行ける距離に住んでない私ですが
これを読むと、益々行きたくなります。

ご利益別や、モチーフ別のお守りカタログ。
巻末には、もちろん地図も掲載されてる。
インデックスには、ゲットできるお守りをP数で記載。
取りこぼしのないように・・・
このアイテムが欲しい!
ここに行ったら、これも外せん!
ってちとロープレ風。
心くすぐられまくりの1冊でした。
お守りコレクターになりたくなる♪

今年は京都に行くつもり。
金戒光明時の携帯ストラップは外せない。
會印だ、渋いぜ

ペンギンと泳ぐ旅

2006-01-01 23:30:58 | ヨミモノ
ペンギンと泳ぐ旅―南極エコツーリズム

NTT出版

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南極に行ける人というのは、研究者や写真家など
ごく一部の人だけだと思っていた。

この本も、そのごく一部の人によって書かれたんだろうなぁと
開いてみると・・・
「え~、違うよん!エコツアーで行けるんだ!!」
と、無知な私はそれだけで、目から鱗になり、夢中になって読んだ1冊。

「HOW TO 南極の旅」版としてだけではなく、
女性1人で参加した作者の西森さんの
「ペンギンと一緒に泳ぎたい!」という夢の一大実現記でもあるので
ペンギン好きさんには、写真もたまらないし、文章もこちらに勇気と夢を
もらえるような素敵な本。

映画「皇帝ペンギン」でみたような世界が、目の前に広がる・・・
その妄想は、どんどん膨らんでしまう私。
「行こうと思えば行けるんだ・・・じゃぁ行かなきゃ!」

2・3年後にすぐ叶う夢ではないだろうけど、それでも
人生の最終目標達成MY夢リストに入れておこう。

私がそう思えるのは、南極点を通過した時の章。
一部抜粋すると

『今回の最高齢79歳のニュージーランド人のジョン。
 彼は50年以上も牧羊と農業を営んでいる。
 2年前に最愛の奥さんに先立たれ、落ち込んでしまったのだそうだ。
 しかし、まだ自分にも何かできるのではないか、
 一人だからこそできることがあるのではないかと想い、
 長い間夢見ていた南極旅行に参加したと言った』

ジョンさん、素晴らしい(感涙!)

そうなのだ、読みながら
「でも、英語しゃべれないし・・・」
など、モジョモジ言い訳をつくっている自分が恥ずかしくなった。

新年の夢にしては、ちとスケール大きすぎたけど、
いつまでも、幾つになっても「夢を叶える、新しい夢を持つ」という
気持ちを忘れない為にも、クマ公最初のオススメ本。