京都試作産業プラットフォーム

京都試作産業プラットフォームで21世紀の京都経済をリードする新しい産業クラスタを創出

ものづくりソリューションで、「試作」を新たな産業に

2005年05月25日 | 情報一般
ものづくりソリューションで、「試作」を新たな産業に。

□京都産業の背景
千年の都といわれている京都は、古来から我が国における様々な活動と交流の拠点であり、その中で磨かれ蓄積された技と知恵は、文化芸術のみならず、ものづくりにおいても精緻で洗練された最高水準の品質を生み出す源泉となっています。

さらに明治期以降、数々の教育学術研究機関の設立や最先端技術の導入が進められ、新たなものに挑戦する進取の気風と物的な基盤が形成されてきました。このような風土のもとに、独自の技術を持つベンチャー企業が輩出し、現在では京都は成長を続けるハイテク産業を擁する地域として、我が国の産業分野においても重要な役割を果たしています。


□試作産業の創出
近年、技術革新の急速な進展、国境を越えた世界市場での競争の激化にともなって、製品の独自性と開発のスピードアップがものづくりにおける決定的な要因となり、その重要性を増しています。このような状況のもとで、製品アイデアを最初に形にする試作プロセスをいかに効率的に行うかが大きな課題となりつつあります。

こうしたものづくりに関するソリューションを提供できるのは、高い技術を必要とする多品種少量生産型の事業形態を有する企業群であり、京都にはそれがあります。こうした背景から、効率化・高付加価値化が可能で、製品開発の上流工程に位置し、技術情報や企業・業界の開発動向をキャッチしやすい「試作」が、京都の新たな産業を形成していく高いポテンシャルをもつものとして注目されるようになってきました。


□試作産業プラットフォームの形成
産業としての試作は、ものづくりの共通の基礎を担うものであり、京都の次代産業の牽引力ともなります。 このポテンシャルを現実のものとしていくためには、その中心となるエンジンが必要となります。 このために、試作産業プラットフォームを構築し京都が試作産業の一大拠点となる礎を築きたいと考えています。

このプラットフォームの構築により、オール京都による支援を効率的に集約するとともに、個々の連携企業の営業機能を代行し、一本化された窓口組織として試作の受発注や機密保持などを行い、いわばオール京都のバーチャル工場として大きなプロジェクトの一括受注も可能となります。

□ものづくり企業群が、試作産業プラットフォームに結集し、高品位のソリューションサービスで応えます。  

プラットフォームの具体的な形として想定されるのは、地元大手有力企業やファンド、試作を担当する連携企業によって設立運営される「京都試作センター(仮)」です。 このセンターにより、管理コストや開発コストが大幅に軽減でき、小口の生産発注も可能になるなど、自前リソースの負荷を一定に保つことにも活用できます。

このような機能を担うセンターは、民間企業の柔軟性と公益法人の公共性を併せ持つ新しいコンセプトの組織である「ソーシャルエンタープライズ(社会的企業)」と言える事業体として自立的な事業運営を目指します。

また、このセンターの活動を支援し、京都における試作産業の発展を推進していく産学公による、オール京都の組織「京都試作産業推進会議(仮)」を設立し、京都の試作サービスを高品位の「京都ブランド」として確立すると同時に、独自の運営方法とあわせて、「京都モデル」として、全世界に発信していくこととなります。