わが身世にふるながめせしまに

古き良きもの放蕩三昧・・・したい。

「十二夜」(新橋演舞場)

2009-06-14 14:24:22 | 歌舞伎三昧
ロンドン公演を経ての凱旋公演。見逃した初演ではなかなか厳しい批評にさらされていたような記憶がありますが、さすがにロンドンまでもってくのにあらためて練られ、きっといろいろこなれてきているだろう、という期待値で拝見しました。

なによりまず、キャスティングがいいですよね。今この役がやれるのは菊ちゃんしかいないでしょうし、時蔵さんや錦之助さんも美しいし、亀次郎さんはおいしいし、左團次さんもはまっているし。

菊之助くんの演技はすがすがしく、とても好感持てます♪小姓の格好での女っぽいせりふもとてもかわいらしく♪ 早替わりもとてもスムーズにやっていましたが、唯一、最後ハッピーエンドで舞台にあがるところは、「ザッツニッポンの女形」として超美しく登場してほしかったけど、早替わりのせいか小姓の顔のままで姫になっていたようなのが残念でした。

特筆すべきは亀治郎さんです。うまい!面白い!通常、うますぎて(やりすぎて?)浮き気味になるところ、今回はちょっと異質な役回りでその浮き加減がちょうどいい塩梅でした。彼の小細工的芝居がどれだけ笑いを誘ったことか。舞台のスパイスになっていたように思います。

残念なのは歌舞伎としての間や形がいまひとつ不完全なこと。何かと比較のスタンダードになる「研辰」は歌舞伎の間を感じられたように思うのですが、こちらはほとんど蜷川さんの現代芝居の間。そのせいで早替わりしてでてきたとき、拍手のタイミングすら観客に許していないように思います。イタリアオペラも日本の歌舞伎も、そういう観客とのつながりや共有の間をずっと大切にしてきたと思うし、それは今後も続いてほしいなぁ、、と。

音楽が妙に西洋的なものがずいぶん入っていましたが、不要、むしろ邪魔だったのではないかと思います。また、正直なところストーリー展開や一部の演技にイタイところもありましたが、着眼点は面白いし、いい役者も揃っているので、ますます練られることを願っております♪もっと「歌舞伎」になっちゃってください~


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