わが身世にふるながめせしまに

古き良きもの放蕩三昧・・・したい。

明治座 五月花形歌舞伎

2011-05-21 14:25:32 | 歌舞伎三昧

久しぶりの歌舞伎♪ 師匠が行けなくなったチケット救済だったのですが、行きたかったからちょうどよかったです。

地下鉄浜町駅をあがると緑のエリアが。気持ちのよい空間ですね。明治座ははじめて来たんです。お客さんの着物の着方がやたら通な感じに見えました。

さて舞台のほう。義経千本桜では亀治郎さんがとっても子狐っぽくてかわいかったです。早替わりが楽しい舞台ですが、このお方の身体能力はやっぱりすごいなと思います。静ちゃんがもすこしかわいいとよかったな。

蝶の道行は過去に見たものの印象よりも妖艶で・・こんな色気のある演出ははじめてでした。染五郎さんと七之助ちゃんが美しいので、なおさらそう見えるのですね。ありきたりのものではないチャレンジが、いかにも花形歌舞伎っぽくてよいです!(後で師匠にきいたのですが、この演出自体は梅玉さんのときと同じものだそう・・・でも全然印象が違うというのは面白いですね)

封印切では、勘太郎くんの忠さんも七之助ちゃんの梅川ももちろんよいのですが、染五郎さんの八つぁんがいやーな奴でこの演技が話を引き立てましたね♪今回染五郎さんは義経・助国・八つぁんと違う役どころを演じたのですが、それぞれとーてもよかったです。

とても面白かったのでまだの方はぜひ行ってみてください!


歌舞伎座 カムバック!

2010-10-16 12:20:27 | 歌舞伎三昧
前回記事のタイトルは単に本の題名だったのですが、ちょっとセンセーショナルだったのか普段にないヒット数になっていてびっくりしました。。。

さて、最近歌舞伎に行っていないことに気づきました。あの長ーいサヨナラ公演でお金を使い果たし、内容的にも豪華すぎてお腹いっぱいになったせいもあるのですが、やっぱり私にとって歌舞伎の楽しみは歌舞伎座とセットになっていたのかなと思います。歌舞伎座に行くわくわく気分。歌舞伎座公演に対して演舞場は何をやるのかな、歌舞伎座と比べて地方では何をやるのかなという見方。もしかしたら味気ないビルになってしまうのかもしれないけど、やっぱり早く歌舞伎座が帰ってきてほしいです。

これまで何度か海外での仕事を考える機会があったのですが、ここ数年の結論は「私はオペラと歌舞伎が観られる都市に住んでいなければいけない」。歌舞伎を観ていない自分に気づいたところに同年代の同僚が香港に異動になって、物思いにふける秋ではあります。

五月花形歌舞伎(新橋演舞場)

2010-08-06 23:33:58 | 歌舞伎三昧
暇にまかせて過去のブログを読み返していたら、5月の観劇記録をすっとばしていたことに気づきましたので、ちょっとメモを残します。

5月も昼夜行きました、演舞場に。昼は勘太郎さんの吉野山(忠信)と染五郎様のお祭り(鳶頭)がかっこよく、夜は海老様の助六が超がつくほどかっこよかったです。。。花道に出てきたときに、あまりの美しさに客席がどよめきましたよ。前の月の歌舞伎座豪華キャストに比べては可哀想というものですが、助六だけはお父様に負けてなかったでしょう。

と、3ヶ月近くたった今でも鮮明にそれぞれのいい男っぷりが思い出せるほど、素敵な公演だったということですね♪

あぁまた歌舞伎見たくなってきた。八月演舞場にいくなら四谷怪談かなぁ・・

最近の観劇記3

2010-05-15 22:50:05 | 歌舞伎三昧
★歌舞伎座さよなら公演
三月
第二部「筆法伝授」「弁天娘女男白浪」
第三部「道明寺」「石橋」

四月
第二部「寺子屋」「三人吉三巴白浪」「藤娘」
第三部「実録先代萩」「助六由縁江戸桜」

本当にさようなら~涙)これだけ豪華絢爛の配役を1年も見慣れてしまうと、これからの喪失感がこわいです。

興業の一番最後に板にのってたのは(*閉場式を除く)助六を見送る揚巻、つまり玉三郎様だったのですねぇ。。。

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さてこのところ、仕事が忙しかったような気もするのですが、結構な数の観劇でした・・汗)それもほぼすべていい印象が残っているんだからラッキーです。

これからも迷わず見続けます♪

壽 初春大歌舞伎 夜の部(歌舞伎座)

2010-01-31 20:06:26 | 歌舞伎三昧
急な出張やら課題満載のプロジェクトやらでいっぱいいっぱいの1月だったのですが、先週末は歌舞伎座夜の部へ。

菅原伝授手習鑑 車引:幸四郎丈と吉右衛門丈の敵味方にわかれた兄弟対決が圧巻。お二方とも大きくて存在感あり、次の代でこんなふうに演じられる役者さんってちょっと浮かばないなぁ・・・

京鹿子娘道成寺:このブログの記録によれば、去年の初春公演では勘三郎さんの鏡獅子だったんですね。全体に切れのある踊りは健在です。道成寺はどうしても玉様バージョンの「世俗から離れた」踊りの印象がつよいのですが、勘三郎さんの踊りはもう少し現実に近い娘のイメージです。

与話情浮名横櫛:染五郎丈の与三郎、かっこよすぎです♪前半のなよっとしたボンボン役も、ゆすりたかりに身をやつした後半もはまっています。福助さんのお内儀も艶っぽくてよかったです! 与話情というとどうしても玉様*仁左様の配役が脳裏をよぎるのですが、これからはこのコンビでしょうかね~

夜の部だけでも大満足。行ってよかった(涙)

六月大歌舞伎 夜の部(歌舞伎座)

2009-06-20 21:02:52 | 歌舞伎三昧
夜の部は、高麗屋さんの金太郎ちゃん襲名から♪4歳の金太郎ちゃんの健気な姿はかわいかったし、近しい人に囲まれた口上もほのぼのと温かでした~。25名の地方さんも四つ花菱の紋の裃で高麗屋一色の舞台です。

幸四郎丈と染五郎丈の獅子がかっこいいのはいうまでもないのですが、三代の獅子の図はさらに壮観ですね。金太郎ちゃんも、がんばって毛振りしてましたよ♪

今回はなんと師匠のおかげで1列目のお席!染五郎丈の毛振りを間近で拝見してしまいました~ 私のツボである前髪の跳ね上がる様も健在でした。

幡随長兵衛は吉右衛門さんの親分ぶりと仁左衛門さんのイチモツもった殿様ぶりがよかったです。仁左衛門さんは色男も色悪も、よいお殿様に悪いお殿様、つっころばしから意地悪女形まで、守備範囲が広いですねぇ~

6月は仕事も忙しかったけど、歌舞伎もいっぱい見ました♪7月はちょっとお休みかな。

「十二夜」(新橋演舞場)

2009-06-14 14:24:22 | 歌舞伎三昧
ロンドン公演を経ての凱旋公演。見逃した初演ではなかなか厳しい批評にさらされていたような記憶がありますが、さすがにロンドンまでもってくのにあらためて練られ、きっといろいろこなれてきているだろう、という期待値で拝見しました。

なによりまず、キャスティングがいいですよね。今この役がやれるのは菊ちゃんしかいないでしょうし、時蔵さんや錦之助さんも美しいし、亀次郎さんはおいしいし、左團次さんもはまっているし。

菊之助くんの演技はすがすがしく、とても好感持てます♪小姓の格好での女っぽいせりふもとてもかわいらしく♪ 早替わりもとてもスムーズにやっていましたが、唯一、最後ハッピーエンドで舞台にあがるところは、「ザッツニッポンの女形」として超美しく登場してほしかったけど、早替わりのせいか小姓の顔のままで姫になっていたようなのが残念でした。

特筆すべきは亀治郎さんです。うまい!面白い!通常、うますぎて(やりすぎて?)浮き気味になるところ、今回はちょっと異質な役回りでその浮き加減がちょうどいい塩梅でした。彼の小細工的芝居がどれだけ笑いを誘ったことか。舞台のスパイスになっていたように思います。

残念なのは歌舞伎としての間や形がいまひとつ不完全なこと。何かと比較のスタンダードになる「研辰」は歌舞伎の間を感じられたように思うのですが、こちらはほとんど蜷川さんの現代芝居の間。そのせいで早替わりしてでてきたとき、拍手のタイミングすら観客に許していないように思います。イタリアオペラも日本の歌舞伎も、そういう観客とのつながりや共有の間をずっと大切にしてきたと思うし、それは今後も続いてほしいなぁ、、と。

音楽が妙に西洋的なものがずいぶん入っていましたが、不要、むしろ邪魔だったのではないかと思います。また、正直なところストーリー展開や一部の演技にイタイところもありましたが、着眼点は面白いし、いい役者も揃っているので、ますます練られることを願っております♪もっと「歌舞伎」になっちゃってください~


六月大歌舞伎 昼の部(歌舞伎座)

2009-06-14 13:49:03 | 歌舞伎三昧
女殺油地獄を仁左衛門丈が一世一代で勤めるということで話題の昼歌舞伎。そりゃあやっぱり見とかなきゃ。

それ以外の演目はあんまり気が進まなかったこともあり、昼過ぎの舞踊「蝶の道行き」からの観劇です。福助さん梅玉さんの踊りは危なげなく、見ていて安心♪引き抜きあり、衣装替えありでエンタメ性もそこそこ。まぁ踊り自体そんなに派手なものではないので、予想通りな感じです。

さて、期待の女殺。正直なところ、一世一代の気合は感じられたものの、やっぱり与平をやるには仁左衛門さんではすでに貫禄や人間の成熟味がありすぎる感が・・・前回見た染五郎丈の印象が強いせいもあると思いますが・・・

もっとも「一世一代」にかける舞台とは、実際にはそのピークの時代を過ぎたものの、芸の円熟と気迫で演じられるもの。それを見てピークの時代に思いを馳せるもの。「一世一代」はまわりからも望まれないとありえないものなので、これまでの功績は間違いないといえましょう。

たとえば、いずれ幸四郎丈一世一代の「ラマンチャ」や「勧進帳」がかかるときもあるかもしれません。

そんな役者の一生とか、芸の道のり、はたまた凡人の仕事生活のことなど、思いをめぐらせながら拝見しました。私の場合、いつか「一世一代の開発」とか「一世一代のプロジェクト」なんてのがあるのかな。引退前にそんなイベントがあってもいいかもね。

五月大歌舞伎 夜の部(歌舞伎座)

2009-05-10 00:02:53 | 歌舞伎三昧
このGWはやや乱心気味。消化しきる前に次のイベント・観劇に突入している感。

そして歌舞伎。五月の歌舞伎座といえば團菊祭のはずですが、今回はその冠がありません。菊五郎丈は昼夜出ていますが、團十郎丈が夜だけだからでしょう。体調お悪いのでしょうか。昼には芝翫丈、富十郎丈の重鎮の舞踊でバックアップです。客入りはどうなのかなーと思いながら前日にウェブ松竹見たら3階良席がとれたので、夜の部に行ってきました。

実際行ってみると若いお姉さんたちがいっぱい!海老蔵さん、菊之助さん、松緑さんが揃って出ていることを忘れてた・・・そうか世の中的にはこっちの注目度高いよね。実際舞台を見ても、彼らのほうに目がいきます。旬なんですよね。

「毛剃」では、やっぱり花魁姿の菊ちゃんが美しいねぇ。華があります! 「神田ばやし」の素朴なお話に、意外な配役の海老さま。しみじみとよかったです♪ 思いのほか「鴛鴦襖恋睦」で海老蔵さんと菊ちゃん、ちゃんとお稽古しているのね~という感じがしてうれしくなりました。おしどりの精として踊るところで、二人で息を合わせてシンクロさせようという気持ちがよく表れていたのです。たいへん好印象でした♪これからもどんどん芸を磨いていっていただきたいものです♪

さくっと気楽な観劇でした~。GWはこれで打ち止めかな。ラ・フォル・ジュルネのバッハを逃したのが心残りだけど、勢力的に動いていっぱい感動して、硬くなっていた脳がずいぶんと耕されました♪

四月大歌舞伎 夜の部(歌舞伎座)

2009-04-18 23:58:15 | 歌舞伎三昧
行けるだけ行こうと決めて通っている歌舞伎座♪今月は夜の部のみ。

今回の私的メインは「廓文章 吉田屋」。玉三郎様&仁左衛門様です。仁左衛門さんのお店のボンボン役のなよなよ感も、秀太郎さんのお上もとっても「らしくて」よかったのですが、玉三郎様が登場したところで全部持ってかれました!!!う、美しい・・・。黒地に梅柄の打ちかけで登場したあと、ハッピーエンドのシーンで赤地の打ちかけを羽織ったところで客席がどよめきました♪赤が鮮やかだったせいもありますが、多分、柄も鳳凰(=歌舞伎座)だったのではないかと思います。きっと衣裳の総重量は相当重いんだろうなー。でもイチイチ形がきまっていて、全てのアングルで美しかったです。

「彦山権現誓助剣 毛谷村」は誠実な剣士の吉右衛門さんとその恩師の娘のおちゃめな福助さんとの即席夫婦ぶりがおもしろかったです。きっと今、この役は福助さんしかないですね。

「曽根崎心中」は初めて見ました。上方歌舞伎は全般的に今ひとつ入りこめないのですが、さすがに代表作はちゃんと見とかなきゃねということで。簡単に言うと、男が悪者にハメられた日の夜に二人で死ぬことにしてしまうというなんとも猪突猛進型心中のお話です。その切迫感に入り込めるときっと同情できるんだろうなぁ・・・(やっぱり入り込めなかったんだけど・・)

余談ですが、先週のオペラが今朝まで尾をひいて頭の中でグルグルしていたのですが、歌舞伎にいくのにちゃんと切り替えたいなーと思って午前中はバッハをきいてデフォルトに戻しました。これが効果あるんです。本当、バッハは私にとってのリセットスイッチです。