建物外観は、黄色いサーカスのテント、といった感じです。
内部は撮影禁止だったので残念ながら写真はここまで。
エントランスに入るとそこはコンサートホールというよりはスポーツのスタジアムのような広さです。実際、このホールをお手本にしたという東京のサントリーホールと比べてもかなり広くて印象が違います。
この公演はどこかの企業の関係の催しなのか、はじめに何人かの挨拶がありました。うち、最後の一人のお話がかなーり長くて、最後にはほとんど抗議の拍手が巻き起こるほど。観客による、なかなかスマートな、ウィットのある抵抗表現でした。拍手の威圧で最後はかなり巻きが入ったように思います。
やっと始まった演奏では、オケもあの長いご挨拶にぐったりしてしまったのかな、と思わせる1楽章のまとまりのなさ!やっぱりベルリンフィルじゃないとこんなもんなのかな・・とがっかりしていたところ・・・・2楽章で見事に集中を取り戻してくれました♪ 本当に素晴らしかったです。あーよかった。続きはその勢いで無難にこなし、ついにお楽しみの終楽章に流れ込んでいきます。歓喜の歌では途中鳥肌モノの瞬間が何度かありました♪
オケはかなり若いメンバーで占められたように見えたので、「のったら、すごい」というタイプなのかもしれません。このオケの本拠とするホールではもう少し金管が響かないのかな。バランスが悪かったことが少し残念でした。
他のオペラの印象と同様、合唱も声量があるんですね。特にソプラノ。うねることなくぶら下がることなく、まっすぐに天空に届くような素直な声で、かつ大きくはっきりと響きます。ドイツの教会での合唱に通じるものがあるように思いました。
ダニエル・バレンボイムが言うように「バッハやベートーヴェンは、ドイツ人でないと演奏できないわけではない」ということは重々承知しているのですが、ミーハーな私としては、「ベルリンで、フィルハーモニーで第九をきく」というひとつのイベントをお気楽に楽しみ、満喫しました♪
フィルハーモニーは旧西ベルリン側に位置しており、ティア・ガーデンという広大な公園に面しています。また別の通りにはソニーセンターの高層ビルが面しています。ソニーとカラヤンという連想からは、CD(コンパクトディスク)の75分という収録時間の標準を決める際、「第九が収まる時間」というカラヤンからの提案をソニーの大賀氏が推し、決定したという逸話が思い出されます。ソニーセンターがここに建設されたのがその前なのか後なのか知りませんが、デジタル音楽の歴史もここからはじまっているのかな、と勝手な想像をはせた、ベルリン最後の夜でした。