
久しぶりのブログですね。
最近読んだ「蟹工船」の感想を。
格差社会の拡大というものが存在するのかどうか疑問ですが、ともあれそういった風潮の中で最近よく読まれている小説です。
蟹工船という一つの空間の中で、搾取される労働者がやがて団結にいたる、という物語で、この“搾取”というくだりが現代に通じるということなのでしょう。
単純な労働がいかに人を疲弊させるのか、ということについては僕も(経験上)分かっているつもりです。
しかし、問題はこれが「労働者は団結するべきだ」「団結すれば良くなる」という程シンプル(それが幻想だとしても)に思えない時代に我々は生きているわけです。
“格差社会”というものは、昔から存在したと僕は思いますが、その中に生きる人は、この小説にあるような方法では希望が持てない。
そういう時代なんだなと再認識した小説でした。