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青山の昼と千駄木の夜

都内会社員の日記です

蟹工船 小林多喜二

2008-09-11 23:21:47 | 書評

久しぶりのブログですね。
最近読んだ「蟹工船」の感想を。


格差社会の拡大というものが存在するのかどうか疑問ですが、ともあれそういった風潮の中で最近よく読まれている小説です。

蟹工船という一つの空間の中で、搾取される労働者がやがて団結にいたる、という物語で、この“搾取”というくだりが現代に通じるということなのでしょう。


単純な労働がいかに人を疲弊させるのか、ということについては僕も(経験上)分かっているつもりです。
しかし、問題はこれが「労働者は団結するべきだ」「団結すれば良くなる」という程シンプル(それが幻想だとしても)に思えない時代に我々は生きているわけです。

“格差社会”というものは、昔から存在したと僕は思いますが、その中に生きる人は、この小説にあるような方法では希望が持てない。

そういう時代なんだなと再認識した小説でした。

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