サイコロにもてあそばれる日々

統計学に関連する内容を備忘録代わりに書いていきます。

ArlequinのOptionメニュー解説

2011-06-25 15:01:53 | 日記
集団遺伝学データ解析のための統合ソフトウエアパッケージ
Arlequin(2011年6月現在の最新版は3.5.1.2)
の"Option"メニューはユーザーズマニュアルにあまり説明が載っていません。(p.52,53にちょろっとある程度。)
Arlequin ConfigurationタブでもOptionメニューとほとんど同じことができ、
その説明はユーザーズマニュアルp.58,59にあります。
ただ、両者の解説を見てもわからないことはあります。
そこで、OptionメニューとArlequin Configurationタブの内容を、私が把握している範囲で解説をしたいと思います。

XML Output
チェックを入れると、出力ファイルの形式がXMLになります。
チェックを入れないと、HTMLファイルで出力されます。
R-lequinを使って出力ファイルにグラフを追加させるには、必ずチェックを入れてください。
R-lequinの使い方は前回書きましたので、ご覧ください。

Append results
チェックを入れると、一つの入力ファイルに二度、三度…と解析したとき、結果を出力ファイルの末尾にどんどん付け加えていきます。
チェックを入れないと、解析のつど結果が上書きされていきます。

Compute statistics within groups
チェックを入れると、Structure Editorで分類した各グループの分子多様度指標(ヘテロ接合度など)やグループ間F統計量を計算します。
この選択肢の影響を受けるのは、現時点で把握している限りでは、SettingsタブのMolecular diversity indicesとPopulation comparisons及びPopulation differentiationです。(2012年3月14日追記)

Use associated settings
チェックを入れると、入力ファイル(拡張子は.arp)と同じ名前で拡張子が.arsのファイルが作成されます。
.arsファイルにはSettingsタブの設定状況が保存されます。
次回.arpファイルを読み込むと、.arsも読み込まれ、前回の設定状況が復元されます。
(.arpファイルを読み込むと直前の設定状況は破棄されます。)
入力ファイルごとに違う解析をしたい場合に有効です。
いくつもの種類の遺伝マーカーを併用する方には便利な設定だと思います。
チェックを入れないと、どの.arpファイルを読み込んでも直前の設定が引き継がれます。

Keep AMOVA null distributions
チェックを入れると、AMOVAの計算過程で発生させるnull distributions(ゼロ分布?)が出力されます。
入力ファイルと同名で、拡張子が.va, .vb, .vc, .vdのファイルが出力されます。
null distributionsは有意差検定に用いられます。
Excoffier et al (1992)のFigure 5も参照してください。

Prompt for handling unphased multi-locus data
この選択肢を私は使わないので、はっきりとしたことは言えませんが、マニュアルによると、
配偶子相(gematic phase)が不明な場合にELBアルゴリズムを用いてgematic phaseを推定できるようです。
SettingsタブのHaplotype inference>ELB algorithmと深い関係があるようです。
マニュアルのpp. 53, 56, 57, 74-75, 132-135を参照してください。

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