「ふたつのFUJIをつなぐ歯車（ギア）」《静大フェスタ 「静岡の文化」展示品解説 （DVD-3）》

先に告知した通り、静大祭期間中に、人文棟B208教室で、私が関わった地域連携企画の記録DVDの上映会を開催します。
この頁は、作品解説その３です。

18日10:15～12:15
　「ふたつのFUJIをつなぐ歯車（ギア）～静岡名物!?　時計とオルゴール」

DVD表

DVD裏

細かいことはページを改めて書こうと思いますが、09年度の「静岡の文化」では、私の教員歴に太書き大書されるべき大きな成果がいくつもありました。
そのひとつは、「その2」で紹介した森田鶴堂ですが、もう一つ、様々な人々への影響という意味で更に大きかったのが、この、「二つのFUJI」です。

戦後まもなく、長沼の、現在、バンダイホビーセンターと、科学技術高校がある大きな敷地に時計工場がありました。「富士時計」です。しかしそれは、あっという間に解散してしまいます。
そこで作られたのが、“フェニックス”。
解散直前には、オルゴールも作っていました。

そこから生まれたのが“フジ・オルゴール”。
オルゴールは、静岡・清水を代表する輸出産品になりましたが、変動相場制になったころから一気に売れなくなり、この会社も無くなりました。

しかし、この二つの会社に関わった人たちは、戦後静岡の精密機械産業を牽引した人々でもありました。
まさに、知る人ぞ知る、静岡現代史の一駒です。

授業では、学生チームが時計班・オルゴール班にわかれ、沢山の人にインタビューし、資料をまとめました。
最終発表会は、11月28日、嘗て工場があった場所に建ち、静岡の未来の物作りの担い手を送り出している県立科学技術高校の視聴覚室をお借りして開催、老いてなおお元気な元従業員たちが大勢集まり、同窓会のような雰囲気になりました。
この模様は、SBSテレビでも放送されています。


上演するDVDでは、学生たちの発表はもとより、沢山の人たちにご提供いただいた展実物や、当日集結された皆さんの様子もご覧いただけます。

なお、このDVD完成からまもない、翌年3月に、この“物語”の主人公であった平田長蔵さんが亡くなられました。DVDをお持ちした日は、既に体調がすぐれず、お会いすることができませんでしたが、後日、このDVDを嬉しそうにご覧になっていた事をうかがい、ほっとしたことを記憶しています。

DVDケース内掲載の、会場風景写真

勿論入場は無料、出入り自由です。
是非ご覧下さい。



＊当日はDVD上映の他、フェニックスを2点、未組み立て部品、フジ・オルゴールの実物など、様々な関連資料を展示する予定です。

＊大学の予算で作成したため、DVDの販売はありません。附属図書館でいつでも視聴可能です。