コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。

葵文庫のことども(4)講演計画

2005-07-13 20:30:39 | 
やっぱり『本道楽』ははずせないと思うんですよ。

講演のタイトルは『駿河版銅活字と静岡の出版文化』です。
で、60分。
翻訳コンクール関連イベントなので、私だけちょっと、ずれますがご容赦。

県内には、今川文化に属する印刷物もあるそうです。
しかし、近代的な、外来文化を取り入れた印刷として、駿河版の重要性は揺るぎようがありません。
そこから始まる静岡の印刷文化は、どこへ行ったのでしょう。
それを考えることは、実は、駿河府中・静岡という、地方都市の文化史そのものと、とても深く関わっているのですよ。

てなわけで、9/12の講座では、期間中に展示しない物も含めて、実物をご覧に入れながら、静岡印刷文化史をたどるつもり(四百年を60分で)。

採選亭の木活字、雁金屋の貸本目録は既におなじみです。
あと、蓬莱楼の錦絵も出しましょうよ。
そこから、蘭字を経て、静岡版画への流れを話したいし。
そうしたら、県立図書館にはないけれど、二丁町細見の話もしないとなぁ。
俳書の印刷、寺社の絵図もありますね。

『西国立志編』だって、最初は静岡の地方版です。そういう話を。

で、地方の印刷・出版文化の極み、静岡の誇りが、『本道楽』だろうと。はずせませんよね。

戦前、或いは戦後暫く、静岡の民間による地方史研究、文化史研究のレベルは信じがたい物がありました。
関われば関わるほど、その奥深さに頭が下がります。

研究だけではなくて、多分、文化都市として、ちゃんと生きていたんだと思います。

今を、どう考えるか、というのは、必要なことだけれど、私には荷が重い。
ただ、そういう素晴らしい物が存在したことを、みんなに知って欲しいと思ってます。

そこから、もう一度、「静岡の文化」を考えられたらいいな、と。


事前に御意見募集。
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2 コメント

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Unknown (ラッカー)
2005-07-13 22:27:21
戦前の、静岡の民間による地方史研究、ほんとすばらしいと思います。

貴重な史料を後世に伝えるために有志で研究会が組織され、発行された本が多いですね。『本道楽』しかり、法月俊郎や柘植清らの静岡郷土研究会「東海文庫」、飯塚伝太郎らの志豆波多会「駿河叢書」なども。

頭が下がります。是非、今一度盛り上げたい。
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Unknown (Unknown)
2005-07-14 00:00:46
古本を引き取りにゆくことになりました。

『静岡県印刷文化史』にその名がある印刷所です。

なにがあるのか全く見当がつきません。

またしても「因縁力」は働くのでしょうか。
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