99.9%以上、何の数字かご存じだろうか。実はゴマの全消費量に対する輸入品の割合である。つまり大半というかほぼ全量が輸入品で、自給率は僅か0.1%にも満たない状態だ。反して危機感は非常に薄いようで、憂えるような声は皆目聞かない。こうした国状に義憤を感じ、一人孤独な反抗を続けているのが「長老」であろう。僅かな面積だが、毎年ゴマの栽培を続けている。ご存じの方は少ないかも知れないが、ゴマの栽培は人手が掛かって機械化が困難な作業であり、反して収益性は高いとは言い難い。農家が栽培から離れていくのも、ある意味当然かと。従って輸入先を見てみると、①ナイジェリア、②パラグアイ、③ブルキナファソ・・・・・と続いている。つまり人手が多くて人件費の安い地域や国で無いと成立しない栽培なのだ。ゴマは地味な食品だが、食生活に無くてはならない商品であろう。札束で購入できる間は良いのだが。
長老のゴマ畑を覗いてみた。真っ白い花が咲き、緑の実が付き始めている。5月前後に種蒔きした物が、既に1メートル前後の大きさとなり、晩秋の収穫期を待っている。この時期、発生しやすいのがカメムシやスズメガの幼虫である。とりわけスズメガの幼虫は巨大なイモムシで、苦手とする人々も多い。捕殺しか手段が無いようで、子狸もこの作業が嫌で栽培から遠ざかったのが実情。緑の実が付いているが、実はこの中に実際に消費する小さな実が詰まっている。収穫期を迎えたら刈り取って、中の小さな実を取り出さねばならないのだ。上述したように作業は全て人力、多くの労力を必要とする。少子高齢化の現場農家で対応出来るような作業では無いだろう。ゴマ油やゴマ豆腐或いはゴマ塩などお世話になる商品も数多い、栽培に従事なんて大層なことは望まないが、せめて消費する間だけでも自給率が0.1%にも満たないことを考慮して欲しいものと。
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