夜も白じんで来た、仲間達も満を持して待機しているに違いない。本日は定例の森の作業日なのだ。きつい肉体労働を、何故に楽しげに語るのかと疑問に思われるかも知れないが、一寸オーバーな表現をすれば「地球の改造を行っている」との自負と充実感によるものかと。「里山」が放置され荒廃して既に数十年、状況は年々悪化しているように思える。市街地まで山の獣たちが降りてきて、場合によっては衝突事故を引き起こすのが、その良い証拠だろう。かっては里山地帯が奥山と里との境界ゾーンとして機能していた。里山より奥は獣たちの住処、下手は人間の住処・・・・・と明確に区分されていたのだ。それが里山が放置され荒廃した結果、獣たちは境界線が不明となり里へと出没することに。有り難いことに里には美味しい食べ物がワンサカと存在する。奥山で暮らすより里で暮らす方が文明的な生活がおくれる・・・・・そう考えたのだろう。
里山倶楽部の先輩方は、ストップざ獣たち、と里山の復活に立ち上がった。我々はその理念を引き継いで、細々ながら活動を続けている。山の中腹にある「森の果樹園」がその現場なのだ。画像は過去年度のものだが、活動の一端をご紹介しておきましょう。傾斜のきつい山間部、果樹園としては採算が取れないだろう事は素人の我々にも解る。地主殿が短期で諦められたのも当然だろう。しかしながら果樹園として機能してくれれば、奥山と里との境界ゾーンは復活する。獣たちは奥山で、人間たちは里で・・・・・と明確な分離生活が可能なのだ。活動に意義あり・・・・・そう自覚しての肉体労働、苦痛に思えるはずが無いのでは。
労働の結果として、ご褒美の果実の存在もある。この時期は栗の実の収穫期、イノシシ達との競争ではあるが、どちらが先陣を切るかで争っている。いわばある種の「知恵比べ」、この闘争もある意味楽しい行事でもある。学校で教科書をマル暗記する能力とは異なった全身全霊の能力を要求される闘争、楽しく無いはずが無いでしょう。本日もその戦端が開始されるのだ。仲間達の活躍を期待しておこうと思っている。
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