木工作家と絵描きのgakubuti:diary

只今追い込み中!
木工作家Katsuと絵描きNobuのモノ作りをクリエイティブ?におとどけします。

じっくりと

2009-06-30 | 木工
失敗しました…

ウォールナットで作った片口、仕上加工中に縁が欠けました!
切れなくなった鑿で一差し。そしたら「キン!」と。
木でも器の形になったら欠けるんですね~…。

なるほど道具の手入れは常に必要だと。器つくりは特に。
まぁ当たり前ですけど。

ただいま作り直し中。
じっくり進めたいと思います。ハイ…。

お歯黒

2009-06-10 | 木工云々

以前UPした謎の液体の正体。
酢に錆びた鉄釘を浸けたモノで「鉄奬水」と書いて「かねみず」と読むそうな。
鉄分が酢酸に溶けた状態で専門的には「酢酸第一鉄」なる化合物だそうです。

昨日お見せした「栗汁」は栗の渋み成分「タンニン酸」を煮出したモノで、つまりタンニン汁。

でタンニン汁の「タンニン酸」と鉄奬水の「酢酸第一鉄」反応すると「タンニン酸第二鉄」とさらに怪しいものになります。
これは何かと言うと実は「お歯黒」。あの歯が黒くなるヤツ。

本来のお歯黒は「五倍子(ふし)」と言うタンニンの塊のような物体(白膠木の木に寄生したアブラムシによって出来た瘤…ってなんだ!?)を使う様ですが…。

で、Katsuが何がしたいかと言うと「木を黒く染めたい」です。
昨日、栗汁を塗ったタモの器にさらに鉄奬水を塗ってみました。

黒くなったー!
成功です!
この後、漆などで上塗りして更に黒が引き立つハズ。
タモにはタンニンがあまり含まれてないので、事前に栗汁でタンニンを染み込ませたワケです。

控えめな木目や硬すぎない加工性などタモは好きな材ですが、器として仕上げた時にいまいちボケた感じなってしまいます。
この「お歯黒染め」はタモの木目や表情を器として生かす手段として有効だと思います。

ねっ!良いでしょ!(自己マンが多分にありますが…)


鉄奬水も仕込んでニヶ月目。
良い感じに熟れて来たのか発色が良くなって来たように思います。

え~んじゃね~♪

これも試作。

…ただ個性を出すのは難しいですね。
もう少し時間があるし、いろいろやってみたいと思います。

あっ!告知まだでした!
とりあえず秋にお披露目予定です。
詳しくはまた!

更なる実験

2009-06-09 | 木工
器の試作が続いてます。
しかし器作り、疲れます。
慣れてないのもありますが丸鑿で削りまくる体力勝負で、さらに失敗が許され無いシビアさ。
まるで修行のようです。
こればっかやってる人ってスゲーな~…。

さて仕上の実験も平行して進めております。
また怪しい黒い液体が…
これは栗の木屑を煮出した汁です。
名付けて「栗汁」!笑
渋のようなニガイ臭いがします。

さて「栗汁」塗ってみましょ~!

今回はタモで作った丸鉢と片口に塗ってみます。

塗ってみると~…

あんま変わらん!
黒い液なのに濡れ色になるだけ。乾くと元にもどっちゃいます。
ちなみに二度塗ってみました。

しか~し!
これで下準備完了!

明日、劇的な変化を迎えるのでした!!
乞うご期待!
ジャジャン♪

よ~やく、でけた!

2009-06-04 | 木工
ホントようやくです。
どんだけ時間掛けとんねん!です。反省…

でも良いモノを作ってる。ちゃんとした仕事をしてる。
と折れそうな心を奮い立たせ、遂に!完成!

いわゆるフルセットのロッキングチェア。オットマンとヘッドピロー付き。
構造も高さ以外の寸法も以前作ったロッカーと同じですが、こっちの方がスラッと美人ですね。
施主の好みもあり、角を立てないデザインも関係してるんでしょう。


この肘がね~…一番時間が掛かった部分なんすよ。一回作り直してるし(泣)。
でも画像が分かり難い…あぁ~。


アールを描く前貫は座面とくっ付いてるようですが、まったくの別部材。
接合も嵌めてるだけでボンド等で固定はしてません。
…って意味分かんないですね。要は組み立て時のクリアランスとる部分。自己満足です。


スピンドルは背中のアールに合うように削り出してます。


今回一番気に入ってるのがオットマン。ディテール凝りまくりです。
しかも図面描かずに一気に加工しました。
頭の中に完成形が完全に見えていたんですね。奇跡です。


ヘッドピローは本革の手縫い。しかも自分で!
人間切羽詰るとなんでも出来るもんです。


もうホントギリギリな感じでようやくの完成。
もちろん手抜きはしてませんが正直余裕がなかったです。

別に施主に急かされてとか後ろ暗い事があった訳ではなく、このあとのスケジュールが波のように押し寄せて来てるからなんです。
その辺は次回にでも。


でも我ながら、この椅子ええな~。
いつか自分用にほしいな~…。