木工作家と絵描きのgakubuti:diary

只今追い込み中!
木工作家Katsuと絵描きNobuのモノ作りをクリエイティブ?におとどけします。

お歯黒

2009-06-10 | 木工云々

以前UPした謎の液体の正体。
酢に錆びた鉄釘を浸けたモノで「鉄奬水」と書いて「かねみず」と読むそうな。
鉄分が酢酸に溶けた状態で専門的には「酢酸第一鉄」なる化合物だそうです。

昨日お見せした「栗汁」は栗の渋み成分「タンニン酸」を煮出したモノで、つまりタンニン汁。

でタンニン汁の「タンニン酸」と鉄奬水の「酢酸第一鉄」反応すると「タンニン酸第二鉄」とさらに怪しいものになります。
これは何かと言うと実は「お歯黒」。あの歯が黒くなるヤツ。

本来のお歯黒は「五倍子(ふし)」と言うタンニンの塊のような物体(白膠木の木に寄生したアブラムシによって出来た瘤…ってなんだ!?)を使う様ですが…。

で、Katsuが何がしたいかと言うと「木を黒く染めたい」です。
昨日、栗汁を塗ったタモの器にさらに鉄奬水を塗ってみました。

黒くなったー!
成功です!
この後、漆などで上塗りして更に黒が引き立つハズ。
タモにはタンニンがあまり含まれてないので、事前に栗汁でタンニンを染み込ませたワケです。

控えめな木目や硬すぎない加工性などタモは好きな材ですが、器として仕上げた時にいまいちボケた感じなってしまいます。
この「お歯黒染め」はタモの木目や表情を器として生かす手段として有効だと思います。

ねっ!良いでしょ!(自己マンが多分にありますが…)


鉄奬水も仕込んでニヶ月目。
良い感じに熟れて来たのか発色が良くなって来たように思います。

え~んじゃね~♪

これも試作。

…ただ個性を出すのは難しいですね。
もう少し時間があるし、いろいろやってみたいと思います。

あっ!告知まだでした!
とりあえず秋にお披露目予定です。
詳しくはまた!