コージはあずさを愛している/Koji Loves Azusa

小説「On The Road Part2 & 3」とリック連作
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翌日-39 コージ

2010年09月15日 07時00分00秒 | 翌日/TheDayAfterWeLoved
 アネキのマンションのまえに車を停めて電話をしたら、すぐにお母さんが下りてきた。アネキは下りてこないで2階から手を振っている。お母さんはなでしこに豚汁を持ってきてくれたときみたいに、大きな袋に鍋を入れている。でも、荷物はこれだけだ。
 「買い物して帰る?」と僕が聞いたら、「お刺身でも買って行こうか?」とお母さんが答えた。ご飯は7時に炊けるようにセットしてきたし豚汁もあるから、お刺身ならすぐに晩ご飯ができるんだそうだ。煮物とかサラダなんかは作ってきたらしい。
 「昼に行ったスーパーでいいね」と僕は車を出した。

 夕方のスーパーは生鮮食品はかなり品薄で、そのかわり20~30パーセントくらい値段が下がっている。「もっと遅くなると50パーセント引きなんてこともあるのよ」とお母さんが言った。そのころにはもっと品薄になっているだろう。選ぶ自由がないぶん値が下がるんだ。
 お母さんはエビとかトロとかアワビとかウニまで入ったお刺身のパックを手に取った。元は2500円の3割引。ウチのご飯にしては豪華だ。僕はカゴを持ってお母さんとレジに並んだ。「2500円の3割引になります」とレジの男の子が読み上げた。たぶん高校生だ。店のエプロンがかなり似合っている。



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