大阪府高齢者大学校 2013年度 考古学研究科

2013年度考古学研究科がスタートしました。
この一年を、楽しい学習の場にしていきましょう。

第1回の校外学習

2013年06月22日 | 日記
平成25年度 第1回の校外学習は、万博記念公園駅に集合して始まりました。行程は国立民族学博物館と上町断層の見学です。例年より早い梅雨のはじまりでしたが、雨に逢うこともなく爽やかな5月の見学会でした。



国立民族学博物館
 この博物館は、我が国における文化人類学と民族学の研究拠点となっており、世界の様々な生活文化を展示されています。
 世界各国の異なる環境のもとで暮らす人々が、長い歴史の中でつくりだしてきたものです。一万点という膨大な作品のすべてを理解することは不可能ですが、工芸的な美しさたくみさに魅せられただけでなくその背景にある環境・生活・世界観など自分の生活と対比しながら考え学ぶ場でもありました。

犬歯のビーズ 頭飾り(アマゾン)   奴隷をつないだ鎖(アフリカ)  連杯(台湾) アイヌ・イラクサ繊維 喪服(韓国) ダンダッシュの衣装(エジプト) ビーズ・象牙の腕輪(インドネシア)  トーテンポール(カナダ)   説教台(ラオス) 呪術用の像(コンゴ共和国)


  ええ? 地層が直立?


上町断層 直立した地層
  今日は、一日中校外学習ということで、午前中は万博記念公園内にある国立民族学博物館の見学、午後からは豊中市緑が丘に現存する上町断層(佛念寺山断層)の見学となりました。
豊中市西緑丘 閑静な住宅地の中に、縦筋模様の崖があります。砂礫と粘土の互層がみられます。上町断層(佛念寺山断層)の活動によって、ほぼ直立橈曲した大阪層群の露頭です。
 大阪層群は今から数万年~百数十年前の間に堆積した地層とされていますから、人類が誕生してからの時代(第四紀更新世中期~ )に発生した活動ということになります。
 この断層は、断層帯の東側から西側に乗り上げる逆断層ですが、ただずれるだけでなく垂直になるということは想像もつかないエネルギーが加わったということで自然の威力に戦慄を覚えます。
 上町断層帯は、佛念寺山断層・上町断層・坂本断層など数本の断層からなり、北は豊中市から岸和田市まで大阪府の中心部を南北に通過する断層です。この断層の上で私たちは生活を営んでおります。東北の大地震に続いて南海地震もいつ起こるか不安なこの頃です。
 この断層は30年以内に2~3パーセントの確率でМ7,5規模の地震発生の可能性があると言われています。気をひきしめて防災対策をたてなくてはならないと考えさせられました。
追記
   この露頭を含む土地が民間人によって破壊されることなく、永久に保存され、学術的   研究のみならず、防災教育や理科教育に役立てらることを願ってやみません。

 実物を見て・触れて・考える校外学習でした。            
                     
2013年5月30日 担当2班(K.T)