♪でっきるかな、でっきるかな…♪
…っていえば、かつてのNHKの教育テレビの幼児番組「できるかな」。
チューリップハットのノッポさんとぬいぐるみのゴン太くん。幼児向けの工作番組ですね。いつから始まったのかは知りませんが、最終回(90年3月)は偶然にも観ていました。
そのノッポさんは一言もしゃべらなかったんですが、最終回だけはしゃべっちゃいましたね。「あぁー、しゃべっちゃった」って言ったのを覚えています。けっこう話題になったようです。20数年番組やっていて初めてしゃべったって。
「できそうで、できない」ものは世の中にはけっこうあるんですが、「できなさそうで、できてしまった」ってものも少なくないようで。
できちゃった結婚の話ではありません。PFI刑務所です。とうとう刑務所も民間解放の時代です。できちゃったんです。
テレビで紹介していましたが、かなり開放的です。高い塀なんてありませんから。房の中もベッドが付いていて窓には鉄格子もない。廊下も受刑者が一人で歩けるんだとか…。もちろんすべてコンピュータによる監視付きなんですが。
学生時代にゼミで刑務所の見学に行ったことがあります。模範囚を収容する刑務所だったんですが、警戒は厳重。控え室に時計などの貴重品、ライター・たばこなどを置いて行った記憶があります。
注意事項。受刑者と目と目が合っても「けっして笑わないこと」などと。いろいろな注意点もあったようで。
そんなムショが現代風に。民間委託の根拠は「構造改革特区」です。特区法の産物ですね。どこぞの会社もその恩恵(?)で大学もどきの教育をやっているやに聞いています。(おでんのがんもどきはおいしいんですが、大学もどきはおいしいんでしょうか。食えますかね)
そのPFI刑務所。さすがに我がニッポン。外国の物まねがうまい。これはフランスのPFI刑事施設をモデルにしたとか。
「公権力の行使」の最前線にある行刑業務。これを民間に委託できるかというのが論点の一つ。法的根拠があるって…そう単純なものじゃないようで。でも、できちゃったんです。
かのフランスでは、フランス人権宣言(1789年)まで持ち出しての憲法論議がなされたようです。刑罰権を民間などの他者に譲渡できるのかっていう。
わがニッポン。そんな議論などなかったようですね。だって、私なんかテレビで放映されるまで知りませんでしたよ。
国から民間への業務委託。これって行政契約ですから、国などは指揮監督できないのですね。うまくいくんでしょうか。民間企業は営利追求が目的だし…。
最近よく言われている「民間にできないことを民間に」ということになっていませんかね。
♪でっきるかな、でっきるかな…♪