黄金色の日々(書庫)

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おとなのけんか

2012-02-28 23:31:28 | 映画感想




いやはや、大人ってやつぁ(笑)

RもPGもつかないが、大人専用。若い人でも楽しめる人もいるだろうけど、イライラするほうが多いかもしれない。ある程度の年を経てる者の方が、既婚でも未婚でも楽しめると思う。
いわゆる密室会話劇で、登場人物は4人のみ。あとは電話の相手や遠目に見る子供たちだけ。セリフはない。
もとは舞台劇だったとすぐわかる。それをあえて映画で見せた。キャスト&監督の力量が大きい。

子供同士の諍いと暴力沙汰が発端だけれど、まさに発端でしかない。
どんどんズレまくる話。エキサイトしていく舌戦。さらには夫婦喧嘩にも発展。
面白いのは、全員が自分の日頃溜まっていた鬱憤をぶちまけていると、その時々により対象が変わっていく。当然だけど可笑しい。
妻対妻、夫対夫、相手の妻とこちらの夫、相手の夫とこちらの妻、そして夫婦喧嘩。
組み合わせパズルか。

誰もが人を非難しているようで、自分の不満を訴えている。

大人ってのはそういうもんだよ・・・。
そして、“言葉じりを捉える”というのも大人の喧嘩の大道。それにより、切り上げようと思いつつ、4人はなぜか部屋に引き戻されている。
泥沼化し、女性同士がヒステリックに騒ぎ立てるかと思えば、男同士が皮肉の応酬で額に青筋。
そしてまた。大人の最大の扶持である、“とりつくろい”がなくなっていく。取り繕うために、互いに言わなくてもいい私的なことをうっかり言って微妙になるのも笑えるが、かなぐり捨てた大人のえげつなさも笑うしかない。
夫同士はやはり、ホワイトカラーとブルーカラーの対立もあり、妻同士はそれでも子供のことはやっぱり大きい。互いの子供が正しいと主張し出す。旦那はそれには双方引いて加わらない。そういうもんだよ、夫族(笑) そして酒や葉巻においては意気投合してるのも男(~_~;)

キャストは強者ぞろい。クレジットではキャリア的にジュディ・フォスターがトップだが、彼女自身のキャラに被せられた世界平和的な主義の真面目女は、イタさが笑いを誘うと共に他のキャラを引き立たせる役どころに。彼女自身がそれを分かって引き受けたのだとしたら、相当なものだ。

ケイト・ウィンスレットは大立ち回り。ゲロは吐くは(これがリアル 汗)、夫の携帯を水没するわ、訪問宅の歓迎のお花をぶちまけるわ。酔ってたがが外れたせいだけど、キャラ的にはお得。

ジョン・ライリーは知らなかった俳優。片方の夫の皮肉屋ぶりに比べこちらは日和見。面倒なことは嫌い。典型的亭主族ですな。
くまっぽい(笑)

クリストフ・ヴァルツ。私の中では彼はこういう嫌味な奴に決定した(笑) フロイト役を蹴った経緯でマイナスイメージを持ってしまったけれど、彼が演じる役で今のところ善人を見たことがない(笑) 彼の役だけは取り繕わず本音を言うので偽善者ではないけれど、善者でもありはしない。携帯を妻に水浸しにされてからのイジケ方が流石だったよ。

ラストは4人がボーゼンとしたところで終わってしまう。テロップが流れる中、公園で子供同士が遊んでるシーンへ。
とっくに子供同士は仲直りしてる。親同士の遺恨は消えないだろうね。それにも増して夫婦間のこれからの方がよっぽど恐ろしい(笑)


76分と短い中に、大人にしかわからない練れた辛口喜劇を見せてもらった。よっぽどわかり合えている夫婦以外は一緒に行くのは考慮して(笑)



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おとなのけんか




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