別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン4 ⑤

2014-01-01 10:18:12 | シーズン4
エピソード19 もうひとつの家族

この話を本放送の頃のネタばれで見て、そりゃないぜ、あんまりだと思った。
兄の気持ちを思うと、あまりに気の毒すぎると。
でも、さらに内容を聞くと、仕方がなかったんだな…と思ったのです。
人間て哀しい。傷つけたくなくても、傷つける行動をとるしかないときがある。
そんな家族の物語。

・父ジョンの古い携帯にかかってきた電話。相手はアダムという青年。
・彼はなんとジョンの息子だという…
・はなから信じず、ご立腹の兄。平静な弟(^_^;)
・初めてエレンに会った時も、こんな感じだった。兄の父親への敬愛と複雑な思いは、反抗を表に出していた弟より根深い。
・待ち合わせのダイナーで、聖水(悪魔用)と銀食器(シェイプシフタ―用)の準備に余念がない兄。綺麗なウエイトレスにも目もくれません。
・ジョンの手帳を調べつつ、ありえることだと説く弟。
・ダイナーの雰囲気がいい。パイが美味しそう。
・アダム登場。あんまり美青年じゃないな。でも母性本能に訴える目をしている。
・母親が失踪して、頼れるのは滅多に会わない父親だけだという。
・勿論ハンターのことも闇の世界も知りません。
・聖水、銀も効かず、うろたえる兄。
・年に数度は会いに来てくれた。ビールやポーカー、ビリヤードを教えてくれ、インパラで運転も教わったと…!
・キレる兄。有り得ない。俺たちが彼の息子だと(涙)
・じゃ、兄さん達?と言われ、拒絶するディーン。サムは様子見(^_^;)
・アダムの家でジョンと一緒のファミリー写真を見せられ、とどめを刺される兄(大泣)
・誕生日には野球観戦に連れて行ってくれたと…
・ディーンの表情が(滝泣)


ジョンが酷すぎる、と言いたいところだけど、そうも言えない。
兄弟を預けてハンター業していた時に受けた怪我で、運ばれたERの看護師だったアダムの母。つかの間のつきあいだったんでしょうが、アダムを授かった。それをジョンにも言わず、アダムが12歳になった時にせがまれて連絡を取り、その時初めて3番目の息子の存在を知ったジョン。
ディーンもサムも、ひとときの相手がいたし、ディーンはリサの息子が自分の子ではないかと思ったことも。だから弟の存在は責められない。でも、自分達に比べてアダムへのジョンの態度は違いすぎる。
けれど母親を殺され悪魔と関わり、幼少期から闇の世界と復讐に関わらずを得なかった二人と違い、しっかりした母親とごく普通の世界で生きてきたアダム。
流れ者のジョンに伝えることもなく、一人で息子を育てた母にも、ジョンは自分の本当の姿は伝えられない。
自分の係累が果たして普通に生活できるのか、心配もあったし成長を見たいのも勿論あったから、年に何度かは会いに行っていたジョン。
そして、普通の生き方をさせなかった上の息子達への贖罪もあったと。
二人にできなかったこと、普通の父親としての務めを果たすために、三番目の息子が与えられたと感じたんじゃないか。

でも、ジョンが「もうひとつの家族」に会いに行ってる間、二人でモーテルで肩寄せ合って待っていただろう兄弟を思うと泣けてこずにはいられない。もしかすると、3にあったクリスマスの時もそっちに行ってたかもしれない…!

けれど、兄弟も成長しています。というより父親の隠し子問題どころじゃない状況に追い込まれている。

・アダムの母は化け物に連れ去られた可能性。
・床下を調べることに。じゃんけん兄弟久しぶり。
・またもチョキで負ける兄(笑)←常にをだしてしまう
・アダム母は殺されてしまったらしい。僕も復讐したいというアダム。

上の兄弟の意見は真っ二つに。
親父はアダムに普通の生活をさせたかった。そうさせるべきだと、アダムを闇の世界から遠ざけたいディーン。
自分達に復讐したがっている悪しきものは数えきれない。その連中の標的にされるかもしれないアダムを鍛えるべきだというサム。

互いに、アダムに嫉妬してるんじゃないかと言い合う。
与えられなかった普通の父親の愛情、まともな生活。それを与えられていたアダム。それに対し、複雑な気持ちが無いわけはない。
でもそれは、もう兄弟にとっての重大事ではない。
自分の人生が、自分の手に余る重荷や責務を背をわされていることで、兄は疑問を、弟は暗い決断をしているから。

シーズン1の頃とは逆転している。自分の人生を自分のものとして生きられないディーンの苦悩。そして弟がどんどん変貌していく様。
せめて下の弟にはその世界は見せたくない。
自分が望んでも得られなかった人生を送ってきたアダムに対しても、すでに嫉妬などは見せないサム。もうその道は自分では選ぶべきもないと知っている。
兄を地獄にやって、悪魔と関わることを選んだサムは、ある意味一種の選民意識が芽生えてる。自分たちは人とは違うという。
兄が荷が重いなら、自分がやるという。

父親がかつて言った、嫌って飛び出した言葉をサムがアダムに言います。
ハンターになるのなら、普通の生活、友人、恋人すべてを捨てろ。過去は切れと。
頼れるのは家族だけ。
それに怒るディーン。親父は正しかった、身を守るすべを教えてくれたというサム。

「俺らは後戻りできない。でもアダムには色んな道がある。」
「この世の終わりが迫ってる。それが現実だ」
「親父がアダムをハンターにしなかったことも現実だ。背負わせていいのか」
「彼はウィンチェスターだ。もう背負ってる」

サムの言葉が痛い。アダムだけが特別じゃない、というサムの言葉を兄は嫉妬ととったけど、アダムだけが普通の生活を許されるわけはないというのは、この一家の枷は彼にも及ぶということなんですね。

閑話休題ですが、ウインチェスターは、ライフルを発明した人の名前だそうですが、彼の家族、係累にはことごとく災いが及んだという話があり、それは彼の製造した銃で死んだ多くの人間の霊のたたりと言われているそうです。ウィンチェスターというのは、そういう呪われた一家として、つけられたネーミングなんですね。

・うわー。そういうことか。
・犯人はグール。人喰い鬼でした。
・だから悪魔を吹っ飛ばせるサムが、なんでグールごときから逃げられないんだ。
・サムの血をすすって、「変な味がする」(^_^;)
・「もう一つの家族」って、こっちの意味もあったのか。いい邦題だ。
・どんなにレベルが上がっても、結局また兄貴に助けられてるサム。ザッツ弟。
・兄の殺し方が… 本当に怒ってたんだろうな。
・「親父の魂を受け継いだのはお前だ」「それ褒めてるの?」
・「好きなように取れ」 涙涙涙

三人目の兄弟、新しい家族、父親の想い。
それらすべても、今の二人には己と互いに向きあう一つの過程でしかなかったんですね。
「もう一人の家族」ではなく、「もう一つの家族」
それは、アダム母子とジョンの「一家」、後半に出てきたある家族のこと、そして、絆が切れかかっている兄弟が、自らが何を互いに求めるのか、家族とは何なのかを突きつけているようなタイトルに思えました。

シーズンを重ねるごとに、グロいシーンもグレードアップしてるんだけど(^_^;)、それにもかかわらずこの話は、やはり家族愛、兄弟愛の話なんだなーと思わされました。心情を見せるジェンの表情は秀逸です。

でも一家の末席として生きてきたサムとしては、弟の存在はまんざらでもなかったというのも本音っぽかったな。結構楽しげにアダムに教えてたもん。
僕も兄、みたいな優越感も垣間見えて、そこはこの話のちょっとした萌えでしたv

げ、一話でこんな書いちゃったよ…(^_^;)
次の回も、ある家族の物語。あと3話!


(2009.11.4)

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