どうも、神戸大学文学部首席合格者こと、2回生の稲田です。
台風14号が直撃し、いつ終わるのかと思っていた夏合宿もついに10日目。終わりを迎えるときが来ました。
この日の朝はパン食のため、5時に全員起床。上高地の朝は想像していたよりずっと寒く、なんと気温6℃となっていました。まだ夏だからと高をくくっていた部員たちは夜何度も起きることになったようで、眠そうに、また、寒そうにテントから出てくることになりました。まだ穂高も明るくならない早朝にパンを囲み、部員たちは手を叩き始めます。
いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、パンいただきます。
呪文を終えるとパンが配られました。8枚切りの場合3枚、6枚切りの場合2枚となります。部員たちはこぞってジャムへと向かいます。最も人気を集めたのは、信州の影響もあってでしょうか、りんごジャムでした。私は争奪戦に負けてしまったため、ほんの少量しか使えませんでしたが、確かに甘く、とても満足のいくものでした。
全員がパンを食べ終えるとテントを片付け始めます。この合宿で何度もテント泊をしてきたのです。みな手際良く、協力して片付けることができました。
その後体操を行い、荷物をキャンプ場から約1km先の駐輪場へと持っていきます。いつもなら自転車に付けるはずの荷物。漕ぐ前からヘトヘトになりながら部員たちは駐輪場へと向かいました。
荷物を積み終えるといよいよ出発。今回は高山まで約55km700upのそこそこのコース。正午までの到着を目指します。愛しの上高地との別れを惜しみながら、部員たちはペダルを回しました。
最初は昨日上った上高地トンネルと釜トンネルを下ります。あれほど苦しめられ、恐ろしかった釜トンネルも下りとなれば楽なもの。颯爽と駆け抜けました。
次は安房峠へと向かう九十九折。約500upです。乗鞍岳を上り、次の日には上高地まで上ってきた部員たちの疲労はついにピーク、のはずですが、皆もうハイになっているのでしょうか、ガンガンと坂を上っていきます。特に2回生の鈴木はもうめちゃくちゃでした。彼がこの合宿で一番強くなったんじゃないかと個人的には思います。
九十九折を抜けると坂は少し緩やかに。安房峠までももう少しです。後ろを振り返ると北アルプスの山々がまだ見えます。少し疲労が見えてきたためペースを落とし、着実に上っていきます。
少し雲が晴れてきた頃、安房峠に到着しました。10日目の朝はこの合宿では珍しい晴れ。峠から見る穂高と乗鞍は感動ものです。本当に合宿に来て良かったと思えました。
パシャパシャと写真を撮ると、穂高に別れを告げ、安房峠から平湯まで下ります。道はガタガタでしたが、鍛えられた部員たちです。ものともしません。平湯まで一気に下りました。
平湯からは少し上ったあと、平湯トンネルを経由して一気に高山まで向かいます。この道は全体的にしっかりと整備されており、非常に走りやすいものでした。少々空に雲がかかります。正午までの到着を目指し、部員たちはペダルを回しました。
そして約1時間が経った頃、ついに高山駅に。ゴールとなりました。総走破距離は約600km、獲得標高は約10000mでした。
全班がゴールを迎えると、いのこを行います。プランナーを抱えますが、こればかりはどうしようもありません、少しツンとした匂いがしました。
いーのこいのこ、いももちついて、はんじょうせー、はんじょうせー。
プランナーを空中へと放り出します。全力で腕を振り上げます。疲れている割には良く飛んだのではないでしょうか。
その後、記念撮影を行います。背景は高山駅。今回も合宿で流行った腕組みのプロゲーマーのポーズをビシッとキメました。
撮影を終えると合宿で最後のご飯となる、昼パンを行います。小さな公園での昼ごはんとなりましたが、部員たちはわいわいと楽しく食べていました。
最後に、この合宿の総括が行われました。
荒天に見舞われ辛い合宿でしたが、時折見える晴れ間や、仲間と食べたご飯など、楽しかったことは山ほどあります。終わるとなると、やはり寂しくなるものです。
ブリーチしたみたいな雲や、水道を伝う水の透明さ。上高地の夏の大三角、滲んでる汗。漕いだ山の道を、私たちは忘れないでしょう。
次回は春合宿、南九州です。海までの道を漕ぐことになるのでしょうか。
それまで、何卒よしなに。
どうぞよろしくお願いいたします。