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調剤薬局の休憩時間

なかなか外では話せない(?)薬局の話です。
薬の使い方、保険・レセプトなどにもふれたいと思います。
基本雑多です。

ポスト

2011-07-28 06:22:30 | 雑多
私の薬局のポストは、薬局の壁に穴が開いており、郵便受けは薬局内にあります。
深めで、底まで手が届かないようになっています。

元々は外付けのごく普通のポストでした。
鍵は誰かに壊されてしまい、役立たずの状態でした。

それを壁に穴を開けてこのようなポストにしました。

それはある出来事がきっかけでした。

私が勤務する薬局はドアと、その横にはめ殺しの窓があります。
それぞれにシャッターが付いており、帰宅時にはこれを閉めます。
ポストはこのドアと窓の間に付いていました。

ある日、出勤してドアのシャッターを開けました。
すると小さく折りたたんだ紙が裏側からおちてきました。
最初はゴミかなと思ったのですが、それにしてはきれいにたたんであります。
よく見ると何か書いてあります。

<いつもお世話になっているものです。今度こちらの薬局でお薬を出してもらいたくて処方箋を置いていきます。よろしくお願いします>

開くと期限ギリギリの処方箋でした。

<ポストに入れてくれるかファックスしてくれればいいのに>
と思ったのですが、
<そうか、ポストは壊れているんだ>
と思い当たりました。

当日患者に連絡し、薬が揃ったところで取りに来てもらいました。

その時に、ポストが壊れてしまっていることをお詫びし、ファックスでも構わない旨を伝えました。

ところが、大学病院では待ち時間が長く、拘束されてしまう。加えてファックス送信もかなり待たなくてはならないとのことで、それならさっさと帰ってきて薬局に処方箋を置いた方がいいと思ったそうです。

処方箋の期限は交付日を含めて4日間あるので、その間ならいつでも構わないと伝えました。
しかし、帰ってくればもう疲れているし、家のこともあるしとまぁ様々な事情で当日なかなか持って来られないとのこと。そして家にはファックスもありません。
そして日にちがたてばわざわざ外出も面倒になるとのこと。

気持ちはよくわかります。

このようなとき、よく自分の健康のことだろ、と立腹する方がいますが、長い病気になれば日常になってしまい、第三者が言うようにはできません。

それはそれとして、シャッターの裏側に入れることは危険です。
飛ばされてしまうかもしれませんし、シャッターが巻き込んでしまうかもしれません。

そこで、経営者に頼んで前出のポストにしてもらいました(結構渋い顔をされましたが…)。

ポストには鉛筆をぶら下げてあります。
そして、
<ご連絡先を必ずご記入下さい。次の営業日にご連絡いたします>
と書き添えてあります。

このポスト、結構評判で、週末や休日明けには何枚か処方箋が入っています。

今までポストに入れたくても、不安で入れられなかったと言う患者が何人かいたということでしょう。
つまり、病院からの帰宅時に寄ればすむことを、わざわざ薬局の営業時間に合わせて出掛け直していたと言うことです。

ちょっとした改良で患者に喜んでもらえるものです。

調剤薬局における本当の客とは?

2010-11-21 16:05:04 | 雑多
薬局における客とは誰なのか?

それは患者に決まっている。だってお金を払ってくれるでしょ。

確かに直接お金を払ってくれるのは患者です。
でも、その患者はどうして私たちの薬局に来たのでしょうか。

これについて、新患の投薬時に、簡単な聞き取りをしたことがあります。
私が最初に管薬を任され、利用患者に伸び悩んでいたときでした。
1か月600枚程度の受付回数がずっと続いていました。

「今回は当薬局をご利用いただきましてありがとうございます。ところで私どもの薬局をご利用になったのはどうしてですか」

この質問に対し、ほとんどが病院・クリニックで紹介されたでした。

いつも利用する薬局だからというのはほとんどなかったと認識しています。

そうなると本当の客は医師(またはクリニックの受付)ではないかと思います。

クリニックで医師や受付の方が○○薬局がもっとも近くにあります。お薬も揃っています。と言ってくれれば患者はほとんど来局するという図式が見えてきます。

以前特に門前を持たないクリニック2カ所に、疑義照会した内容の根拠となる添付文書などを何回かお持ちしたことがあります。
その時おふたりの医師に全く同じことを言われ、驚いた覚えがあります。
「薬局さんがここまでしてくれるとは思いませんでした。これからおたくにお願いしてもいいですか?」
これは最高の褒め言葉だと思っています。

その後、それぞれの医師の処方の考え方や投薬時に注意することなどを打ち合わせました。

そのふたつのクリニックの患者はまず100%来局しました。
△△薬局なら私の考えを適切に説明してくれます。そちらの薬局のご利用はいかがですか。とまでおっしゃって下さいました。

特定の診療所が特定の薬局を紹介することは、厳密には禁じられています。
しかし、医師の処方の考えと異なる説明や不用意な発言をしたり、患者に不要な情報を要求すれば、医師は治療に障害があると判断します。
その結果、自分の考えが患者に伝わる薬局を紹介しても仕方がないことと思います。

私は管薬だった頃、近隣のクリニックに毎日のように出向き、時間があえば医師と直接お話しもしました。
こちらからの情報だけでなく、お忙しい中わざわざ時間を割いて処方意図を解説していただいたり、大変勉強になりました。
その内容を薬局内で共有し、さらに疑問点が出てくれば医師に聞くという循環になりました。

薬局スタッフ全員の協力もあって、月2000枚超の薬局へ成長しました。

薬局で実際にお金を払うのは患者ですが、医師の一言でずいぶんと変わることを痛感しました。
いくら隣に薬局を構えていても、医師の考えひとつで患者が来るか来ないか、大きく左右されます。

そんなことから、薬局における本当の客は医師ではないかと思います。


患者は見ている

2010-06-24 07:02:07 | 雑多
ふたりの医師がいます。
共通点はどちらもはっきりものを言うこと。
表現を変えれば口が悪い、ということになるでしょうか。
そしてクリニックはエレベータなどがない2階にあります。

A医師は約1時間のクルマ通勤をしています。
クリニックに到着する前に、いくつかの高齢者のいる家庭を往診しています。
昼休みや診療終了後もできるだけ多くの家を往診、訪問しています。

B医師は同じくクルマ通勤ですが約30分。
クリニックに開院時間ギリギリに入ればいい方です。
時々開院時間に間に合わないこともありますが、悪びれた様子はなく、堂々としています。
昼休みは院長室で昼寝をし、午後の診療時間が始まってスタッフに起こされ、やっと診察を始めます。
診療終了後はすぐに帰宅します。

Aクリニックは主に内科を、Bクリニックは主に整形外科を営んでいます。

A医師は階段を上るのが大変という患者に対し、近隣の使いやすいクリニックを紹介しますが、患者の希望はA医師による診察です。
そこでまた往診が増えます。
B医師は同じような患者に対し、それもリハビリのひとつと考えれば大丈夫と言います。

A医師は患者の他愛ない話も、遮ることなく最後まできいてくれます。
B医師は途中で「わかったわかった」と言って遮ってしまいます。

A医師は患者が増えることにとまどいを覚えています。
ひとりひとりに十分な時間がかけられなくなるからです。
B医師は患者が減っていることを、近隣に新しく開業したクリニックのせいだと考えています。

このふたりの医師、実在します。
時期、場所は離れていましたが、私はおふたりから処方箋を受けていました。

患者の増減は些細なことが原因です。
患者は見ていないようでよく見ています。
それも知識とか技量ではなく、人間としての振る舞いを見ています。
時間にルーズ、横柄では離れていってしまいます。
逆に親身になって患者と対峙してくれる医師は、どんなに口が悪くても人は近寄ってくるということを身をもって知りました。

薬局も同じではないでしょうか。
近くに綺麗で明るい最新式の薬局ができたから患者が減った。
そんなことはありません。
きっと患者の目線に立っていない薬局だから患者が去っていったのです。

「患者の目線に立つ」
簡単なようで難しいことです。

皆さんはどのように対処しますか。
そして、患者のウォンツを知り得ますか。


薬剤情報提供、どこまでが適切?

2010-06-17 06:53:05 | 雑多
副作用は、もう絶対と言っていいほど言って欲しくないという医師もたまに見受けます。

私が薬剤師になりたての頃、先輩薬剤師にも「副作用は絶対言ってはいけない」と言われた覚えがあります。
理由は、副作用情報は治療を妨げるから、だそうです。

何十年も前、調剤薬局がまだまだ珍しく、薬は院内で、しかも説明も何もなく、まさに「投薬」されていた時代ならまだしも、今や薬の情報はネットでも何でも入手できます。
うかうかしていたら全然違う情報が流されていることすらあります。

このような時代にあって、一体どこまで薬剤情報を提供するのが適切でしょうか。

以前勤務していた薬局では副作用について、と言うよりも服薬指導までこと細かに指示してくる医師がいました。
受診の際、患者に薬について薬局でどのような説明を受けたかをまず患者からきくのだとか。
患者が教えてくれました。

気に入らない情報があると時を問わず電話をかけてきて、電話口で怒鳴り、なぜそんなことを言ったかの説明を求められました。
これにはホトホト閉口しました。
薬剤師1~2名、事務1名の小規模薬局でしたから、医師から電話がかかってくると、投薬ができなくなってしまうこともありました。

よく怒られた(?)情報は、
・ステロイド剤と言った
・抗生剤で下痢するかも
・抗アレで眠気がでるかも
・抗血栓薬に関する注意事項
・糖尿病薬で低血糖症状への注意とその対処法
・抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に服用する必要がある
などなど、数え上げたらきりがありません。
基本的に、
・薬局は薬だけ正しく渡せば、それ以外は何もしなくてよい
・何か症状が出ても、それは今かかっている病気によるものだ
・私が処方する薬は副作用はない
というスタンスでしたから。

まぁ、ここまで言ったらホント、どうでしょうか、私はチョット言えません、状態です。

しかし、こちらとしては副作用などを極力避けるため、特に初めて処方された場合には情報提供する「義務」があります。
医師から説明があっても、それを反芻させ、しっかりと記憶させるためにも聞き取りは重要です。
で、まず「医師から何かききましたか? 注意は受けましたか?」
と、聞き取るのです。
しかしほとんどの患者は十分な説明を受けておらず、低血糖症状についても具体的にきいていないこともありました。
抗インフルエンザ薬について、今日はどのように服用するかきいたところ、夜から服用するように言われたと答えた患者も少なくありませんでした。朝10時頃に調剤しているのに、です。

その医師は、常に「私は全責任を持って患者の治療に当たっている」と言っていましたから、患者が聞き漏らしたかもしれません。
薬局長が医師に会いに行っても、用事があればこちらから連絡する、と言うので面会はできず、資料も渡せない状態が続きました。門前払いです。

結局私たちには何もできず、無為な時間が過ぎていきました。
これ以上医師を怒らせて処方箋がもらえなくなると困るという、家の中の事情もあったからです。
そんな時、不満に感じていた患者が医師に強く言ったことで、やや改善が見られました。

しかし、薬剤師として私たちは何もできませんでした。
私もその後間もなくこの薬局を去ってしまいました。
患者の質問に対し、十分回答できないばかりか、病気との兼ね合いがあるから医師にきいてください、では患者も次第に遠退いていきます。

十分な薬剤情報を提供せずに、その患者が副作用を病気だと思って我慢していたらと思うと、どこまで情報を提供すべきなのか、薬局として何ができるのか、薬剤師として適切な行動は何なのか、今でも悩みどころです。
私たちは患者に触ることも許されておらず(例外あり)、すべての検査値を知ることもなく、ましてやその数値やX線写真の読み方もまず知り得ません。

患者もそのことを知っているからか、薬局でこと細かに話すこともありません。

病態の詳細を知らずして適切な医薬品情報は与えられないでしょう。
関係のない情報は、まさに治療の妨げとなりかねないからです。

しかし、ある程度の情報を提供しないと、重大な副作用を見逃すことにもつながりかねません。
そして、患者は副作用情報に一番の関心があると言っても過言ではありません。
専門的な情報を噛み砕いて患者に提供できればと思うのですが、なかなか思うようにはいきません。

さて、私たちが与えることができる情報は、どこまでが適切なのでしょうか。


国家資格です。

2010-05-19 06:33:52 | 雑多
「えっ? 国家資格なの?」
実際に患者に言われた言葉です。
「医者の助手かと思ったよ」
何とも考えさせられる言葉です。

日本において薬剤師はその立場が明確ではありません。
せいぜい薬売り。よくて薬に詳しい人(どこが違うんだ?)
調剤薬局の薬剤師においては、門前という条件も加味され、処方元の医師の手伝い程度にしか認識されていません。
それも多くの場合、処方元医師がああせいこうせいと薬局に注文をつけてくるからです。

以前勤務していた薬局では、医師が患者にすべてを説明するからということで、薬に関する一切の情報を公開しないように強く言われていました。話の勢いで副作用などに触れようものなら呼び出されてくどくどクドクド……それはもう感情的に、時にはネチネチとお叱りと嫌みを言われました。
これはもう医療界の情報統制です。
結局その医師は患者に薬に関する十分な情報提供をせずに(できなかったんですが(^_^;)、かなり信頼を失ってしまったんですが……。

薬剤師は転職が多い業界です。
転職といっても内容は薬剤師なのですが、会社や(同じ会社でも)薬局を変遷することが少なくありません。
その中で自然と身につけてきた生存テクニックがあると思います。

薬剤師の多くは会社に所属しています。自営ではありません。よしんば自営だったとしても従業員がいます。
会社勤務とあれば、どうしても会社のことを考えます。自分の発言ひとつで、医師が処方箋をまわさなくなることもあります。
私は過去に医師に薬のことで基本的な情報の誤りを提言した薬局が、患者にその薬局に行かないように話し、廃業に追い込まれた薬局をいくつか知っています。
実際にそのような話を目の当たりにしていなくても、先輩薬剤師や経営者から似たような話を聞いている薬剤師は少なくないでしょう。
そのことが少しでも頭をかすめれば、どうしても保身(この場合、自分の身のみではなく会社や社員、その家族など)にはしることは否めません。

私たちは少なくとも薬だけをみれば誰にも負けないという自負があります(あると思います)。
ですから処方箋という紙切れ1枚の中だけで疑問も発見しますし、患者の癖や性格などもある程度見抜けます。さらに疾患についても推測でき、どのように服用することが適切かをほとんど瞬間に行ってしまうわけです。
薬局に勤務していれば当たり前のことなので誰も驚きはしないでしょうが、たまに薬剤師でない友人と呑んだときなど、見せられた薬から大雑把でも当ててしまうことに驚かれます。
まあ、それが仕事ですから。

あれ? ほとんど愚痴になっちゃいました。
その上中途半端。
またいずれそのうちに。